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生贄の子

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生贄の子

1 - 生贄の子

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2024年03月18日

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こんにちは、しづです!

今回は神様×生贄の子です! しづの好きな設定なんです…

ノベルスタイルの理由は気分です!!

画像

〈設定〉

稲荷ほとけ♀

とある商家の妾子。

母親はいむちゃんを産んだ際、逃げるように猫宮村に来た。

母親とは数年前に他界。

村人からは大した働き口にならないということで厄介者扱いをされている。


いふ

猫宮村の人々に崇拝されている猫神様


猫宮村

13年に1度14〜19歳の女の子を生贄として猫神様に捧げるというしきたりがある。

山と山の間にあり、閉鎖的な村。






『いけにえ…ですか?』

「あぁ、そうだ。神主がその役目をお主が務めよ、と」

『そもそもの話なんですけど、いけにえってなんですか?』

いつも通りささやかな朝ごはんを食べ、お母様に手を合わせ、山に山菜採りに行こうとしてたときに、おばさんがこの話を伝えに来てくれた。

ただ、生まれてこのかた今まで今日を生きることだけを考えてきたのでそんな話を聞いてもわからない。

唯一わかるのは村の中心である神主からお役目を与えられたということ。

「なぁに、難しいことじゃない。ただ山の奥にある猫神様の祠まで行ってお供え物を村の代表として備えてくるだけさ。」

『ほへぇ〜〜』

村の人達がそんな大事そうな役目をぼくに託すとは思えないんだけどなぁ…





結局断りきれずに引き受けてしまった…

まぁ届けに行く相手は神様だし、ほぼおつかいみたいなもんでしょ!


「あれ?いむちゃん?」

「あ、ほんとだ。ほとけっち〜!!」

『ん?あ、しょうちゃん、りうちゃん!』

この2人はしょうちゃんとりうちゃん!しょうちゃんは化け兎、りうちゃんは天狗。

2人とは山で山菜採りをしてる時に会ったんだよね〜

「なんか今日はえらいようさん荷物を持ってるなぁ」

「着物もいつもより綺麗だね」

『なんかね、村の代表の生贄として猫神様の元へ行けって』

「「え?」」

『じゃぁそろそろ行くね!』



「ねぇしょにだ。ほとけっち生贄の意味分かってんのかな?」

「いや、あれはわかってないんちゃう?」





『ここが祠か』

しょうちゃん達と別れてまたしばらく歩いた所にそれはあった。

『すみませーん!生贄のほとけといいます!誰かいませんか〜?』

物音ひとつしない。聞こえなかったのかな?

『すみまs「うるさい」

『ひゃっっっっ!!!』

『あ、貴方が猫神様ですか?ぼくほとけっていいます!いむって呼んで欲しいです!!』

「あぁ、ほとけな」

『あるぇ?』

猫神様らしき人はじろじろ見てくる。なんて失礼な人なんだ!

「へぇ、今回の生贄はお前か」

『?はい』

「気に入った、こっちこい」

『へ!?』

いやめっちゃ痛いんですけど。神様っていっても力加減はできないんだ。 てか御社の中綺麗。


ドサ


『ん?』

『ちょっ、何してるんですかっ!?』

「黙ってろ」

「オン・マカラギャ・バザロウシュニシャ・バザラサトバ・ジャクウン・バンコク ここに我とこの贄の子を結ぶことを宣言する。」

神様は何か呪文のようなものを唱えると僕の首筋に噛みついてきた。

痛さと僕の中から何かを吸い取られる感覚に生理的な涙が溢れる。


「ふふっ、これでお前は俺からにげられへんね」



猫神様の笑顔が怖くて本能的に逃げた。

誰も知ってる人がいないどこか遠くの地へ。

家もない。食べ物だってない。助けてくれる人もいない。

でもそれがどうだっていうんだ。

今までと何も変わらない。唯一変わるのは家がなくなることだけだ。

ドクンッ

ヴッ

急に胸の辺りが苦しくなる。

〈俺から逃げれると思ったん?ふふっ、愚かでかわいいな。胸苦しいやろ。帰っておいで、治したる。〉



「ちゃんと帰ってきたんや。おかえり、ええ子やね。」



朝起きたらいつのまにか御社に戻っていた。え?なんで?

