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#タヨキミ

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#タヨキミ

20 - 第20話 悪い子

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2024年03月16日

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こんにちはあああああああ!!!!

まつりです。

早くタヨキミを完結させたい、その一心で息をしている今日この頃ですが、最近まつりさんは大変落ち込んでいます。

理由は、ハルイヌが見れてないことです。描いたりはもちしているのですが、やはり本編が不穏すぎて落ち着きません。ハルカさんんああああああああああ!!!!

帰るまでが遠足、投稿するまでがイラスト。ハルイヌ絵を投稿したい気持ちも山々ですが、本編がこんな荒れているときに投稿するのもどうかと思う。。

ただ嬉しいことに、きみいすとにはハルイヌ信者が多いみたい。まあてぇてぇですよね、甘えん坊イヌイの破壊力高いし。



本当に、病んでるときに見ないでください。

あと、なんというか、下品(?)な話題が入ってます。純粋さん気を付けて(察してくれ)


いってらっしゃ~!










ほんの、数十分前。


いつもよりベッドが冷たく感じて、ヒトネは目をさました。

「ん………あれ、トオン………?」

いつも隣にいる、トオンがいない。

(え……)

寝ぼけが完全に消え、背中に変な汗が流れる。

「トオン、トオン~?」

風呂場にもトイレにも、気配はない。

焦った。どうして、どこに行ったのだろう。


ヒトネは昼間、ルナに言われたことを思い出した。

───トオンは、今お前が「ない」っつったお前の未来のために頑張ってんだ

嫌な想像が、頭に過る。


トオンが何を考えているのかなんて、簡単にわかる。

悲しいとき、嬉しいとき、全部表情が違うんだ。

そしてトオンは、少し極端なところがある。少し欲しいと言ったら1、これでは少ないと言ったら100を持ってくる感じだ。

だからきっとトオンは、タヨキミを潰しに行く。

一気に殺るために、奴らの巣まで。わざわざ、ヒトネのために。


それでもトオンは、ヒトネが行くことを望んでないだろう。

(僕は、どうするべきなんだろ)

