この作品はいかがでしたか?
307
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注意書きは一話目をどうぞ。
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u t 視点
「っっっ大先生.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ」
「避けて.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ」
突如、シャオちゃんの大きな声が聞こえた。
僕はメインの戦闘担当じゃないし、近接での戦闘なんて以ての外。
僕の強みは遠距離から射撃する遠距離攻撃。
遠いところから確実に当てるその正確性をグルちゃんに買われてこの軍へ来たと言っても過言では無い。
だって、僕のメインは遠距離攻撃、後方支援、情報操作からのハッキング。
なんなら今日の今日まで情報管理室に篭ってたから体が訛っている。
そんな状態でこの速い攻撃を避けれるか。否。避けれる訳がない。
僕はもう”死”を覚悟した。
でも、想像した痛みは来なくて、代わりに目を開けるとシャオちゃんの左肩に桃色の剣が貫いていた。
肩まで伸びた髪を結っている髪ゴムがちぎれ、はらりはらりと落ちてくる。
その髪と共に、大量の血液が僕の顔面にかかる。
「カハッ、」
「っシャオちゃん.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ」
ズバッ、と勢いよく剣を抜かれると、青白い顔をしたシャオちゃんが膝をつく。
そして、カーキ色の軍服の袖を引きちぎり、刺された左肩の傷を止血する。
「シャオちゃん…….ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ大丈夫…….ᐟ.ᐟ?」
「おう、大丈夫やで……」
「大先生は大丈夫か…?」
「僕は大丈夫に決まっとるやん…….ᐟ.ᐟ」
「それよりっ、シャオちゃんが……」
「お前のせいちゃうから安心せい」
「これで攻撃を防げんかった俺の落ち度や」
「でもっ……」
”防げんかった俺の落ち度や”って……僕を庇ってこんな怪我負ったのに。
この状態じゃシャオちゃんは全力で戦えない……。
これも全部僕のせいだっ……
この攻撃を僕が避けれてたら……。
「ふー、っふーっ」
痛みを堪えてシャオちゃんは左肩に引きちぎった袖をキツく巻き付けていく。
「っ、シャオちゃん」
「な、に?」
「僕の固有魔法今から使うわ」
「.ᐟ.ᐟ?それは」
「どれくらい寝ちゃうかわかんないけど……」
「これくらいなら”二年”で済むと思うからさ」
「安心して……」
「どこが安心出来んねん.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ」
「それやと、大先生がっ………」
「今から僕は使えんくなるけど、シャオちゃん、あとの事よろしくな」
「大先生っ…….ᐟ.ᐟ」
「全てを治癒する魔法」
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s h a 視点
「全てを治癒する魔法」
そう大先生の固有魔法を唱えた瞬間、淡い深緑に包まれる。
そこを中心に渦巻く魔法の風。
その風が刺された左肩へとまとわりつき、傷を治していく。
これこそ大先生の魔法。
” 全てを治癒する魔法”
その魔法は、術者自身の寿命と引き換えにどんな怪我でも後遺症も残らず完璧に治す魔法。
小さな怪我なら寿命を使わず治す事ができるが、大きな怪我になると使ってしまう。
そして一度だけ、人間としての禁忌を犯すことができる魔法でもある。
”生物を自身と引き換えに生き返らせる魔法”、その魔法を使える者を売るだけでこの先働かなくても生きていけるくらいのお金が入る。
だから常々、大先生はこの魔法が嫌いだったみたいで、この魔法を使える者からすると劣っているらしい。
「ふ、ぅぅ」
「大先生.ᐟ.ᐟ大丈夫.ᐟ.ᐟ?」
「ごめん、あともうっ、ちょいっ…….ᐟ.ᐟ」
「反転」
「風撃」
突如、大先生と俺の間に強い風の斬撃が飛んだ。
「邪魔させてもらうで?」
クスッと悪女の浮かべる意地の悪い笑みを浮かべる。
「大先生、ありがとな」
「ごめん、治りきらせん、っかった……」
体力を消耗しすぎたせいか、大先生は青白い顔をしてうつらうつらと舟を漕いでいる。
「後は任せろ」
「うん……」
カクッ、と意識を無くした。
前へ倒れる所を抱きとめ、担いで運ぶ。ゆっくりと横向きにして寝かせ、防御結界を貼った。
これで今度こそ攻撃される心配はない。
治りきらなかったせいか、まだ左肩は痛いがここまで回復したのは正直ありがたい。
「身体強化」
「武器武装」
元々持っていたリーチの長い大剣に魔法を掛け武装する。
すると黄色い光が剣を包み、天から落ちる雷鳴を模した文様が浮かび上がる。
切れた髪ゴムを拾いポケットにしまう。予備で持っていた髪ゴムを出し、肩まである長い髪を一つにまとめる。
トレードマークの豚ピンは、壊れたらいけないので大先生の傍に置いておいた。
「ふー、いくで」
向こうも武装が終わったのか、武器を構える。
静かに闘志を燃やすその桃色は、一気に剣を振り下ろした。
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今何章だっけ?
二章?か?
あと三、四話で二章は終わります!
三章書くの楽しみだわー!
※以下、少しのネタバレ↓↓↓
三章でねー、やっと全ての伏線を回収するんですよー。
やっとねー。
ロボロさんとシャオさんの過去も描く予定です!
この二人にね、どんな因縁があるのかわかっちゃいまーす!
お楽しみに〜
ここまでの閲覧ありがとうございました!
またどこかのお話でお会い出来ることを楽しみにしております。
コメント
2件
マブの会話よすぎません!? ライバル的な…? 続き楽しみすぎます!!
ごめんなさい。ミスってコメント消しちゃいました。 もう大好きです!!次回も楽しみにしてます!!