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本編の前に注意です。
注意 attention
・今回の内容は死ネタを含みます。
・オリカンヒュが登場します。
・腐要素も含みます。
それでは、本編どうぞ。
「ゲホッゴホッ…」
「ハァハァッ…」
「…!?ライトさん…!」
「大丈夫ですか?ライトさん…」
「大…丈夫…」
「ただの風邪だ…」
最近、俺は体調が優れない。
『きっとただの風邪だろう』そう思っていた。
でも何日、何週間経っても一向に良くならない。
俺は病院に行く事にした。
「入院が必要ですね。」
「えっ…」
「ここら辺が悪くなっていて…」
俺は体の一部が悪くなっているらしく入院が必要になった。
少し入院すれば良くなる筈だと思っていた。でもそんな事はなかった。
毎日少しずつ症状が悪化していく。
そんなある日の事…
「貴方は余命1ヶ月です。」
「嘘…だろ…」
余命1ヶ月と宣告された。
「この1ヶ月、知人と過ごしても良いですか…?」
「はい。」
そして俺は残りの1ヶ月をワークと過ごす事にした。
俺はワークの事が好きだった。叶わぬ恋をしてしまったんだ。
脈ありか確かめる為にまだ思いは伝えていない。
この1ヶ月で確かめたいが流石に無理だろう。
亡くなる前に思いを伝えたい…
彼の前でシにたくない。
そんな事を思いながら思い出した事がある。
…と。
彼の前でシにたくないのであれば猫の様に消え去って亡くなれば良いだけ。
俺はそうする事にした。
「ライトさん。」
「如何したんだ?」
「俺に隠してる事ありませんか…?」
「ある…でも…それを言ったらお前が悲しむ…」
「俺はどんな事でも受け入れます。話してくれた方が俺も気持ちが楽になります。」
「嫌であれば言わなくても構いません。」
「…俺さ、余命宣告されたんだ。」
「余命1ヶ月だって…」
「…そうですか。話してくれて有難うございます。 」
彼の目は今にも涙が溢れそうになっていた。
必死に涙を堪えているのがわかる。
「なぁ…泣くなら泣いて良いんだぞ?」
「でも…」
「迷惑掛けたくないんだろ?」
「はい…」
「俺は泣く事なんて迷惑だと思ってない。」
「泣く事も喜ぶ事も必要なんだ。」
「俺だって吐き出したい気持ちは吐き出せたんだ。お前のお蔭で。」
「だから…お前も吐き出したい気持ちは吐き出してほしい。」
「ッ…」
「ウゥッ…」
「ライトさん…俺っ…」
「貴方にシんでほしくないんです…」
「もう無理だって…」
「わかってるのにっ…」
「俺もだ…」
「俺だってまだお前と一緒に生きたかった。」
「ヒグッグスッ… 」
ワークは俺に抱きついて泣いている。
あっという間にシぬまで残り少ない時間になった。
ワークと2人で残された時間を満喫する。
そして夜になり、ワークが眠った事を確認して家を出ていった。
俺は夜の街を歩き回る。
「(裸足で歩くの何か違和感あるな…)」
俺はワークにバレない様に靴を全て置いてきたのだ。
だが場所を探す為にずっと歩いているとその違和感もなくなっていった。
暫くして、俺は丁度良さそうな場所を見つけた。
其処は大きな桜の木が植えてある公園。
夜に見る桜もまた違う雰囲気がして良い。
俺は桜の木の裏にもたれ掛かった。
そして、持ってきたノートに思いを書き残す。
最後に『愛してる』と書きそのまま眠りについた。
翌日…
「んぅ…」
「あれ…?ライトさんが居ない!?」
俺は寝室のベッドにライトさんが居ない事に気づいた。
「何処に居るんでしょうか…?」
家の部屋全てを確認したがライトさんの姿は見つからない。
「まさか外に…?」
『外に居るのではないか』という考えが頭を過った。
だが玄関にも靴箱にもライトさんの靴はある。
「裸足で外に出たって事…!?」
ライトさんの靴があるが外に出ていたとしたら裸足で出た事になる。
「探しにいってみよう…」
タッタッタッ
暫く俺は街を走り回った。
すると桜の木が見えた。
『其処に居る気がする』そう思った。
俺は桜の木に駆け寄った。
周りをグルグル歩いていると木にもたれ掛かって倒れているライトさんが居た。
「ライトさん…!?」
息をしていない。もう亡くなっている。
ライトさんの隣にはノートが落ちていた。
内容は次の様に書いてあった。
ワークへ
突然、消えてごめんな。俺、ワークの前でシにたくなかったんだ。猫って亡くなる時大切な人の前から消え去るって言うだろ?
俺も同じ理由だ。ワークと出会ったのは12歳の頃だったな。俺と同じ植民地にされていて辛いと思うのに何時も悩みを聞いてくれた。凄く嬉しかった。
実は…俺、お前の事ずっと好きだったんだ。
でも叶わずに終わってしまった。そもそも叶わぬ恋をしてしまったんだ。
最後に言わせてくれ。
「ッ…」
「ライトさん…俺も…」
「貴方の事、好きでしたよ。」