迷っていると突然、部屋のドアが開いた。


「……おい。トオンいるか?」


ルナだ。ヒトネは首を横に振ると、ルナに訊く。

「トオン、どこ行ったの……?」

「あぁ、タヨキミのアジトだ。まさかとは思ったが、本当に行ってたなんてなぁ」

「ねえ。僕、どうすればいいだろ」

ヒトネは困り果てた様子で、ルナに近付いた。今にでもルナに飛び付いて号泣したい気持ちを抑えて、ヒトネは苦笑する。

そんなヒトネに、ルナはため息をついた。

「お前の好きにしろ。まあ、兄としちゃあ、大事な弟を危険に巻き込みたくないわな。トオンの意思を拾うか、安全を拾うかだろ」

「………その言い方。ルナ、弟でもいたの?やけにお兄ちゃんっぽいっていうか、母親っぽいっていうか」

「どうだろな。面倒見もそんなに良くねえよ、ぶっちゃけお前なんかどうでもいいわ」

無愛想につっぱねるルナ。

ヒトネは少し間を置いてから、笑う。

「………ありがとう。僕、行ってくるね」

着替え始めるヒトネに、ルナは苦笑しながら、言った。


「馬鹿。ありがとうは、笑って言えよ」

「ん?僕は笑ってるよ、老眼かな?」


首をかしげるヒトネを、ルナは「はいはい」と適当に流す。

部屋に戻っていくルナを見て、ヒトネの心臓は、バクバクと嫌な音を鳴らせていた。









僕は、”悪い子”だ。


僕は、弱い。だから、ご飯は不味い。

でも、美味しいかもって思ったら、美味しくなる。

そうだ、ご飯は正しい。間違っているのは、これを不味いと思ってしまった、僕のほうだ。


僕は、醜い。だから、服が破けていて、少し寒い。

でも、温かいかもって思ったら、温かくなる。

そうだ、服は正しい。間違っているのは、これを着て寒いと思ってしまった、僕のほうだ。


僕は、気持ち悪い。だから、みんな僕を虐める。

でも、みんなが楽しいなら、僕も楽しい。

そうだ、みんなは正しい。間違っているのは、苦しいと思ってしまった、僕のほうだ。


僕は僕のやりたいように過ごしている。でもみんなは僕が嫌いみたいで、僕に暴力を振るう。

痛い。でもどうやら、僕に暴力を振るのは楽しいみたい。

みんなのこころは、幸せな色に包まれているのが見えた。

痛いって思ってるのは僕だけで、他のみんなは楽しい。じゃあ僕が楽しくなったら、みんな楽しい。

じゃあ、楽しいね。僕って幸せだ。

人間って、楽しかったら、笑うんでしょう?お母さんが、そう言ってたもの。

笑うときは口角をあげて、目を細めて、何より嬉しそうに。

「みんな、楽しいね!」


そんな僕を、兄は心配した。

兄さんのこころは、幸せじゃない色だった。

兄さんが幸せじゃないのは、心配をしてるから………

あれれ。これ、僕のせいじゃん。

ごめんなさい、兄さん。僕が産まれたせいで、兄さんは不幸なんだ。

兄さんには、素晴らしい才能がある。僕、それを潰してるんだ………

それでも兄さんが僕に構ってくれる理由は、なんだろう。

もし好意なら、兄さんのために避けるのも、兄さんは悲しいかな。

僕は、どうすればいいんだろう。

やっぱ、消えるのが一番なのかな。


そんなことを考えていると、ある日、友達に言われた。

「ヒトネくん、虐められて笑うのやめてくれない?気持ち悪い、トオン様に近付くな」

僕は、困った。どうすれば良いの?


あ、わかった。

みんな、僕が苦しんでるところを見たいんだ。

そうだ、そうに違いない。

もっと早く言ってくれたら良かったのに。僕に黙ってちゃあ、伝わらないのになぁ。

「わかった、もう笑わないね。アドバイスありがとう」

僕はその日から、みんなの前で笑うのをやめた。


笑顔の反対は、なんだろう。泣き顔かなぁ。

じゃあ虐められたら、泣けばいいのか。

ためしにやってみた。

痛い、苦しい、泣きたい………本当はみんなが楽しそうで嬉しかったけど、笑うのは我慢して、頑張って涙を流そうとした。

あ、涙出てきた。僕、泣いてるんだ。

そしたらみんなは、僕が笑ってる時より楽しそう。


あはは、楽しいね。みんな楽しい、僕も楽しい!

