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夜更けの大公城。
静まり返った廊下に足音が響く。
ショウタは急いでいた。
💙嫌な感じがする
胸騒ぎ。
魔力の流れが明らかに乱れている。
行き先は一つ。
レンの部屋。
扉を開ける。
💙レン
その瞬間。
目に入った光景に息を止める。
床に崩れ落ちたレン。
ダイスケが必死に支えている。
🩷ショウタ!
声が震えている。
🩷急に…っ
レンの体から 黒い紋様が広がっていた。
腕だけじゃない。
首筋。
胸元。
まるで“侵食”するように。
ショウタはすぐに駆け寄る。
💙離れるな
手をかざす。
魔術を流し込む。
だが、弾かれる。
💙…っ!?
明らかに異常。
💙効かない…?
ダイスケの顔が青ざめる。
🩷どうして…
レンは苦しそうに息を吐く。
🖤はぁ…っ
目が焦点を結ばない。
ショウタは歯を食いしばる。
💙最悪だ
低く呟く。
💙想定より早い
🩷何が!?
ショウタは一瞬だけ迷う。
だが隠している場合じゃない。
💙これは呪いじゃない
ダイスケが固まる。
🩷え…?
ショウタは言い切る。
💙“契約”だ
空気が凍る。
💙大公家の血は
レンの紋様を見ながら言う。
💙セイレーンを抑えるための器だ
ダイスケの呼吸が止まる。
🩷…それって
ショウタは続ける。
💙お前の力を封じるための仕組みだ
💙つまり
一言ずつ、重く落とす。
💙お前が近くにいるほど、レンは壊れる
ダイスケの手が震える。
🩷そんな…
レンが苦しそうに笑う。
🖤…はは
かすれた声。
🖤やっと分かった
ダイスケを見る。
🖤お前と一緒にいる理由
ダイスケは首を振る。
🩷違う、そんなの…
ショウタが遮る。
💙まだ終わってない
二人が見る。
ショウタは真剣な顔。
💙この契約、本来は一方通行じゃない
💙ダイスケが封じる側と封じられる側
💙対等な契約に変わる
ダイスケの瞳が揺れる。
🩷それって…
ショウタははっきり言う。
💙婚姻だ
沈黙。
🩷え?
ショウタは続ける。
💙形だけじゃ意味がない
💙“本当に結ばれる”必要がある
ダイスケの頬が熱くなる。
だが、それ以上に恐怖が勝つ。
🩷じゃあ…今のままだと
ショウタは迷わず答える。
💙レンは死ぬ
その言葉、重く落ちる。
ダイスケの視界が揺れる。
🩷…やだ
小さく呟く。
🩷やだ…
レンが苦しそうに言う。
🖤…泣くな
ダイスケの涙が落ちる。
🩷俺のせいで…
レンは無理やり腕を上げる。
ダイスケの頬に触れる。
🖤違う
息が荒い。
それでも言う。
🖤選んだのは俺だ
ショウタが言う。
💙時間がない
緊迫した声。
💙今すぐ結び直せ
ダイスケが顔を上げる。
🩷どうすれば
💙歌え
ダイスケの心臓が跳ねる。
🩷でも… 怖い
正直な言葉。
ショウタは静かに言う。
💙未完成でも構わない
💙今は“繋ぐ”ことが先だ
レンがかすかに笑う。
🖤…ほら、俺がいる
その言葉。
ダイスケの呼吸が整う。
震える声で言う。
🩷…うん
目を閉じる。
手を握る。
レンの手を。
温もりを確かめる。
そして歌う。
♪〜
やっとの思いで声を絞り出す。
不完全な旋律。
だが今度は違う。
レンと繋がっている。
紋様がゆっくりと光に変わる。
侵食が止まる。
空気が震える。
だが同時に どこかで
“何か”が反応する。
遠く。
見えない場所で。
💙繋がった
低い声。
ダイスケの歌が
誰かに届いた。
歌が止む。
レンの呼吸が落ち着く。
紋様は消えていく。
完全ではないが、止まった。
ダイスケは崩れるように抱きつく。
🩷よかった
レンは弱く笑う。
🖤まだ死ねないな
ショウタは静かに言う。
💙今ので分かった
二人が見る。
💙婚姻は終わりじゃない、始まりだ
ダイスケの胸がざわつく。
ショウタは続ける。
💙お前らはただの夫婦じゃない
一言、 はっきりと。
💙世界を繋ぐ契約者だ
静寂。
💙レンの成人の儀と共に婚姻しろ
🖤ああ、急ごう