……リクエストが来なかったのでリア友からのリクエストで書こうと思います。
knkzです。ご本人様とはいっっっっっっっっっさい関係ありません。
塗れば無し、同棲設定、ほんわか、cp要素薄め、本編伏字無し、長い…と思う!
地雷さん、夢主さん、バイバイ(^^)/~~~
kne→「」 kzh→『』
以下本編 レッツゴー
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ある日の深夜
『…アイス食いてぇな」
「え?」
久しぶりに二人とも配信も何も無く、一緒にス◯ブラをしていた時、不意に葛葉がそう言った。
『だから、アイス食いてぇなって』
「いや、それは分かるよ? でも冷凍庫には無いよ?」
そんな風に会話をしても、キャラコンは全くブレず、テレビの中ではキャラクターたちの一切容赦のない殴り合いが繰り広げられている。
『だったらコンビニ行こうぜ、コンビニだったら開いてるだろ』
「んーそうかもね」
両者にダメージが蓄積してゆく。
『だったら、これ終わったら行こーぜ…ってア”ア”ーーー!!』
言い終わったタイミングで丁度良く葛葉の残機が無くなった。
「ふふ、そうだね、丁度良く、終わったからね」
そう煽り調に言うと葛葉は短くぐぬぬと唸って、さっさとSwitchの電源を切ってしまった。
「あ」
『ほら、行って良いんだろ?! 早く!』
コントローラーを机に置いて、これまたさっさと鞄にスマホや財布を詰め始めた。簡単に拗ねてしまった葛葉を少しからかいながら、僕も準備を始める。といっても歩いて百メートルあるか無いかくらいの距離にあるコンビニで深夜なのもあり、特にこれといった準備はしていない。
『叶ー早くしろよー』
とうに支度を終えた葛葉が玄関で僕の名を呼ぶ。最後に忘れないよう鍵を鞄に入れてすぐに玄関に向かう。
「はいはい、今行くよー」
しばらく歩いていると強い風が吹いた。
「う、寒ぅ…」
三月と言っても、まだ夜は冷える。葛葉も寒いのかジャージに顔を埋めて両手をポケットに突っ込んでいる。コートを持ってくるべきだったかと少し後悔しているがまあ良い。どうせコンビニはすぐそこだ。
寒さに耐えながらまた数分歩いて、ようやくコンビニに着く。あれから何度も風が吹き、体は芯からすっかり冷え切ってしまっていた。とてもじゃ無いが、この状態でアイスを食べようとは思わない。軽快な音楽と共にコンビニの自動ドアが開く。暖房がついた店内は暖かく、ちょっとした安心感を抱いた。
入店してすぐに葛葉がレジの方へ向かう。その時てっきり、アイスコーナーに直行するものだと思っていたので少し驚いた。
「ねえ葛葉、何買うの?」
率直な疑問を投げかけると、こう返された。
『寒かったから…肉まん買う』
少し不服そうな顔でそう言うと葛葉は寒さで少し赤くなっている耳をきゅっと手で包み暖めた。
「そうなの? 確かに寒かったもんね、僕も肉まんと、アイスのストック買おうっと。葛葉、好きなアイス二個選んで」
『ん、わかった!』
タッとアイスコーナーに駆け出す葛葉に可愛いと思いながら、葛葉を追いかけてアイスコーナーへと向かう。すると早いもので、僕がコーナーに着いた時には、葛葉はアイスを一つ手にとっていた。そのまま二つ目もヒョイと取り出して、そばにあったカゴに入れてそのカゴを持つ。僕も適当なものを二つ選び、カゴに入れよう。
「ねえ、葛葉…」
『ん』
声をかける間でも無く、真剣に肉まんを吟味しながらカゴをこっちに差し出した。たまに出るイケメン葛葉だ。少しキュンとしながらもカゴにアイスを入れて、葛葉の横に並ぶ。
「決まった?」
『んーまだ…今二つで迷ってる…どっちも美味そうなんだよなあ』
