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―茈Side―
『工事中』
そんな文字が目に入った。
フェンスが張られていて、大きく立ち入り禁止区域と書かれている看板が張られている。
何故か、全てを否定されたような気がした。
あの日2人で見た景色が見えなくて、土管も壊されてて…全部、もう無いって、言われような気がした。
此処なら、なつが居ると思ったのに。
喧嘩したら、次の日までに此処に来て仲直りするのが俺らだった。
絶対守るって、約束破った俺に怒ったのかな。
ここから見える景色は、随分変わってしまっていた。
3年もあれば、そりゃ変わるのはわかってる。
でも、今の俺には…変化というものが一番痛い。
ほんとに俺、何も知らなかったんだな。
まぁ、知ろうとしなかったんだけど。
こっから降りたら、間違いなく死ぬだろーな、
なつ、そんなことしたら…怒るよな。
彼奴に…怒ってほしい、 今の俺を。
何考えてるか、自分でもわかんないときがある。
楽しいって、嬉しいって思えなくなったんだよ。
行ってみるか。
別に、死にたいわけじゃないんだ。
ただ、なつのいるとこに行きたいだけ。
なつを探しに行くだけだから。
覚悟は、もう決まった。
後は、前に進むだけだ。
通知が鳴って、スマホが光った。
…みことからだ。
『いるまくん、さっきはごめんね』
『どこにいるの?』
『大丈夫、俺のこと探さなくていいよ』
『ありがとな、みこと』
その後も…通知がなってたような気がしたけど、俺は目を向けなかった。
あー、らんにも連絡しとかねぇと…
みこととらんには、悪いことしたな。
俺は、周りに誰も居ないことを確認して…フェンスの方へ一直線に進んだ。
そして、フェンスを飛び越える。
なつに、会いに行くだけ。
それ以上でも、それ以下でもない。
うわ、すげぇ痛そー。 自分でもびっくりするくらい他人事みてぇな感覚だった。
足音が聞こえた、気配を感じる。
みことからんだな…、ここまで来たのかよ。
ほんっと、優しいやつら。
急がねぇと、彼奴に会いに行けない。
「ッ…はぁ…」
自分が震えてることにやっと気づいた。
大丈夫だ、こんなの、痛くも痒くもない。
なつが、こっちに手を伸ばして来てる。
そんな幻覚を見た、走馬灯ってやつ?笑
きっと、俺のこと迎えに来てくれたんだよな。
…待ってろよなつ。
今、逢いに行くから__
俺は、一歩踏み出した。
___ッ
誰かに、腕を掴まれた。
邪魔するなよって、思った。
「ぃる…ま…!!!」
「どこ…いくの、 」
「おれのこと…、ぉいてかないでよ…っ」
俺の頬に、水滴が落ちてきた。
そのまま俺は、“彼”に引っ張られた。
都合の良い夢だと思った、…そう、自分に言い聞かせた。
そうやって、起きたらまた、俺の前から居なくなってるんだろ。
今度こそ、耐えらんねぇよ。
でも、そこには確かな温もりがあった。
…子供みたいに幼い泣き顔。
少しやつれてしまっているけれど、…あの頃と何も変わっていない。
「…な、つ…? 」
「いるま…っ、」
そこには…ずっと、探してた…彼奴がいた。
こめ
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さくら
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コメント
3件
…えっっ ?!?! ついに赫くん?!?!えっっ?!?!!やばいやばいやばいですよ(( 赫くんのことをずっと思って落ちようともする茈さんが見てて心がぎゅってなりました…😭 次回楽しみにしてます!!!
うわぁ…ここまで心を削られる展開だとは思わなかった。茈が「なつに会いに行く」って言いながら、結果的に死を選ぼうとしてるのが痛いほど伝わってきて、読んでて息が止まりそうだった。工事現場のフェンスと「立ち入り禁止」が、まるで彼の心の状態そのものに見えたよ。 でも最後、腕を掴まれて「おいていかないで」って泣く彼が現れた瞬間、本当に救われた気持ちになった。なつ、ちゃんと迎えに来てくれたんだね…。久しぶり、って言いたい気持ちでいっぱいです。