そう思えば思うほど、僕の涙は止まらなかった。


でも、それから、僕の体はおかしくなった。

今まで美味しかったはずのご飯を急に不味いと感じるようになり、その度に、すごく悲しくなる。

埋まらないような、虚しい気持ちになるんだ。そしてなぜか涙が出てきて、僕は泣いてしまう。

今まで、泣くのも楽しかったのに。最近は、全然楽しくない。

みんなと遊ぶのも楽しくなくなって、学校が嫌いになって。

家も学校もやだ。どこにいればいいのかわからない。


でも、これが、みんなが望んだことだとしたら。

みんな僕のことが嫌いで、僕のせいで不幸なら。

これもこれで、良いと思えた。



僕はこの世の誰よりもいちばん、兄さんが大好きだった。

クラスメイトといても、やっぱり楽しくない。兄さんがいなきゃ。

今日は兄さんが、僕の部屋まで来てくれるって。嬉しい。


兄さんは美人で、可愛くて、天才で、何でもできる。

僕はそんな兄さんに、心配をかけているんだ。

いっそのこと、兄さんに言おうかな。学校に行きたくないって。

いや、だめだよね。お母さんにも言われた、兄さんに迷惑だけはかけるなって。


そう思うと、なぜか、涙が出てきた。

なにが悲しいのか、全然わからない。ただ少しだけ寂しくて、兄さんに甘えたかっただけかも。

驚く兄さんの顔を見てると、僕の口から、自然に言葉が出てきた。

「兄さん、僕………学校、いやだ。行きたくない」



兄さんは僕の手を掴んで、窓から家出した。

ご飯は美味しいし、誰にも殴られない。

何よりトオンと、ずっといっしょにいれた。


ある日、犯罪組織に入らされた。

組織は苦手だ………学校を思い出すし、仲良くできるかどうか不安だし。

幸い、トオンとずっといっしょにいたお陰で、前のような思考はほぼなくなっていた。

──ヒトネに苦しいことをするほうが悪い、ヒトネは悪くない。だから苦しかったら、俺に言え。

トオンがそう言ってくれて、僕は周りに合わせるのをやめたつもりでいた。

もちろん、根っから変わっているわけではない。ただ一番最初に、他人を疑うことにしたのだ。

これでいいのか。このまま僕はねじ曲がるんじゃって、すごく不安。

そして僕は、年上が嫌いだった。

年上の人って、相手が年下だってだけで上から目線なんだもの。トオン以外、ぜったいむり。

そもそも人とまともに話せない。まあでも犯罪組織っていうだけあるし、周りの子も同じ……?

