「聖女が生贄となって初めて、女神の加護を受ける――そんな儀式に対して、疑問を持ったことはないのですか?」
ヨシュカの問いに、ヴェヒターはすかさず答えた。
「女神の加護の恩恵は、特別な奇跡だ。何の犠牲もなく、その恩恵を受けるなどありえん。そんな当然のことを、お前は忘れたのか」
少しの迷いもなく言い切るヴェヒター。
「恩恵がなければ、もっと多くの犠牲が出る。多くを守るために、聖女の犠牲で済むなら安いものだ」
「その犠牲が、ヴェヒター様自身であってもそう言い切れるのですか?」
「当然だ。神に仕える者として当然の心構えだろう」
――実際にその立場になっていないなら、なんとでも言える。
ヨシュカとヴェヒターの会話を聞きながら、ヴァレナは無意識に奥歯を噛み締め*******************
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