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「約束」
⚠二次創作⚠知識がありません 夜桜ワールド⚠
ふぁぁ……
ある晴れた日。快晴の空には水色浮かぶ。
はぁ、毎日こんな平和ならいいんですけどね、と呟く芹沢さんをぼんやりと眺めてみる。
芹沢さんの横から、なにやら飛行物体が飛んできているのが見えた。
ん?あれ、なんすかね。
無知な僕とは裏腹に、伊丹さんは驚いた表情だ。
っあれ……爆撃機だぞっ!
”爆撃機”ドラマでしか聞かない単語だ。その分平和なのだろう、なんて考えている場合ではなかった。
お手本のような爆発の音が、平和な街を瞬く間に破壊した。
屋上から駆け下がり、出入り口を出るとそこには、普段見ないような景色が広がっていた。
怖かった。怖くてたまらなかった。あまりの恐怖に怯える僕の手を、芹沢さんが掴み、引き連れてくれた。
まるで今まで気が抜けていたかのようだったその体は、素早く動き始めた。
人混みの中必死に走っていた。大きく分けて2つの心残りを残して。
目の前にまで来た避難所に入り込む。もう既に、沢山の人で溢れかえっていた。
ここで1つ目の心残りを解消するべく、2人から離れ、人探しをすることにした。そう、1つ目の心残りとは、元々居た部署、特命係の杉下右京、神戸尊、そして相棒の春心月の存在だった。
避難所全体を走り回る。そこに、見慣れたオールバックの髪型をした、少し小柄な男性と、首元を開けたシャツを着た洒落た男性が居る。
杉下さんと神戸さんだ。
姿を見て、安心には浸る暇がなかった。そう、心月が居ないからだ。
悪い妄想を掻き消し、また、避難所全体を走り回る。
あれは。あの長く黄緑のメッシュの入った髪の毛を赤いリボンで結んでいる少女。彼女が、彼女こそが心月だった。
1つ目の心残りが解消され、少し心には余裕が出来た。そんな中、2人の元へ戻る。
おかえり、と言いつつ微笑んでくれた芹沢さん。
どこほっつき歩いてたんだよっ、と問いただしてきた伊丹さん。
あまりに想像通り過ぎて、笑いそうになってしまった。
避難所生活一日目。
朝から早速、2つ目の心残りが迫る。
そう、2つ目の心残り、それは、僕たちが刑事、ということ。
戦争で前に出なければならなくなった。
だが、きっと僕は行けないのだ。何故なら僕は高校生だから。
あぁ、近くに居てくれた2人が急に、遠く離れた場所に行ってしまう。
また、何も出来ないまま立ち尽くすのは嫌だった。
行ってきます、と2人は言った。
どこか硬い動きをした2人の手を、咄嗟に掴んだ。
掴まれた手を握り締め、か細い、まるで虫の羽音のような声で
行かないで……っ
と言う。普段なら想像出来ない姿だった。
夜桜はそのまま、さらに強い力で俺の手を握りしめる。きっと芹沢も同じくされているのだろう。
行くにも行けない、そんな状況で、芹沢はこう言った。
必ず……きっと、帰ってくるから。それまで……待っていて。
さすがは彼女持ち、なんて言ってる場合か?と自分に問う。そして夜桜は、いつもの声で
……「約束」ですよっ……!
と、希望と不安に満ちた目で言った。
手を掴んでわかった、やはり、2人も脅えていた。
いつも通りに見えた2人の背中。だが、その手はとても、強ばっていた。
「約束」をする時、良くやったな、指切りげんまん。
3人で小指を絡ませる。女子高生ととっくに成人を迎えた男性、大きさの問題でぎこちなかった。
約束破ったら針千本じゃすませませんよっ?
と、悪ふざけで言ってみた。すると、芹沢さんが
あっはは、怖いなぁ。
気を紛らわすようだった。そう、今から命をかけた、こんな冗談よりも何億倍も怖い、戦場に出るのだから。
んじゃ、また、ここで。
伊丹さんの声は、少し、震えているようだった。
行ってらっしゃい ”先輩”
「約束」 終
番外編という事で、ハッピーエンドとバッドエンドを書くつもりです!
こちらのエンドはノベル版のみとします!