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#ダンジョン運営
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「令和ちゃんと昭和ちゃん、お弁当で揉める」
「ねえ見て、今日のお弁当!」
昼休み開始三秒で、昭和ちゃんはフタを開けていた。
「早くない?」
「温かいうちに見てほしくて!」
「見るだけ?」
「食べてもいいよ!」
「食べないけど」
断ると、ちょっとだけしょんぼりした顔をする。
めんどくさいな、と思いながらも、一応のぞく。
「……すご」
卵焼き、ウインナー、きんぴら、白米に梅干し。
色合いがやたら整っている。
「でしょ!朝から作ったの!」
「何時起き」
「五時!」
「非効率すぎる」
「愛情だよ!」
「睡眠削ってる時点でマイナス」
「マイナスじゃないもん!」
「令和ちゃんは?」
「これ」
コンビニの袋を置く。
「またそれ!?」
「安定」
「味気ないよ!」
「毎回同じ味で安心できるけど」
「冒険しようよ!」
「失敗したくない」
「人生が!?」
「昼ごはんの話ね」
「ねえ交換しよ!」
「やだ」
「なんで!?」
「リスクあるじゃん」
「ないよ!おいしいよ!」
「主観でしょ」
「じゃあ一口だけ!」
「……一口なら」
しぶしぶ、卵焼きを受け取る。
「どう!?」
「……甘い」
「でしょ!」
「デザート寄り」
「お弁当だよ!?」
「まあでも、悪くない」
「やった!」
めちゃくちゃ嬉しそうにする。
そんなに喜ぶこと?と思いながら、もう一口いきそうになるのを止めた。
「はい、そっちも」
「え」
「交換でしょ」
「あ、そうだった」
昭和ちゃんは、おそるおそるサンドイッチをかじる。
「どう?」
「……」
黙る。
「……どう?」
「味しない」
「してるけど」
「なんか……静か」
「静か?」
「お弁当って、もっとこう……賑やかじゃない?」
「食べ物に賑やかさ求めてない」
「ええー……」
「ねえ、これ何?」
「栄養バー」
「ごはん!?」
「一応」
「一応ってなに!?」
「これ一本で大体足りる」
「夢がない!!」
「現実はある」
「やだその現実!」
「じゃあさ!」
昭和ちゃんが急に立ち上がる。
「なに」
「明日、お弁当作ってきてよ!」
「は?」
「令和ちゃんのお弁当、見てみたい!」
「作らないけど」
「一回くらい!」
「時間の無駄」
「無駄じゃない!」
「無駄」
「無駄じゃない!」
声が大きくなる。
周りがちょっと見る。
「……一回だけね」
「ほんと!?」
「一回だけね」
「やったー!!」
ガッツポーズが大げさすぎる。
次の日。
「できた」
令和ちゃんは、静かに弁当箱を開けた。
「おお……!」
昭和ちゃんが身を乗り出す。
中身は、きれいに並んだ同じもの。
「……なにこれ」
「冷凍食品」
「全部!?」
「効率重視」
「愛情!!」
「詰めるのに時間かけてる」
「そこじゃないよ!!」
「でもさ」
昭和ちゃんは、一口食べて言った。
「おいしい」
「でしょ」
「悔しいけど!」
「事実だから」
「でもなんか負けた気がする!」
「なにに」
「いろいろ!」
「じゃあさ」
令和ちゃんが言う。
「明日は半分ずつにする?」
「半分?」
「そっちの手作りと、こっちの効率」
「……いいね、それ!」
「バランス」
「令和半分、昭和半分!」
「またそれ」
笑う。
ちょっとだけ、昼休みが長く感じた。