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死にたい

1 - 死にたい

♥

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2024年05月19日

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ワンクッション

🎲桃死ネタ有り

青桃














「自殺しよう」







ある日、そう決心した。












暗い部屋、辺りを見渡せば書類や薬、空き缶が散らばっている。

とてもじゃないがここに人が住んでいるのか疑うくらいだ。

それぐらい俺の精神はやられていた。











🍣「はぁ”~~…、」


仕事帰り、もう何回目かも分からないため息をつく。


死にたいと思ったのも仕事が関係している。

それに、家族関係とか、友達関係とか、どれにもいい思い出はない。

俺は人間関係というものが大の苦手らしい。



【なんでこんなことも出来ねぇんだよツ!!】



🍣「っ…仕方ないじゃんか…ポロポロ」



今日会社で言われたことが頭の中で何度も響いてくる。

毎日毎日、言われることはどれも暴力的な言葉ばかり。

それを見て、聞いて、誰も俺の事を助けようともしてくれない。

最初から…ずっと______



🍣「グスッ…なんでツ…ポロポロ」










ーーー

🍣「おはようございます!!」


「おう!内藤おはよう!」

「今日も頑張ろ〜な〜!」


🍣「はい!精一杯頑張ります!」




俺がこの会社に入ったばかりの新人当時。

この頃の会社は俺の唯一の居場所だった。

良い先輩ばっかりでさ、俺の全てを認めてくれるような人。

そんな人たちが俺の支えになってくれた。




「なぁ、内藤〜!この資料さ、」


🍣「ぁ、なんか間違ってました?💦すみません💦」


「いやいや、その逆!めっちゃ分かりやすくまとめてくれてるから企業さんも褒めててさ〜」

「そのおかげで大手企業と契約出来たんだわ!」


🍣「いやいや💦俺はただ仕事でやっただけですし、契約が上手くいったのも先輩の印象がよかったからですよ..!」


「そんなことないって!これは内藤のおかげ!」

「もっと自分に自信持てよぉ〜!w」


🍣「でも…」


〈そうそう、内藤くんのまとめる資料めっちゃ分かりやすいよ?〉


「ほらほら!みんな思ってるじゃん!」


🍣「っ!✨」

🍣「…、…はい!✨」

🍣「俺、この会社のために頑張って働きます!!」


「よっ!未来の社長!!」


〈ちょっとwあんたも頑張んなさいよ?w〉


「分かってるって!w」


〈内藤くんも、無理しない程度にお願いね!〉

〈未来の社長さん!w〉


🍣「~~~!!✨✨」

🍣「はい!!✨」


「って、お前も内藤のこと未来の社長だって言ってるやんか〜w」


〈内藤くんはあんたと違って優秀だからね〜〉


「は!?その言葉は聞き捨てならん!!」

「その通りだけどさ!!」


〈どっちなんだよ〉


🍣「あははっww」

ーーー











だけど、そんな日は長くは続かなくって。










🍣「出世…?」


「おう!今朝社長に言われたんよ!w」

「急すぎてびっくりだわw」


🍣「…おめでとう…ございます」


「もう…そんな顔すんなってw」


🍣「ツ…..」


「…大丈夫だよ、内藤なら、」


🍣「でもっ!俺…俺、」


「内藤は強いからさ、人一倍頑張る力がある」

「なんかあったら俺すぐ駆けつけるから」

「な?未来の社長さん?」


🍣「ツ!…はい!ポロポロ」










だけど…









先輩達はどんどん出世していって、俺は出来損ないのただの社員。

だから社長になんてなれるわけがないし、無理だ。




それから始まった俺への暴力的言葉。

もう、なんなんだよ。




















🍣「ふぅ~~…」


朝、いつもなら反吐が出るほど嫌いだが今日は心が軽い。


いつも会社には徒歩で行っているが、今日は決行の日のため、電車通勤として行く。


そう、飛び込み自殺。


それが一番、良い。


全身を強打する瞬間はとてつもなく激しい痛みが伴う。

そしたらそのまま電車の下敷きになるわけだから、もし意識があったとしたら、車輪で体が無理やり切断されるという痛みを味わわなくてはならない。


でも、そんなの楽になるためなら構わない。


なんでもいいから、楽になりたい。














ー•*¨*•.¸¸♬︎ー

ーまもなく電車が到着しますー

ー黄色い線まで下がってくださいー

ー•*¨*•.¸¸♬︎ー




どんどん近づいてくる電車の音、俺はもう覚悟を決めている。

そして、ふらふらと前へと進む。




タイミングを見計らい、片足を前に出す。


それと同時に浮遊感を感じる。


俺の体のすぐ隣にはもう電車が来ている。


俺の本能が死を覚悟したのか、その瞬間が遅く感じる。


そして反射的に目をぎゅっと瞑る。


あぁ、やっと…やっと楽になれる


そう思った途端___





グイッ





誰かに後ろから引っ張られた。







ドスツ




強く後ろから引っ張られた衝撃で思わず尻もちをついてしまう。


何が起きたのか分からない。


頭が真っ白だ。







死ねなかった…?なんで?




俺、やっと死ねたと思ったのに…!


なんで…?!


🍣「ツ!!」(ばっ!


誰が…?と思い後ろを振り返る


が___


俺の死を邪魔したであろう人物は見当たらなかった。



🍣「ツ…」




やっと覚悟したのに、楽になれたのに、俺は死ねなかった。












悔しい










ほんとなら生きててよかった…とか、やっぱり死にたくない…とか自殺未遂をした人ならばあるだろう。



だけど俺は___













死にたい













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