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ハッピーエンド 約束
もう、2人が行って何日が経ったんだろうか。
もしかしたらまだ1日かもしれない。でも、1ヶ月かもしれない。1年かもしれない。
外の世界はもう、彩りなんてない。廃れた、灰色の世界。
青空を見たのはあの日、3人で揃って居た時。
3人で屋上で、世間話程度だが、平和に。
懐かしい。そんな気がした。
あぁ、日付の感覚がない。
1日って、こんな長いのか?
やっぱり、もう、昨日じゃないのか?
分からなくなっていた。
でも、時が経つ度、爆発の音は小さくなっていた、気がする。
そして、静かな一時が訪れた。
外はわっ、と盛り上がっている。
泣き声がする、歓声がする。
何があったんだ、と皆、見に行った。
人混みに紛れて、外へと歩く。
相手国と握手をする、総理が見えた。
まさか。終わったのか?と思いつつ、不安が募って行った。
人混みは徐々に、散っていった。
それぞれの想い人へと向かっていったのだろう。
いない、いない。
立ち尽くす僕に、ゆっくりと、疲れ切った様子で歩いて来た人が居た。
戦争は終わった。
俺らは、無事とは言わないが、なんとか生きていた。
戦争が始まってから終わるまで、3ヶ月だったそうだ。
そして、人が溢れ出す。
だが、アイツの姿が無い。
捜した。そう、女子高生とは思えないほどしっかりしていて、少し背の高いアイツを。
立ち尽くしていた。
理由は分からなかった。だが、そんな事より、俺らは元気の無い、アイツを安心させに行く。
あぁ。
居た。居たんだ。
不安も、恐怖も。全てを、消し去っていく。
まるで、霧を払うように。
怖かったっ……。
ぽつり、呟いた。意思ではなく、思わず。
2人は頭を、優しく、冷え切った手で、撫でてくれた。
空が青い。いや、始めから青かった。
ただ、そこに、太陽が足りなかっただけだった。
また、入り込む。疲れ切った2人は早く、休みたいであろうから。
倒れ込むように座って。立っているのも、辛かったんだ。
「約束」……果たせたな。
…そうっすね!
また、3人で揃って。あぁ、良かった。
なんだか、目が熱くなる。
なんだか、目から雫が零れ落ちる。
あはは、泣いているんだ。
当たり前か、と思った。
2人は互いに寄り添い、寝ていた。
借りてきた毛布を、起こさぬように、そっと──
「約束」 ハッピーエンド 終
次はバッドエンドです。