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注意書きは一話目をどうぞ。






──────────────────


s h a 視点











勇者の持つ剣に似た模様を浮かべたその桃色の刃を俺へと向かい一気に振り下ろされる。




その剣を俺は左へと飛び間一髪避ける。




避けた瞬間、空を切る風音が顔の近くで鳴った。




そのまま左へと飛んだ体勢のまま左脚を思い切り上げ、彼の鳩尾へと叩き込む。




だが刹那、彼は防御結界シールドを体の一部分へと掛け攻撃を防いだ。




反撃カウンター




俺が今脚で蹴り上げた分のダメージが自分へと跳ね返され、木に叩きつけられる。




木へとぶつかる際、頭を打ったのか生暖かい液体が額から頬を伝い落ちた。




瞼を持ち上げると、目の前には彼が来ていて、彼の得意とする風属性の魔法を唱える。




風刃ウェインダー




呪文を唱えるや否や、俺の周りで風が鎌の様にして飛んでくる。




雷を模した淡い琥珀に包まれる大剣を振り回し、その魔法をかき消す。




雷撃リジェクト




ゴロゴロと、獣が腹を空かせた音に似た雷鳴があたりへと研ぎ澄ませる。




瞬間、地へと駆け空に散り、それが一つにまとまり、桃色の彼へと光の速さで向かう。




雷属性の魔法と炎の属性を混ぜて作った俺の創作オリジナル魔法。




W国を離れて母国に籠り二年間掛けて作った魔法でもあるのだ。




呪文を唱え、一瞬にてあたりへと散り、次に炎が舞いその炎を推進力にし、更にスピードを早め雷の落ちる速度よりもより速くし、光の限界速度まで強めた技。




その速さで避けられる者はいない。




だが、その強すぎる技にも難点はある。




俺の魔力を極端に削る。




ただし、相手にも相応のダメージが入る。




「っっっっハ、ぁ、がぅっ」




腹へとその雷霆が入り、彼は苦しそうに腹を押さえ胸を上下に揺らし酸素を求め口をハクハク、と動かす。




しかし、元来の入るダメージを軽減している様だった。




恐らく彼の魔法属性の相性にもよるだろう。




彼の属性は風と水。




その二つの属性は治癒やダメージ軽減の魔法を得意とする。




一方、俺の方は雷と炎。




その二つは攻撃力の増加、更にはスピードの増加がある。




風は雷に勝ち、雷は水に勝つ。




水は炎に勝ち、炎は土に勝つ。




土は風に勝つ。




そして炎と風はとても相性がよく、その二つは五つある属性の中で最もとも言われていた。




つまり、こうして彼らが敵対していなければ最強のツーマンセルが組めていたわけで。




なぜこうなってしまったんだと嘆かずにはいられなかった。




回復魔法ディアラマ




ぽわ、と淡い緑と深い青に包まれ、今受けた傷を回復した。




だが、全ては治癒することは出来なかったのか未だ体勢が傷を庇うように動いている。




その傷を抉るように右手で拳を作り、そこにありったけの力を注ぎ殴り飛ばす。




その際、反転リバースを使い魔法を相殺。




反撃だ、とでも言いたげに彼は風属性の攻撃呪文を唱え、爆風で俺は天高く空へと舞った。




地上から彼は脚へと魔法を掛け俺の元へと飛んでくる。




カタカタと軽快な音を鳴り響かせる下駄を振り上げ、俺の頭へと振りかざす。




バコーン、と轟音がこの土地になり翳す。




ゆっくりと橙色のくすんだ着物を翻し、天から地へと下り立つ。




その様子はまるで、神様が星の上から穢らわしいこの土地へと足を踏み入れるようだった。




すぐさま俺は起き上がり、淡い黄色の大剣を右肩の上へと添え、彼の元へと飛び上がり、切り良く振り上げ、土へと叩きつける。




しかし彼はそこに防御魔法シールドを張っていて、またもやダメージを軽減しているようだった。




風属性の青緑っぽい薄い色の魔法が彼の周りをふわつくと、桃色の勇者の持つ剣を模した剣が今までの比にならない程のサイズで現れた。




教室を三個分くらい並べたサイズの大剣がこちらへと向かってくる。




魔力撃ショック




左手を右手の甲に添えて支え、右手の平に魔力を集中し圧縮、すると、爆発的な威力を生み出す。




その衝撃で大剣を吹き飛ばされ、どこかの地へと突き刺さる。




その轟音は、神がこの下界にて戦っているような激しさだった。




「なんで、お前はこの道を選んだんや…!」




「なんでって……?それはお前のせいやろが!!!」

「お前があの家を出て行かんかったら、あの家はまだ続いてた!!!!」

「俺がお前の跡を継ぐこともなかった!!!」

「そもそもで、俺があの家を継ぐことは間違ってたんや!!!!」

