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私「あの、今日お時間あります?」


長「今日?あるけど?」


私「放課後、理科室に来てください。」


長「ん、理科室な〜分かった。」


私「あ、ありがとう…ございますっ。」


彼はドSで有名な長尾謙杜。


学校1のモテ男で、尚且つ生粋のドS。


みんなからドS王子と呼ばれ、その名は他校まで轟いている。


そんな人と私のような凡人が何故関わって居るかと言うと…








長「なぁ、今日家こぉへん?♡」


私「嫌です…ほんとに近づかないでください。」


長「2人っきりならええって言ったのそっちや〜ん!なんで冷たいん!?なぁ!」


私「ッ〜、2人っきりならOKなんて言った覚えありません!!早く明日の一限の準備してください!!」


私たちは理科室の管理を任されている理科実行委員。


明日後輩たちが実験で使う物を机に出して並べ、道具の基本的な組み立てなどを任されている。


実はこの委員会、うちの学校ではとても楽な方の委員会なのだ。


私は理科が好きだから入ったが、こいつはサボりたいだけ。


それに…


長「…ん?なに?俺のこと好きなん?♡」


私「…くっ、」


この態度にもイラつく…!


なんなのよこの感じ、イライラっと…フツフツと湧き出てくるこの…1発何か言ってやりたいという気持ちは…!!!


こいつと道具を持って一緒に廊下を歩くだけで…




ー回想ー

『…ねぇ、あの隣の女誰よ?』

『お、2組の女の子じゃね?』

『なんで長尾くんがあんな女と…』

『うっざ、調子乗んなブス』

『ウケるな、なんだあの組み合わせw 』

『長尾イケメンだけど女のセンスはわりーなw』




と、このような調子で変な事を言われ、毎日毎日イライラする日々を過ごすことに。


だから表では話しかけるなと言った。


そしたら2人なら良いのだと解釈され、事ある事に委員会の時は距離が近いのだ。


私「近い。腰を触るな」


長「…ねぇ、ボディタッチ慣れてきたよね?」


私「こんだけベタベタされれば貴方に触られるのも慣れますよ。」


長「…なんかエッチ♡」


私「ひっ!!」


耳元でなんてこと…気持ち悪いッ!


ゾワゾワっとして身を引く。

長「次は耳やな」


私「い…いゃ…」


長「俺に染って貰うためにいーっぱい触るな♡」


私「ひいぃぃぃぃ!!」


やっぱりさっさと辞めたい。


こんなやばいのと一緒に居なくちゃいけないなら、委員会なんて辞めてやる!









長「辞められると思ったん?♡」


私「な…なんで…」


長「先生に、やっぱり辞めないです!って訂正しといたで?♡」


ビリビリビリ…


私「や、やめて!!破らないでぇぇえ!」


長「あーあ、粉々や!ごめーんね? 」


このワンコ…鬼。


委員会を辞めるため、先生に書類を提出した。


それを何故かこいつが持っていて、私の目の前で破り捨てやがった。


私「…私、貴方ともう関わりたくないの。」


長「…」


私「私、貴方と居ると色々言われてしんどい!そんな事言われたくて貴方と一緒に居るんじゃないし、、どうして私がこんな思いしなきゃ行けないの!?」


長「ッごめ、」


私「私…ほんとにもう嫌だから。貴方のおもちゃも、もう懲り懲り。」


長「おもちゃって…」

私「私に色々言ったり…触ったりッ、音の出るおもちゃとでも思って楽しんでた、?本命の彼女だって居るんじゃないの?ほんと…クズ」


長「そんなつもりは、」


私「あぁそうだよね、良かれと思って私に気使ってた?逆に?それなら気づけなくてごめんなさい。でももうホントに、、いいから。 」


声が震える。


ウザいって思うし、早く離れたいって思う。


今までこうやって思ってきたことも事実。


だけどそんな明らかに傷付いてますみたいな顔しないでよ。


私の方が…傷付いてるんだから。


私「私で遊ばないで。もっと適役が居るでしょう。」


長「…泣かないで、」


私「うるさい…ほんと嫌い、」


長「ごめん…そんなつもりじゃなくて、」


そんなつもりじゃなくて?


無意識でやってたの?


尚更クズじゃん。


私「ッ…ばか!!!」


長「!あっ待って!!」


グッ、


私「い”っ…」


長「あっ、ごめん…でも待って、ッ暴れないで!!!」


私「離してぇえ!」


逃げようとしたけど向こうは運動部。


余裕で3歩目で追い付かれて挙句の果てには引き寄せられて腕の中。


何これ。なんで引き止めるの?


