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こりん
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suzu🎲⭐️🎼⏳🪽🎺
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わあ……第33話、読み終えました。 検査薬の前で震える手、陽性の文字を見た瞬間の「真っ白になる」感覚——すごくリアルで、胸がぎゅっとなりました。エコー写真の小さな影に「こんにちは」って話しかけるラスト、涙がこぼれました。いるまには言えないまま、ひとりでこの命を抱えていく覚悟……その強さと寂しさが、ひしひしと伝わってきます。こさめの心の動きが繊細で、引き込まれました。
✦ ─────── ✦
部屋は静かだった。
時計の秒針だけが響く。
机の上。
昨日買った妊娠検査薬が置かれていた。
🩵「……」
昨夜は結局。
怖くて使えなかった。
もし違っていたら。
安心できる。
もし当たっていたら。
全部が変わってしまう。
その一歩を踏み出す勇気が出なかった。
◌ ───── ◌
朝。
深く息を吸う。
🩵「……よし」
震える手で箱を開けた。
説明書を何度も読む。
何度も。
何度も。
間違えないように。
慎重に。
検査を終える。
あとは待つだけ。
たった数分。
それなのに。
何時間にも感じた。
🩵(お願い)
🩵(違って)
🩵(お願い……)
目を閉じる。
時間が経つのを待った。
そして。
恐る恐る判定窓を見る。
🩵「……っ」
線が。
二本。
頭の中が真っ白になる。
🩵「うそ……」
何度瞬きをしても。
結果は変わらなかった。
陽性。
🩵「そんな……」
その場に座り込む。
足に力が入らない。
涙だけが静かに零れ落ちた。
◌ ───── ◌
翌日。
産婦人科。
待合室には何人もの妊婦さんがいた。
幸せそうに笑う夫婦。
母子手帳を眺める女性。
その中で。
こさめだけが俯いていた。
🩵(帰りたい……)
何度も思う。
でも。
帰ることはできなかった。
名前が呼ばれる。
診察室へ入る。
◌ ───── ◌
診察を終え。
先生が画面を見ながら口を開く。
「妊娠されています。」
「週数から考えると、およそ五週ですね。」
🩵「……」
言葉が出ない。
先生は穏やかに続ける。
「こちらが赤ちゃんです。」
画面を向けられる。
小さな黒い影。
まだ。
本当に小さな命。
それでも。
確かにそこにいた。
🩵「……」
涙が溢れる。
嬉しいのか。
怖いのか。
分からない。
ただ。
その小さな命から。
目が離せなかった。
◌ ───── ◌
病院を出る。
空は青かった。
昨日までと同じ景色。
なのに。
世界だけが変わって見えた。
バッグの中には。
診察結果。
そして。
次回の予約票。
🩵「……」
ゆっくりと。
自分のお腹に手を当てる。
まだ何も変わっていない。
膨らんでもいない。
動きもしない。
だけど。
ここにいる。
小さな命が。
確かに。
◌ ───── ◌
帰り道。
スマホが震えた。
💜『今日ゲームする?』
その文字を見た瞬間。
涙が滲んだ。
🩵「……」
返信画面を開く。
いつものように。
🩵『する〜!』
送ろうとして。
指が止まる。
この子のお父さん。
その事実を。
いるまは知らない。
何も知らない。
🩵(言えないよ……)
責任感が強い人だから。
知ったらきっと。
自分を選ぶ。
でも。
それは違う。
🩵(責任じゃなくて)
🩵(好きで隣にいてほしい)
その願いだけは。
どうしても譲れなかった。
震える指で。
🩵『今日はごめんね〜!ちょっと用事あるからまた今度!』
送信。
すぐに返事が返ってくる。
💜『了解』
たった二文字。
その短さが。
少しだけ寂しかった。
◌ ───── ◌
夜。
ベッドに座る。
病院でもらったエコー写真を取り出す。
小さな黒い影。
まだ何も分からない。
それでも。
🩵「……こんにちは」
自然と言葉が零れた。
🩵「びっくりしたよね〜」
🩵「こさもびっくりした」
涙が写真に落ちる。
🩵「でもね」
🩵「ちゃんと考えるから」
🩵「少しだけ待っててね」
小さな命へ。
初めて話しかけた夜だった。
✦
あの日の一夜は。
終わっていなかった。
新しい命となって。
静かに生き始めていた。
✦