「‪”‬お前しかあの魔法‪”‬が使えへんのにっ……」

「お前がっ、出てくからっ……」




「それはっ……!」

「でもっ!!!俺はあの家が嫌いだった!!!」

「お前の事を粗末に扱う、人を‪”‬人‪”‬だと思わないあの家にうんざりしてた!!!!」

「だから!!!俺はあの家を飛び出て、この世界を見渡して見たかった!!!」

「あんな檻に縛られておく程、俺は従順じゃないことくらいお前だって……」




最大限の魔力を大剣へと込めると、淡い暖かい琥珀が彼を包んだ。




そして、勢いよく地を蹴りあげる。




踏んだ地が、べコンっ、と凹む。




「知ってんだろうが!!!!!!」




ガコーーーンッッ、と凄まじい音が鳴る。




その九鄭に轟く雷霆は、彼の頭を劈く。




いつも着ける布面がはらりハラリとこの大地へと柔く落ちる。




現れたこれの顔は、呆気に取られたように、苦しげに、一粒の涙をそのコンクパールから流していた。




「っ、!!!カハッ、!!」




そして、俺がいつも忌み嫌っていた魔法を使う。




その魔法は、




時に救済の手を差し伸べてくれる、




優しい魔法であった。














『忘却魔法──────』













『────── 胡蝶蘭の夢誘宵











右手の平を左手に重ね、ゆっくりと回す。




回転する歯車を、無理やり逆の方向に回転するように。




「罪も哀しみも苦しみも、全部全部、俺が覚えてる助けるから」




世にも奇妙な桃色の双眼は、呆気に取られたように見開いた。




刹那、淡い光の元で今、黄色い青年が緩く記憶の中でまた、暖かい方へと身を委ねた。




瞬間、俺の意識の中へ、様々な記憶が混ざり合い、淀みを作り、滲み、流れてきた。











──────────────────





𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩いいね500&2コメ(出来れば考察コメントも欲しいなーなんてд・)コソッ…






これにて、桃色の双眼編、完結になりまーす!




えー、あまりにも考察コメントがこないのでもうね、自分から何処に伏線貼ったか言っちゃいます!




「その轟音は、神がこの下界にて戦っているような激しさだった。」


と、途中で出てきたあの会話ですね!


ここからのやつ↓↓↓


「なんでって……?それはお前のせいやろが!!!」

「お前があの家を出て行かんかったら、あの家はまだ続いてた!!!!」

「俺がお前の跡を継ぐこともなかった!!!」

「そもそもで、俺があの家を継ぐことは間違ってたんや!!!!」

「‪”‬お前しかあの魔法‪”‬が使えへんのにっ……」

「お前がっ、出てくからっ……」





ここでーす!




考察コメント待ってます!!!!!!!





あっと、ついでに告知ー!











『黄色い少年の忘備録』











黄色い少年は、何を思い、何をして生きてきたのか。








その軌跡を、血濡れたこの書にて書き記す。








少年の事を知る者はもう、この世に否し。








ではなぜ、少年は死力を尽くし、今をときめくこの瞬間、この時間を生きるのか。








加の者は、自身が何者かか、知る旅路を辿る。














──────────────────







次回から、『黄色い少年の忘備録』に入ります!







頑張って来週中に挙げたいですが、無理だったらごめんなさい!!





ついでにこれから一年の活動休止です!





あ、安心してくださいね、この『全ての記憶から消えた貴方へ』だけは投稿します。





なのでさいならー!





一年もあざしたー!






次回の投稿をお楽しみにー!










ついでに閲覧数2000越ありがとうございます!














全ての記憶から消えた貴方へ

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コメント

1

ユーザー

shaちゃんとrbrさんの会話ずっと好き "あの魔法が使えるのがお前だけ"って 忘却魔法か!? 2人は同じ家に住んでたんか…? "俺が継ぐことはなかった"って rbrさんが言っとったけど、 2人の過去に関係あるよな… 最後の時にお前の記憶はなくなるけど俺はずっと覚えてるよ的な こと言ってたのが、昔の事を rbrさんがまだ完全に思い出せてなくて shaちゃんが俺は覚えてるよって 言ってる風に感じた!!! めっちゃ長文だわ… 続き楽しみです!!

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