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(ほら、まただ……)
私の胸の奥に、暗い霧が再び立ち込める。
芽衣がいれば、私はいつだって「可愛くない姉」に逆戻りだ。
凪さんだって、こうして明るい芽衣と並んだ私を見れば、昨日の魔法が解けてしまうかもしれない。
私は無意識に、一歩後ろに下がった。
「お姉ちゃん、そんな顔しなーい。凪さんも、私みたいに素直な子の方が話しやすいですよね?」
芽衣が満面の笑みを凪さんに向ける。
それは、どんな男の人も否定できない、最強の武器。
けれど。
凪さんは、芽衣に掴まれた手を、優しく、けれどはっきりとした動作で解いた。
「……芽衣さん。俺は、嘘をつけない人が好きなんです」
「え……?」
芽衣の笑顔が、一瞬だけ固まった。