「はぁ…」
今だ、自宅に想いを残したまま
岩本は楽屋のドアを開き、中に足を踏み入れた
「おはよう…って、うわぁぁ!」
岩本の姿を見つけた宮舘が、勢い良く目の前までやって来た
「すまなかった!」
開口一番、頭を下げられて…
楽屋に居た他のメンバー達が、何事かと驚いている
「ちょっ…!舘さん、こっち来て…!」
慌てて廊下へ連れ出し人気のない場所を探す…
『ここなら良いか…』
やっと見つけたのは、使われていない会議室の一室
外に会議の内容が漏れない様に、防音設計も完璧だった
再び、向かい合う両者…
「迷惑をかけて、すまなかった!」
渡辺から全て聞いて知っているのだろうと察している宮舘は
綺麗な角度で頭を下げる…
「何処までも、真っ直ぐな人だから…」
渡辺が、そう言っていたのを思い出し
確かにその通りだと納得してしまう
「………」
告白して、押し倒されでもしたら怒る気になったかも知れないが…
人を好きになる気持ちは、誰にも止められないと身をもって経験した…
「もう顔を上げて…」
肩に手を置き、下げ続けている頭を上げさせ
「翔太とも、ちゃんと話をしてやって下さい」
逃げる様に帰って来てしまった自分を、宮舘は気にしていないだろうか…
後味の悪い終わり方になってしまっている2人の関係を、渡辺はずっと気にしていた
「良いの?」
「勿論」
「まだ、諦められないかも…」
「それは困る」
「何だよそれ〜」
ようやく、宮舘の顔に笑顔が戻り
2人で会議室を後にした…
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照の余裕🥹🥹