テラーノベル
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皆さんこんにちは!テストの関係で投稿が遅くなってしまいました!ごめんなさい!!
それでは、早速行きましょうか。
めろうの世界へ行ってらっしゃいませ。
注意事項
⚠太中(要素ほぼ0) とても平和でどこか不穏⚠
【第3話 変わらぬ日々】
俺は今、オフィスで仕事をしている。
昨日はポートマフィアのみんなに迷惑をかけてしまったから、昨日の分を取り返さないといけない。
迷惑かけて、心配までしてもらって…。一方的にやられていてばかりでは俺のプライドというやつが許してはくれなかったから。
窓の外では少し肌寒い色なき風が紅く染まった木々を擽っている。ただ、その光景は寂しさ等は感じさせない、温かな景色だった。
「…にしても、」
今朝見たあの太宰は何だったのだろう。いや、果たして本当にアレは本当に太宰だったのだろうか。
もしかして、太宰に似た何かでは……?
いや、そんな訳無い。アレは確かに太宰だった。似ているというものじゃなかった。アレは太宰そのものだった。…ただ、包帯の位置と服装は違かった。
「……なら、アイツは一体…?」
そんな考え事をしていたら、ふと肩を叩かれた。
「中也さん」
芥川だ。
「ん…芥川か。おはよう」
「おはようございます。お体の方は大丈夫ですか」
芥川はやっぱり俺の体を心配してきた。
ははっ、優しいな。俺はそうヤワじゃねぇっつーの。
「ふふっ、心配してくれてんのか。大丈夫だぜ、もうバッチリだ。ありがとうな」
「良かったです。あまり無理はなさらずに。それでは僕はこれで失礼します」
どうやら任務に行ってくるらしい。見送るか迷ったが、仕事も溜まってしまっていたので見送りするのはやめた。それに今の俺が見送ると言ったら断られそうだしな。
「あぁ。行ってらっしゃい」
平和だなと心の底から思った。あぁいや、勿論朝の件を忘れた訳じゃない。だが、こうやってみんなと過ごしていると「いつもの日常」って感じがして芯から温まる感じがするんだ。これが幸せなんだってな。
だから朝の件なんかより今を見ることが出来るんだ。やっぱり、平凡なのが一番の幸せかもしれねぇな。
それからはしばらくオフィスで淡々と資料を作成していた。
オフィス内は大きな二つの窓から光が差し込み、明るく照らされている。
「温かい…」
差し込む光は俺を優しく包み込み、温めてくれる。
たまには一人でオフィス作業ってのも悪くないな。
そんな時。
ガチャ
「ん…?」
オフィスの扉が開いた。誰かと思い、扉の方を向くと…
「体調は大丈夫かえ、中也」
そこには心配そうな表情をした姐さんが立っていた。
「姐さん…」
姐さんは固まる俺を置いて近づいてくる。
「心配したぞ」
その様子を見てはっとする。
「あっ、すみません…心配かけてしまって。もう全然平気です」
「そうかえ?ならば良かった。じゃが、無理は禁物じゃぞ。」
「ふふっ、はい。分かりました」
やっぱり姐さんも優しい。こんな体調管理もしっかり出来ないダメダメな幹部なんかに心配だなんて。こんな生きている価値もない人間に心配しないでくれ。
……あれ、俺今なんて考えた…?
生きている価値もない…人間…?ダメダメな幹部…?
お、おかしい、な…。流石に俺はそこまで自分のことを責めるようなことは思わない…はず。
『君は本当に駄目だね』
「…!!」
アイツの…言った言葉…。まさ、か。そんなはず…っ。だって、あんなのはただの言葉だ…!呪い、洗脳、お呪い……。そんな、そんな訳無い…!あ、ありえ…ない。
「……中也。大丈夫か?」
あぁ、そうだ。今俺の前には姐さんが居るんだった。大丈夫だって伝えねぇと。
「…あ、大丈夫です。少し考え事をしてました。気にしないで下さい」
「…そうかえ?何かあったら言うのじゃぞ」
「はい。ありがとうございます、姐さん」
「あぁ、幾らでも頼ってくれて構わぬぞ。体、気をつけてのぅ」
「はい」
パタン
ドアが閉まる音が部屋に響く。外は既に暗くなっていた。月の灯りが綺麗だ。外に出たくなるくらい。だが、恐らく外の風は冷たい。でも、それでいい。それでいいから外の空気が吸いたかった。
ここに留まっているだけで
『謝れ、今すぐ』
「ッッ、!!」
気が可笑しくなりそうだ。
このままだと今朝のことを思い出してしまう。それは何故だか不味い事だと思った。何となく、直感的にそう感じた。
俺は荷物をその場に放置して足早にオフィスを出ると、直ぐに夜の街へ飛び出した。
それからしばらくして。
俺は夜中まで営業している店が並ぶ通りまで来ていた。夜の街中というのは綺麗で、空気が少し冷たい。街を照らす月光は白い。まるで白黒の映画を見ているかのような気分にさせてくる。
そんな時。ふと、ある店の前で足を止めた。
「…綺麗…だ……」
ショーウィンドウに飾られた、たった一つの輝く青。
それはループタイだった─。
一目見て思った。綺麗だ。欲しい。まるでその商品に惹き付けられたように店へ入って直ぐに買った。
案外そう高くはなかった。まぁ、3万円以上はするが。
今日はセールだったらしい。運が良かった。運が無かったら恐らく7万円近くするそれを買っていただろう。
「ははっ、無駄な買い物したな」
ループタイを見つめながら独り言を吐く。
その独り言は秋の冷たい風にかき消されてしまった。
さて、もう帰ろう。夜も遅い。
俺は一人、この静寂に包まれた街中を歩き出した。
お帰りなさいませ。
今回は平和で、どこか不穏な空気を感じる話でした!それでは、次のお話で会いましょう!
またのご来店を。
コメント
3件
あぁ。。。。やばい。。。 雰囲気が。。。いい。。。 周りの温かい雰囲気に垣間見える 不穏さがとっても最高です。。。 にしてもこのお話。。。 想像が膨らみますね。。 続き楽しみに待っています♪ 大好きです!!
見て下さりありがとうございます! 誤字脱字ありましたら教えて下さい💦 ⚠️この物語に全く関係のないコメントはお控え下さい⚠️