嫌い。


私「いや!もうやめてって、あんたに遊ばれんのはもう懲り懲りなの!!!!」


長「遊んで無いよ!!ほんとにっちょっと!落ち着い…てっ!!」


ドサッと理科の机の上に押し付けられ、完全に押し倒されている。


膝から上が机に乗って、長尾くんも机に乗り上げてる。


長「は、はぁ…落ち着いて」


私「…ごめん、」


長「…傷付けてごめん。」


私「いや…もういいから。終わりだし」


長「ッ…終わりたくない」


私「でも、私もうこれ以上長尾くんには着いていけないよ。」


長「…後ろから着いて来なくていいから、一緒のペースで進もう?」


私「え、?」


長「好き…だから、ほんとに」


私「…」

沈黙。


“すき”なんて、人から言われたのは初めてだった。


てか彼女居ないんだ。


長尾くんって女のセンス悪いんだなぁ。


私「…B選?」


長「へ、?」


私「いや…私を好きなんてセンス悪すぎて信じらんないって言うか。」


長「…センスとかそういうのじゃないでしょ。」


私「え?」


長「顔とか容姿とか中身とか、色々好きになる理由ってあるけど、それにセンスとか無いでしょ。」


私「…そうだね」


長「俺は君が好き、ただそれだけだよ。他人のセンスとか好みとか、そういうのどうでもいい。俺は君に触れたいし、君と一緒に居たい。」


私「…いっつもからかってたのに?」


長「好きな子に意地悪したいタイプだから♡」


私「はぁ…しんどい」


長「俺のこと好きなくせに」


私「はぁ?好きなんて一言も、」


長「俺に遊ばれてて泣くほど嫌だったんでしょ?本気だったらいいんじゃない?どう?」


私「…うっさい」


長「ふふ、ねぇキスしていい?」


私「はぁ?!ここ学校なんですけど!?ていうかさっさと離れてッ!」


長「んー、1回だけ♡ 」


私「…ッもぅ、早く!」


可愛く1回響いたリップ音の後、ゆっくり机から起き上がらせてくれる。


長「痛くない?掴んだ腕も体も。」


私「痛いって言ったら?」


長「…言うこと聞きます」


私「…痛い」


別に痛くないけど、聞いて欲しいことが一つだけあるから嘘をついてみる。


長「はは、なに?お願いあるの?」

私「…もう一回だけキス」


長「ッ…まじ、?」


私「まじ」


長「…可愛い」

私「ん、近い…」


長「あーやっぱり耳弱いよね」


私「は!?いや…何言ってッ」


長「好き?耳、」


私「ん…ぃゃ♡」


長「声エロすぎ、誘ってる?」


私「誘って、るっ…て、そっちがでしょッ」


長「誘ったら乗ってくれる?」


ニヤニヤしながらこちらに目線を合わせてくる。


私「…ここでは乗らないでしょ。」


長「じゃあ家とかだったら良いんだ」


私「ッ〜!ダメ!!いや!!」


長「えぇ〜!」


私「帰る!さようなら!」


長「あ、待って!俺も帰る〜!」


ここから先どうなったかはご想像にお任せします。


付き合い始めてからしばらく、


チャラいと思ってい彼を日常的によく観察していると、女の子とあまり話していなかった。


私「意外と一途さんなんだね?」


長「今更気づいたの?ずっと好きな人一筋だったのに♡」


私「…キツ」

長「あーそういう事言う。昨日あんなに好き好き言ってたくせn((」


私「あぁぁぁぁぁ!!ほんっっっとに無理!」


長「ひど!?」


私「はぁ…しんどい」


長「今日は一段とドライだねー」


私「…今日話してた女の人、可愛かったね」


長「…ふふ、そういう事か」


私「なっ…なによ!? 」


長「なにってw、、今日ウチくる?」


私「ッ〜…行かない!ウザい!嫌い!」


長「本気の嫉妬だねー、エグいパンチ」


私「嫉妬じゃない。ウザいの」


長「俺他の人に興味無いの知ってるよね?昨日あんなにトロトロにしたから分かってくれたと思ったのになぁ…」


私「んっ…耳、いや!近い!」


長「またお仕置する?♡」


私「ひっ…ごめんなさ、」


長「だーめ♡今日放課後ウチね?♡」


私「ッ…私悪くない!」


長「嫉妬させてごめんね?こっち、」


私「…ん」


ぎゅっと抱き締めあって、体全部が制服越しにくっついてる。


長「…可愛い」


私「んー、、なんか香水の匂いする」


長「え、犬?」


私「…誰の香水?」


長「んー、誰だろう」


私「…さっきの女だ」


長「まじ?そんな近い距離にいたかな」


私「…ん”ーーー」


長「唸らないでー、ごめんね」


私「…家」


長「ん?」


私「…家、行く」


長「珍しいね誘ってくるの」


私「そっちが言うから行ってやるの」


長「ふふ、ちゅっ♡」


私「んぁ、いや!」


長「ご機嫌ななめだねー、お家でいっぱいしようね♡」


私「ッ〜〜…1回だけだし。」


長「1回ならいいんだ?」


私「〜〜〜〜ッ!」


長「顔真っ赤wほら行こ?もう我慢できないから、俺」


私「…うん、」


今まで通り友達として話す時もあれば、こうしてしっかり恋人のようになる時もある。


そして冒頭でも言った通り、彼は今でもドSである。


まだまだ慣れない事だらけだけど、前と同じように私は彼染められて行く。







《染める》

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