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 シャワーを浴びた後、リビングに戻ると謙太は起き上がって全裸で牛乳を飲んでいた。「シャワー浴びてきて」

「うん、ありがとう」

 その笑顔、好きだけどあなたの裏側にはまだなにかあるの? 

 私は知るたびに……あなたの事が嫌いになっていく。あなただけは私のことを裏切らないと思っていたのに。


 私は先に寝室に行きシャワーの音を聞きながら気づいたら寝てしまっていた。


 そしてまた朝だ。



 謙太は相変わらずいびきをかいて私の横で寝ていた。

……。


「謙太、起きて。今からストレッチするよ!」

 私はまず、朝活スパルタルートを選んだ。


 その後朝ごはん、出勤、ここも変わらない。あえてここは変わらずというか微妙な差はあるはずなのに全く同じって面白い物である。

 あのドラマのように、私のように何回も繰り返している人はいないのだろうか。それとも繰り返しても同じようなルーティーンで過ごしているのか。それってすごい。


 そしてやっぱり出社すると山田課長が私を待ち構えている。だからその前に猪狩部長の元に行く。彼女はいつもコーヒーを飲んでからのスタートである。


「おはよう。ここにくるだなんてめずらしいわね」

「たまにはコーヒースタートで良いかなぁって」

「うんうん。私は母乳を辞めて粉ミルクに変えた。そうじゃないとコーヒー飲めないし」


 私は朝、謙太とコーヒー飲んできたけど会社のコーヒーは会社のコーヒーの味がする。


「でもこんな朝早くからここに来るだなんて、私に相談でしょ」

「……さすが、猪狩部長」

「ふふふ。なぁに、なんか山田くんがこっち見てるけど」

「そのですね……」






 30分後、いつもよりも遅く山田課長の前に私は行く。

 大勢の社員を連れて。それに山田課長は驚く。

「おはよう、どうしたんだ。時間もいつもより少し遅いし。頼みごとあったんだけど」

 待ってました。


「サギモリの対策チームとシステムセキュリティ対策チームを組んできました。サギモリに関しては詳しい猪狩部長にも加わってもらいます」

 猪狩部長が私の横からひょこっと顔を出す。山田課長の表情があまり良くない。

「山田ー。困ってんなら早く言いなさいよ。プライド高い大魔神」

「大魔神って……てか何も話していないけど頼みたいことがあっという間にトントン進んでいるんだけどどういうことだ」

 すると大城さんがやってきた。

「今、派遣会社の方から連絡あって業務に関わっていいとのことでしたので私たちも加わっていいそうです」

「だそうです。山田課長」

 なんか今までの中で一番人数多いんだけど……猪狩部長のコネクションすごすぎ。


「うっ、お願いします。資料は作ってあるからそれぞれ割り振って。白沢さんもリーダーとして」

私は首を横に振る。そして大城さんを前に出した。

「彼女に任せようかと思います」

「えっ……わたしが?」

「彼女ならできると思います」

 ごめん、大城さん……今回あなたメインで動いてもらうわ。そうすれば少しは余裕出来るはず。


「リーダー未経験ですけど……白沢さんにそう言ってもらえるなら頑張ります!」

 すごい嬉しそうだ。よろしく頼む!


 やはり彼女の胸ポケットにはあのドラマのキーホルダー。



「大城さん、そのマスコット」

 もうこれだけ集まってるもんだしいいかと思ったけど山田課長をその気にさせるなら外せないワードである。


「はい、ドラマの…… 」

 そしてお決まりのように山田課長が首を突っ込む。


「お、それ。娘と一緒に見とるわ」

「D-ay2の守尾くんが出てるから?」

 これも言っておく。


「よーわかったな……娘がな……そのでーず? のモリモリが好きだって。見させられて」

 勿論の通り大城さんもうなずく。

「人気なんですよ、脇役だけど」

「まぁどれもこれも似たような顔だな」

 他の人達も加わって話が弾む。よしよし……。


 私は少しおなかが痛くなった。ギリギリってきた。やはり家と会社でコーヒー飲んだから緩くなっちゃったかしら。



 仕事の方は何とかなりそう。……どうやってここからやっていくか。他の人達も加わると作業効率や過程も変わっていく。少しの気のゆるみがまたバッドエンディングになってしまう。サクサク進まないと……。



 ドン!


「すいません……」

「いえ、こちらこそ」

 しまった、考え事をしながら歩いてしまったから前を見てなかった。


 私はふとぶつかった相手を見た。背はすらっとして狐目で高級スーツを纏った男性。隣には美人の秘書がいる。

 彼はそのまま最上階のエレベーターに乗っていった。


 あれは……猪狩課長のご主人……鈴山専務だ。レアキャラー。

 でもちょっとツンとしてて苦手だ。


 ん、おなか痛い……。私はトイレに再び向かった。小走り気味に。





あなたはそうやっていつも微笑んでいた〜タイムループで夫がクズ認定された件〜

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