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「結構冷えるよな?」
「そうそう。日照時間が短いし、どんよりしてて雨が多い。夏は逆に夜遅くまで明るいし雨が少ないから、住んでたら脳がバグるよ。冬期鬱になったりね」
「欧米人がテレビで冬でも半袖着てるのは、冬が長くて慣れてるから?」
恵が軽く挙手して尋ねると、涼さんは「いい質問だね」と先生みたいに言う。
「第一に体が大きくて筋肉量が多いから、基礎体温が高いんだ。平熱で三十七度超えとかあるみたい。北方ルーツの人は、寒さに耐えるようにそういう体になったんだろうね。逆にアジアは基本的に気候がそれほど寒くないでしょ。だからスリムな人が多いの」
「「あー……」」
私と恵は、またハモって納得する。
そのあと、飲み物が運ばれてきて乾杯した。
「あ~……、いいですね。雄大な景色を見ながら美味しいビール。……尊さん、あとでカクテル頼んでもいい?」
「許可は得なくていいから、好きに頼めよ」
「しゅき……」
彼への愛を噛み締めていると、涼さんが興味津々で尋ねる。
「恵ちゃん、ヨーロッパに興味あるの?」
「いえ、知らない土地なのでどんな感じなのかな? って思っただけで」
「じゃあ、いつかヨーロッパも行かないとね」
「いや、いいっす」
「私、行きたい! 興味あります!」
私が挙手すると、涼さんは「だよね~!」とニッコリ笑顔になる。
順番に料理が運ばれてきて、サラダはどっさりだ。
「ここね、下のほうにオリーブオイルが沈んでるんだよ」
涼さんはそう言って、器用にサラダボウルを掻き混ぜる。
尊さんはパスタを取り分けてくれて、恵は運ばれてきたクラムチャウダーのムール貝を見て「立派」と呟いていた。
「むちゃむちゃ美味しい~!」
クラムチャウダーには大きなムール貝が、殻ごと三つ入っていて、パンもついている。
スプーンで濃厚かつクリーミーなスープをいただき、残った分はパンでぬぐって綺麗に食べる。
カルボナーラも濃厚で美味しいし口の中が常に幸せだ。
シーフード盛り合わせは、基本的に貝とかが二人分らしいので、二人前頼んだ。
ムール貝に海老、よく分からない春巻きみたいなのや、イカリング、帆立のハーブ焼きを、レモンをギュッと搾って食べる。
ワインを飲みながら牡蠣をチュルッと食べ、鉄板の上でジュージュー音を立てているお肉を見て、頬が緩む。
「朱里、顔」
恵に指摘され、キリッとした表情をするも、すぐにニチャア……と笑みが漏れる。
鉄板の横には数種類のソースがあり、何米か分からないけどお米も頼めた。
やっぱりお肉を食べる時は、白米がなきゃ。
オージービーフは柔らかでジューシー! カンガルー肉は脂身がなくてあっさりしていて、本当にヘルシーだ。
ワニ肉は涼さんが「鶏肉みたい」と言っていたように、まさに鶏肉。でも若干、淡泊な感じがある。
デザートにアイスをペロリと食べ、「はぁ~! 美味しかった!」とお腹をさすった。
「ごちそうさまでした! はぁ~、食後の運動に沢山歩かないと」
精算を終えて外に出ると、風が気持ちいい。
恵はしげしげと私のお腹を見てから、自分のお腹をポンポンと叩く。
「干潟に鳥がいっぱいいるから、見に行こうよ」
涼さんに誘われ、私たちは干潟に向かって歩き始めた。
「わー、引くほどいる。あれってペリカン?」
恵はいつも持ち歩いている単眼鏡を目に当てて、じっくりと鳥を見ている。
「フラミンゴもいるね~。あの嘴の長いのはシギ」
ケアンズは海に囲まれているけれど、ビーチで海遊びできるようにはなっていない。
その代わりに、無料のプールがある。
夕方になる前に、私たちはケアンズ水族館に向かった。
グレート・バリアリーフにいる魚や、熱帯雨林の魚をテーマにしたところで、水中トンネルもあってとにかく楽しい。
マンタもいるし、触れ合いコーナーではヒトデやナマコがいるのはお約束だ。
サメやウミガメもいるし、併設されたカフェでは、大きな水槽を横に食事もできる。
どうやらナイトツアーというのもあるらしく、閉館後に入れるんだそうだ。
そのあと私たちは、水族館から徒歩五分ぐらいにあるナイトマーケットに向かった。
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