猫神様が脳内に語りかけてきてから全く記憶がない。

え、こわa「起きたk『うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』

「え、何?急に叫ぶなや」

『急に後ろから話しかけられたら誰でもこうなりますよ!!!』

『てかなんでぼくここに帰ってきてるんですか!?』

「あぁ〜、お前がきたときに呪文唱えて噛み付いたやろ?あれで俺とお前は結ばれたんよ。一種の契約みたいなもんやね。やからお前は俺から離れられない。」

『はぁ!?』

「はい!てことで朝ごはん採りに行ってきてなぁ〜」

『ちょっ!!!』



『はぁ〜、なんなのあの神様もどき!!てかなんでパシられてんの、意味わかんない!!!』

まぁご飯なかったら死ぬから採るけどね。

てかここら辺季節関係なく色んな山菜あるな、神様の住んでる森だからか?

「あ!ほとけっち〜!!!」

「ほんまや!いむちゃーーーーん!!!!」

『りうちゃん、しょうちゃん!!』

「無事だったんだね。」

『無事じゃないよ!いつのまにかあの神様もどきと契約結ばれてたんだから!!!』

「そら災難やったなぁ」

『ってか生贄の意味知ってた!?知ってたなら教えてよ!!』

「いや、教える前に先に行っちゃったんじゃん。」

「あと、生贄の意味も知らずに引き受けてるとは思わんかったしなぁ。」

『ゔっ』

「てか、りうら達とこんなに話してて良いの?」

『はっ、山菜採りの最中だった!早くしないと怒られる〜!!』

『てことでまたね!!』

「うん、ばいばい!」

「達者でなぁ〜!」




「遅い」

『すみませーん』

「まぁ、いいや。朝餉の準備すんで。」

この神様なかなかに手際が良い。

『神様も朝餉というかご飯食べるんですね。』

「まぁ食べんくってもええんやけど、お前おるしせっかくやから。」

『へぇ。』

「あと言っとくけど、お前の心の声俺聞こえてるから。」

『へ?』

「山菜採りに行った時も散々言ってくれたなぁ。神様もどきやったっけ。」

『はぁ!?』

この人神様じゃなくてただの助平な除き魔なんじゃない?

「おい、聞こえてんぞ。」

『えっち、変態』

そういうと猫神様は膝裏あたりを蹴ってきた。

『か弱い女子を蹴るなんて信じらんない!!』

「か弱い女子ってどこにおんねん。」

『目の前にいるじゃないですか!その両目はお飾りですか!?』

「こんのクソガキ…!!」



私が生贄にきてから数日が経った。

猫神様と言い合いはするものの村にいたときよりもなかなか楽しい生活をさせてもらってるんじゃないかな。

まぁ、猫神様には言ってやんないけどね!

あ、いや心の声聞かれてんならバレてんのか。これめっちゃいや!!!

『猫神様、山菜採ってきましたよ〜』

あれ、いつもならなんらかの返事をくれる猫神様の声が聞こえない。

『猫神様〜どこですか〜?いるなら返事してくださ〜い!』

『猫神さ、ま…?』

頭が真っ白になった。猫神様が倒れていたから。

『起きてください!猫神様!!朝餉一緒に食べましょ!!!』

最近なんだかやつれ気味だとは思った。

でも、聞いてもはぐらかされるし、ぶっちゃけ神様のことでぼくにできることなんて何一つない。

だけど、こんなことになるなんて…!

いくら揺さぶっても起きない猫神様に焦りを感じる。

いやだ、いなくならないで。

恐れながら猫神様を第二の家族だと思ってたのに。

お母様だけでなく猫神様までぼくを置いていっちゃうの?

ぼくが神様相手に家族だと思ったからバチが当たったの?

なんで苦しんでるのが猫神様なの…?



