海面には炎上した気球の残骸が浮かび、戦場は黒潮軍にとって絶望的な状況に陥りつつあった。新政府軍の艦隊は気球撃墜の勢いに乗り、次々と黒潮軍の船を追い詰める。
「まだだ…ここからが本番や!」
雅也が叫んだその瞬間、海面が激しく揺れた。新政府軍の旗艦のすぐ脇から、巨大な潜水艦が姿を現したのだ。
「これは…何だ!?」
新政府軍の将校たちが驚愕する中、潜水艦の艦橋に立つのは、かつて黒潮軍の隊長だった黒瀬が遺した計画を引き継いだ人物、アーサー・グリーンだった。
「我ら黒潮軍の誇り、海の牙や!これが黒瀬隊長の遺志やで!」
潜水艦は巨大な魚雷を発射し、新政府軍の一隻を瞬時に沈めた。その正確無比な攻撃に、敵艦隊は大混乱に陥る。
一方、気球の残骸から救助されたウィリアムが、黒嵐丸の甲板に姿を現した。
「ウィリアム!無事やったんか!」
雅也の声に、ウィリアムは微笑みを返す。
「さあ、ここからが本番だ。潜水艦を最大限に活用し、この戦いを終わらせるぞ!」
潜水艦は再び海中に潜り、新政府軍の艦隊を翻弄する。船底を狙った魚雷攻撃は的確で、新政府軍は次々と艦を失っていく。さらに、潜水艦から浮上する小型艇が新政府軍の生き残りを制圧し、戦局は黒潮軍に傾き始めた。
「これで押し切るで!」
雅也は声を張り上げ、残る黒潮軍の船を指揮して前進を命じた。
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