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「伊之助!」
ハッとして、飛ばされた伊之助の方へ駆け寄る。
「大丈夫…か?怪我は?」
どうやら、受け身は取れていたみたいで、伊之助は無傷だった。
「アイツ強え!すげえ!たった一撃で!」
伊之助は、興奮して、また腕をブンブン振り回した。
「え。お前ぶっ飛ばされて喜んでんの?」
後からついてきた善逸は若干ひいている。
その後ろから、
「あの。次やりますよ。次から突き技を使うのはやめておきますから」
「ひぃっ!やだやだやだあ!やっぱ無理ィ!」
善逸は、頭を抱えて訓練場の隅にしゃがみ込む。
「じゃあ善逸は最後な」
善逸は立ち上がりそうにも無いから、俺が先にやることにした。
「木刀は一本で良いですか」
「あっはい!」
そう答え、鳳来さんから木刀を受け取る。
それをしばらく眺めてから、彼女のほうに向き直って尋ねる。
「一個質問しても良い、かな?」
「はい」
「どうしたら突きわざで相手をあんなに飛ばせるの?」
「それは……力の入れ方とか、人の急所とかの問題」
「なる…ほど………」
力の入れ方、急所……
なんだか難しそうな話だな…
「ま、やりましょう」
「はい!」
木刀を構えて、向き合う。
鳳来さん、次も片手だ。
「では、」
「はじめ!」
次は、鳳来さんも斬りかかってくる。
隙間なく攻撃されるから、受けを取るのが難しい。
「技を出すのもありです。実戦で活用できます」
そう途中で言われたので、いっそヒノカミ神楽を使うことにしてみた。
「ヒノカミ神楽」
「碧羅の天!」
円を描いて斬りかかる。
振りかぶる。
「鳥の呼吸 陸ノ型 」
「水鳥の飛翔」
そして今度は、下から攻撃がくる。
それを技で受け流す。
「鳥の呼吸 参ノ型」
「鵜飼!」
「…っ」
連撃だ。
早い…!
受け身を取るのがキツくなってきた。
「ヒノカミ神楽 幻日虹!」
キョウ目線____________
想像を遥かに超える技量。
もとより、この3人がすごいのは噂で聞いていたけれど。
まさかここまでとは。
嘴平隊士は、育手なしに、自ら呼吸を編み出したらしい、独特の攻撃の仕方で軌道が読みづらかった。
上弦との戦闘経験もあって、それに速度も申し分ない。
そして、竈門隊士。
現在鬼殺隊で唯一の日の呼吸の使い手、今までも上弦と何度も遭遇し、何体も倒した。
それだけあって、ほかの隊士たちとは比べ物にならないほどの技量だ。
あの我妻隊士も気になる。
この隊士も上弦と戦闘経験がある。
雷の呼吸の使い手だというけれど、どんな動きをするのだろうか。
「ヒノカミ神楽 幻日虹」
この技、軌道が読みづらいんだ。
すごい。
本当にもっと位上がっても良いんじゃない?
よし。
ここは一旦、鳳凰舞い使って…
「鳥の呼吸 肆ノ型 鳳凰舞い」
「……!」
「鳥の呼吸 漆ノ型」
「鳶翔っ!」
「バキッ」
目の前で、奥側の木刀が真ん中でバッキリと折れた。
炭治郎目線______________
「バキッ」
鳳来さんの強い一撃で、木刀が折れた。
木屑が訓練場の床に舞う。
すごい威力だ。
「……折れ…た?」
目の前で鳳来さんは、そう呟くと、自分が先程折ったばかりの木刀を驚いたように見つめる。
なぜ驚いているのか、少し不思議に思った。
すると突然、
「木刀が折れた!お前やっぱ強え!」
俺様の子分になれ、と伊之助が言う。
伊之助に鳳来さんは、
「無理ですね…まあ多分年下ですけれども」
と冷静にお断りした。