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柘榴とAI

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国大好きマン
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深玻離は振り返った。
「あなた、Bの35番目に座ってた男の子ね。三浦龍之介の弟かしら」深玻離は言った。
鈴之助はドキッとする。どうして、と口にしようとして諦めた。
「驚いた?一度聞いた話は忘れないのよ。幼児期健忘って聞いたことある?」深玻離は笑った。
七歳児とは思えなかった。当時の自分よりも年下なのに。
鈴之助は首を横に振った。
「人間っていうのは、生まれてから今までの中でたくさんの記憶を忘れていく。昨日の晩御飯は覚えてる?」深玻離は聞いた。
「鯵の塩漬け。。。」鈴之助は答えた。掠れ切れた声は恐怖にも感じられた。
「それじゃあ先週の金曜日の夜ご飯は?」深玻離は続けた。
鈴之助は一時考え、悩み続けた。
「ふふ、覚えていないでしょう。人間は知らないうちに記憶をなくしていくの。でもそれが稀に発生しない人間がいる。私はその数少ない人間の一人。でもそれより特殊なの。でもこれ以上は話せないわ」深玻離は背を向けて歩き出そうとした。
「一つだけ!聞きたいことがあるの、、、」鈴之助は振り絞った声で深玻離に聞いた。
「どうして、あんな演技をしていたの?あのスケートは今まで僕が見てきた誰よりもすごかった。きっと、お兄ちゃんの出す得点をも上回ってるほどに。だけど、、だけど!深玻離さんの演技には何か違うところがあった。ノービスCの割にジャンプの回転が多かったわけじゃない。百点以上の得点を出したわけじゃない。でも、あなたの演技に変なものが混じってた!あれは、何?」鈴之助は聞いた。
深玻離は黙り、再び笑う。
「いい目を持っているわね。悪いけどその質問には答えられない。もしまた出会うことがあれば、その時に話してあげる」深玻離はそう言って去っていった。
もしまた出会うことがあれば、これからもきっと大会に出るんだろうし、その時に会場に行って会えばいいと思っていた。ただ、深玻離の言っていた次にまた会えたら、というのは当時の鈴之助の思っていたほど浅はかな言葉ではなかった。
現在
「深玻離瀬奈が出場したノービスCは一度きり、そのあとは年齢の追加でノービスBに行ってるはずだけど、」咲苗はスマホをスワイプして鈴之助を見た。
スマホには一件の記事が写っていた。
それは、深玻離の行方不明のニュースだった。
「そう。あの後すぐに、行方をくらませたんだ。親にも、コーチにも、忽然といなくなったと」鈴之助は話したが、彼の瞳にはまだ隠していることがあった。
「その後には深玻離家に事件が発生。瀬奈の部屋に何者かが侵入し彼女のお気に入りのぬいぐるみを持ち去られた事件。使用人が一人行方不明になった事件。そして、、、」まつりは咲苗のスマホに映る記事をよみげていて、口が止まった。
「深玻離の両親が殺害された事件、、、これらの三つの事件は深玻離瀬奈の犯行とみられ行方を追っているが、いまだに見つかっていないと、、、せっかくの才能を無駄にしちまってる感じだな」真央が終えた。
「その件について調べたことがあるの。」咲苗はあるメモファイルを取り出した。
「深玻離瀬奈の両親が殺害された三日後、警察の調査本部にこんなメッセージが届いたそうなの。『両親の殺害については詫びる。だが、法は私を捌けない』って。おかしいわよね。殺人を犯したのが深玻離瀬奈っていうのはわかっているのに、、、証拠が見つかってない。しかも不思議な話。実はその海を超えたオーストラリアで、深玻離瀬奈が生活していたと思われる隠れ家が発見された。日本警察がそこへ行った時、そこには生活痕の残った目玉があったそうなの。DNAを照合して、深玻離瀬奈のものだって」咲苗はため息をついた。
「つまり、深玻離瀬奈が目玉をオーストラリアでくり抜いた時間と、日本で両親が殺害された時間が重なるから、深玻離瀬奈に反抗は不可能、それに犯行に使用されたと思われるのナイフから深玻離瀬奈の指紋は検出されていない、、、といったところか?」真央は予測した。
咲苗は頷く。
「手袋をした可能性もあるけれど、深玻離家の屋敷ないで発見された血のついた手袋に、彼女の指紋はなかったって、、、それどころか、誰の指紋も」
「今の記憶を思い出してはっきりしたよ。咲苗は深玻離瀬奈じゃない。全くの別人だよ。だって、僕があの時みた深玻離の雰囲気というか、面影というか、何から何まで違う!双子そっくりの別人って!」鈴之助は断言した。
「ありがとう。殺人の冤罪に問われるのはごめんだわ。」咲苗は笑った。
「というか私ら修学旅行でとんでもない話してない?もう眠たいんだけど。明日も早いし。」まつりは大きくあくびをした。
「そうだね。私らはここらで部屋に戻るよ。」咲苗も頷いた。
「ねむねむ〜」まつりは寝ぼけてぐうたら寝ていた。
隣の布団でイビキをかくまつりを見て、咲苗はほっとして寝返りを打った。
「初恋、ねぇ。」咲苗は微笑む。
ー自分が好きだと言われたら、どう答えたらいいのだろう?
そう思いながら咲苗は眠りについた。
コメント
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おお、第11話か!深玻離の過去がどんどん明らかになってきてめっちゃ面白かったわ。七歳で「幼児期健忘」なんて概念を知ってる時点でもう規格外だし、「法は私を捌けない」のメッセージ、鳥肌立ったよ…。オーストラリアの目玉と日本の殺人、時間が重なってるって完全にトリックじゃん!しかも鈴之助が「咲苗は別人だ」って断言するシーン、熱かった。最後の「初恋ねぇ」で締めるのも、ドキドキするな。続きが気になりすぎる🔥