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比較的綺麗な校舎だった。

教員不足と少子化により廃校になってしまった、楼桜高等学校。


卒業という大イベントを構える3月。サクラはまだ五分咲きで、散ることを知らない。


音楽室から、調律の外れたピアノの音がする。


湊(今日も「悲愴」ですか。


彼は湊 咲空。現役の男子高校生だ。彼の日課は音楽室から聞こえるピアノの音に耳を傾けながら、小説を読むことらしい。それではメインがどちらなのか分からないではないか。音楽好きからは、小説など邪道だと言われ、小説好きからは、音楽など邪道だと言われる。

私は…..どちらでも構わない。私の奏でる音色が、彼を小説の世界へ導くことができるなら。


咲藍(今日はミステリですか。


彼女は咲藍 奏。音大生である。彼女は、行き詰まった時に此処にピアノを弾きに来る。初めて聞いたとき、人生に行き詰まった人が奏でる音色はこんなにも美しいのかと、興味を惹かれた。今では週に3回くらい来て、僕の日課に付き合ってくれる。


世間ではこれを「恋人」と呼ぶのだろうか。


咲藍(……ねぇ咲空。来週、コンクールがあるの。特別に…….チケットあげる!


湊(………そんなことしなくても、僕は毎日コンクール状態ですよ。それに、たとえ調律の外れたピアノの音色でも、貴方が弾けば美しくなる。


何故私の言いたいことがわかったの?!って驚く

顔を見てとれた。

その後笑って


「お世辞は要らないよ」と言う彼女。


私の言葉を聞いて、


「お世辞では無いよ」と言う彼。


この他愛もない美しい物語を、日記に記しておきたいと思った。


**********************


咲藍(私が弾けば美しくなるのなら、コンクールに来てくれたっていいのに……..。


少しだけ、不満に思う咲藍であった。














2話 あとがき

関係ないけど、調律の外れたピアノで人生のメリーゴーランドを弾きたくて、練習してるんですよ。関係ないけど。

これが言いたかっただけです。


第3話「dream story」

Dyed in cherry blossoms.〜散って消えるはさくらの様〜

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