『誰か…誰か…!!』

猫神様のことを誰に相談したら良いのかわからない。

でも、なんの知識もないぼくは誰かに助けを求めて森の中を走ることしかできなかった。

「あれ、ほとけっち?」

『りうちゃん!!』

「こんなに焦ってどうしたの?」

『助けて!猫神様が、猫神様が…!!!』



「水神の末端のないこです。」

あのあと、りうちゃんに強力な助っ人を呼ぶから先に帰ってと言われ、猫神様を布団に寝かしていたらこの人がきた。

どうやらりうちゃんはこの人の元でお世話になっているらしい。

「まろ、今回の生贄食べてなかったんだ。」

『まろ…?』

「あぁ、こいつの渾名。」

『食うって…?』

「まろ、ほんとにこの子に何も言ってないんだ。」

「怒られちゃうかもだけど、俺から話すね。」



ないこさんがいうにはこうだった。

かつて、村のとある女の子がふざけて猫神様の祠を壊したらしい。

猫神様は神様としての威厳をかけて様々な厄災を降りかけた。

その際、猫神様の力は弱くなってしまって13年に1度年頃の女子を食わねばならなくなった。

そのため、村人達は13年に1度生贄を差し出すことを約束した。

これが猫宮村の生贄の習わしの実態だったらしい。



『なんですか、その罰当たりな少女は。』

「同感。」

『じゃあ、猫神様はぼくを食べなかったからこんなことになってるんですか?』

「まぁ、端的にいうとそうだね。」

『なんで…』

『あの、このままだと猫神様はどうなってしまうんですか…?』

「だいたい3日くらいで消える。」

『じゃあ、今からぼくのことを食べてもらえば…!』

「いやぁ、それが。」

「りうらから聞いたんだけど、まろと契約を結んだんだよね。」

『?はい。』

「その契約で、君は生贄ではなく従者になってるんだよ。」

『つまり今更ぼくを食べたとて、意味がないということですか…?』

「まぁ、そういうことだね。」

『そんな…』

「君には、まろのために全てをかける覚悟がある?」

『それは、もちろん。本来なら食われてる身でしたから。』

「じゃあ」

「君の腕を頂こうkバコンッ」

「怖がらせるようなこと言うなや!!!」

そう言って見知らぬ長髪の男が現れる。

すごいガッチリした体型。

あの腕で殴られたのか。ないこさん痛そう…。

「痛いじゃんかあにき!!!」

「お前が笑えない冗談言うからやろ!!!」

『えっと、どちら様ですか?』

「おぉ!俺は山神の悠佑って言うねん。よろしくなぁ〜!!」

「今回は看病要員で来たで〜!!」

『よろしくお願いします…!!』

「おほんっ、話を戻してまろを助ける方法だけどお互いの体液を体内に取り込んでこの薬を飲む。」

『そしたら猫神様は助かるんですか?』

「うん、この薬には術がかかっているからね。」

『じゃあ…!』

「やめろ」

『「「猫神様/まろ…!!」」』

目が覚めた…!!

「そんなことしたらお前が人間でなくなってしまうで…」

は?

『この期に及んでそんなこと…!』

「そんなことじゃないやろ…」

『そもそも、人間じゃなくなったら何になるんですか?』

「この方法は簡単に言うと君とまろを足して2で割る感じなんだ。まろは神格を失うがこの世に留まることができる。君は人間でなくなる代わりに半妖として死ぬことはなくなる。」



『ぼく、人間じゃなくなっても大丈夫です。』


「は!?おまっ」

『それよりも!猫神様がいなくなることの方が嫌です…!!』

「…」

「ないこ」

「うん、任せて。」




「へぇ〜それで猫神様は助かったんや。」

『うん!りうちゃん、あのときはありがとう!」

「良いよ、別に〜」

『あと、しょうちゃんも!山神様を連れてきてくれたんでしょ?』

「うん!悠くん看病上手いやろ!」

『うん、助かったよ!』

「それでそれで?そのあとどうなったの!?」

『え!?/////』



あの後───────

ぎゅっ

ふわりと香る猫神様の匂い。全身に感じる温かな体温にひどく安心する。

『猫神様…』

「いふ。いふって呼んで。」

『いふ…くん?』

「ん、もう神様じゃないから。」

『いふくん…いふくん……えへへっ』

名前を知れたことが嬉しくて何度も呼ぶ。

「ほとけ」

『なぁに?』

そういえばちゃんと名前で呼ばれたの、初めて会ったとき以来かも…

「これから一生俺の側にいることになるけどええの?」

『拒否権なんてないくせに。』

いふくんの優しげな目の奥が逃がさないと言っている。

『しょうがないから一緒にいてあげる。幸せにしてよね。』

「言われなくても。」

ぼくたちを祝福するかのように温かな風が吹いた気がした。



「うひゃ〜〜〜〜!じゃあ夫婦めおとってこと!?」

「あのいむちゃんが…大きなって…泣」

『え、あ…そういうことになるのかな……?』

あんまり夫婦とか気にしたことなかった…

なんか意識しだすと恥ずかしいかも…////

「そんなほとけっちには良いものをあげる!!」

『良いもの…?』

「じゃぁん!」

黄金色のとろみのある液体…

『はちみつ…?』

「うん!」

「あ!ぼく知ってるで!!はちみつはな、─────────






『はぁ…ほんとおせっかい//////』



《はちみつにはな、 子宝 って意味があんねんで!》





終わり



画像

サムネのこのイラストを♡1000で仕上げます。←一生線画やん







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