コレとコレ、と葛葉が指差す。「お肉ぎっしりジューシー肉まん」と「特選お肉まん」というかそれ以外ほぼ無くなっていた。二つとも魅力的なキャッチコピーで、とても美味しそうだ。あ、いい事を思いついた。
「ねえ葛葉、これ二つとも買って、一緒に半分ずつ食べない?」
にこりと笑いかけながらそう言うと、葛葉はこっちを向いて、パアっと効果音がつきそうなくらい一気に明るい顔になった。
『良いのか?!』
目はきらきら輝いている。子供っぽいと思われるかもしれないが、これも葛葉の魅力の一つなのだろう。
「うん、良いよ」
そう言って、レジに行って、買い物を済ませて店を出る。と、また風が吹き、氷にように冷たい風が頬を撫ぜた。
「うう、さっむいね…ここで食べる?」
体を震わせて葛葉にそう問いかける。すると葛葉もブルっと身震いをし、こっちを向いた。
『そうだな…寒すぎる…』
葛葉の返事を聞くといそいそと店の端っこに行って、壁にもたれた。早速肉まんをを取り出す。一つを葛葉に渡して、もう一つの方のシールを剥がして、包みを折る。冷えた指先に肉まんの熱さが伝わって、指がジンジンする。ふーっと息を吹きかけ少し冷ましてから、肉まんにかぶりつく。一気に口の中が熱くなる。
「んう、あっつ…! んまあ…!」
正直美味しさに感動している。さすが特選。はふ、と白い息が漏れた。ふーっとそのまま白い息を出して、また肉まんを食べる。と、葛葉がこっちを見ていることに気付いた。じいっと肉まんを見つめている。
「食べる?」
『食べる! 叶もこっち食う?』
「うん、食べる!」
多分丁度、二人とも半分くらい食べ終わったところで肉まんを交換した。葛葉から交換されたのをすぐにかぶりついた。めちゃめちゃ沢山タネ入ってる。不意に葛葉の方を見てみたら、凄く美味しそうに肉まんを食べていた。こんな美味しそうに食べてるの知ったら、作った人喜ぶだろうな。なんて事を思いながら葛葉を見ていると、口の端にタネがついていることに気付いた。
「葛葉、口のここ、付いてるよ」
『ん? どこ…』
振り向きざま、ヒョイと、ついていたものを取り口に運んで食べる。すると葛葉が顔を赤くし、驚いた表情で見てきた。
「もしかして葛葉、照れちゃったの? え、可愛い〜!」
ニマニマ笑いながら葛葉の頬を突っつく。
『バッ…別に照れてねぇし!』
葛葉が更に顔を赤くして反論するが、効果は無い。葛葉が本当に照れたことが明らかになるだけだ。本当顔に出やすくて、でもそこが可愛くて困る。
そんなことがありながらも二人とも肉まんを食べ切って、その頃にはもう体はポカポカになっていた。手も、足も、顔も、胴も、あったかい。
「美味しかったね」
『だな、あったまれたし』
そう言って笑いあった。そして、不意に夜空を見上げれば、どこまでも吹き抜けるような夜空があった。周りには建物が多く、決して星空が見える訳では無いが、真上の夜空は、どこまでも高く見えた。
ふっと吐いた息は真っ白。また体が冷える前に早く帰らなくては。
「葛葉、早く帰ろ。寒くなっちゃう」
『おーそうだな。帰ったらさ、何する?』
ニッと意地悪っぽい笑みでこちらを見る葛葉。時間的にはもう寝たいのだが…
『まだ勝負は決まって無いだろ?』
笑みを崩さないまま僕にそう言う葛葉。思わず目を見開いてしまう。驚いた。まだ負けたこと悔しかったんだ。そうとわかった僕は、葛葉の笑みを真似るように、ニッと笑ってこう返した。
「そうだね、いっぱいゲームしよ!」
『そうこなくっちゃな!』
帰路では、この後やるゲームの内容を笑いながら楽しく話していた。
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