じゃあ、大丈夫かな。


僕は嫌われたくなかったから、取り敢えず猫をかぶることにした。

「いつか、俺たちが笑って暮らせるようになった時のために。殺人だけはするなよ、ヒトネ」

トオンは僕にそう言って、ずっとそばにいてくれた。

以前から金品を盗んで生活していたこともあり、僕らはコソドロ的な役割。金を盗むってより、物を盗んだ。所謂、万引きってやつだ。

金はイヌイとルナが、殺人したり、身体を売ったりして稼いでるらしい。多様性の時代だけど、金を払ってまで男を抱きたい、抱かれたいだなんて、変わった奴もいるんだ。

しかも二人は未成年だから、手を出した方が捕まる。馬鹿だなぁ。

僕らにそんな芸はできない、キモいし。興味ない。


そんなこんなで、気付いたらNo.6になっていた。

ボスにあげてもらった日、ソラに自慢しに行った。

ソラのことは嫌い。社会不適合者のくせに、トオンがいなくちゃ何もできない僕のことを馬鹿にする。

ソラは一瞬憎たらしそうな顔をしたけど、そのあと、ふっと微笑んだ。

「おめでとう」

思ってなかったことを言われて、僕は驚いた。なんだよ。少し照れた。


ムニカのことは、正直、だいぶ落ち込んだ。

自殺か………勇気があるなと、率直に思った。

僕にはできない。痛いの嫌だし、トオンと離れたくないし。

ムニカ、言ってた。

「必要とされるために入ったけど、都合の良いように使われただけ」って。

必要とされなくたって、自殺までするかなぁ。

まあ、僕はトオンに必要とされてるから、気持ちがわからないけど。

ただ、ムニカが僕のこと嫌いだってのは、嫌と言うほど伝わってきた。

なんか気に食わないこと、したかなぁ………



僕は今、何も辛くない。でもなんか、消えたい。

トオンを悲しませたくない。だから、存在ごと消えたいと思う。

僕が生まれてこなかったら、トオンはもっと、まともな人生を送れてたのかな。

そもそも、能力がなければ………僕らが普通の人間として生まれてきていたら、こんな事には、ならなかったのかな。


キビアイって本当、ゴミみたいな組織だ。

まだまだわからないことがいっぱいで、成長途中の若者を、いとも簡単に危険に巻き込んで。

薬に侵された人は死ぬまで苦しむことになるだろうし、身体を売ったら汚れてしまうし。

上の人間の言うことは絶対だし、それで殺された人は報われない。

大人は、なにをしてるんだろう。なんで18歳の少年が仕切っている犯罪組織を、未成年に救わせるんだろう。

大人には権力があって、やめろって拘束すれば、みんなやめるのに。

どんな事情があろうと、犯罪なんて許されない。

警察はなんのために存在してるのか。

僕らの気持ちなんて、どうでも良いんだろ。

子供の視点で~とか、ちゃんと救うとか。言い訳じゃん、面倒くさいだけでしょ。

僕らは、社会のゴミ。構ってる時間がないだけ。

本当に馬鹿みたい。僕たち、何の為に苦しんでるんだろう。

汚いなぁ、大人って。結局自分が可愛いんだ。


タヨキミもタヨキミだ。すごく、中途半端。

他人の言葉で人が救える訳がない。今更普通に生活して、僕に何が残るの?

僕らの気持ちも考えずに正義面して、楽しいのか。



──タヨキミが存在してなければ、ムニカは死ななかったのにな。









「カナタ先輩!!」

リオの大声に、カナタに夢中だったハルカが振り向く。

「あーね、カナタの後輩さん? コイツに騙されて大変だね~、可哀想に」

「騙されて………?カナタ先輩が、僕をですか?馬鹿ですね、そんな訳ないでしょう」

強気にハルカを見つめるリオ。

立ち上がろうとしたハルカの袖を、寝そべったままのカナタが掴んだ。


「リオに手、出すなよ………このクソ兄貴が!」


その言葉に、周りのメンバーは思考が止まる。


「あ、兄貴?クローンじゃなくて、兄弟………!?」


ソーユが困惑した表情で訊くと、カナタは「は?」と訊き返す。

「クローンってなんだよ。こんなちんちくりんが、カナタのクローンな訳なくない?ハルカは、カナタの双子の兄だよ」

「はああああああ!?」

みんなが騒ぐなか、ハルカは不機嫌そうに眉間にしわを寄せた。


「カナタと双子なんて、恥ずかしくて言えないじゃん。カナタっていうただの馬鹿からハルカみたいな完璧人間が生まれたってことにして話したら、おたくの透明人間が信じただけだよ。もしかして信じてたの?馬鹿すぎでしょ………でもハルカがカナタを殺すためにキビアイに入ったていうのは本当だから」


ハルカは飽きたのか、「あーあ」とつまらなそうに立ち上がる。

「アホらしい、ハルカ帰る~。双子は役に立たなかったから、イヌイだって自分で探すも~ん」

「おい、待てよ」

ハルカはカナタの言葉を無視し、半壊したドアから出ようとした。

そんなハルカの背中に、カナタは力いっぱい叫ぶ。


「絶対、救ってやるから!待ってろよクソ兄貴ーー!!」


「うるさいよ、さっさと死ね!!」


それだけ言って、ハルカは姿を消した。

「さて………あとは、双子だな」

カナタはにやりと笑うと、双子に近づく。

「えっ……あ、ごめんなさ………っ」

怯えながら後退りするヒトネの元に、セツナが駆け寄った。


「ヒトネくん!!」

「うわっ、セツナちゃん?」


セツナはヒトネに抱きつくと、涙目になりながら喜ぶ。

「やったぁ、やっと救えたよ!!」

アキトもヒトネに近寄り、トオンを、ヒトネの目の前にそっとおろす。

「トオン………」

「ヒトネ、ごめん」

正面から抱きつくトオン。ヒトネはトオンの肩に顔を埋めて、小さな声で呟いた。

「…………こちらこそ、ごめんなさい」


感動の再開に、聞き覚えのある叫び声が、場の空気を割いた。


「二人ともおおおおお!!大丈夫やった!?」


ギャンギャンと泣きながら松葉杖をついているのは、ツキミ。

ツキミを見て、二人は頭を下げる。

「「……骨を折ってしまって、ごめんなさい………」」

「ええんよええんよ!痛くも痒くもないけん、気にせんといて………それより良かったなぁ、よし、明日の夜に、オレの奢りで焼き肉行こか!そういえば二人とも、苗字はなんて言うん~?」

「ふ、[伏見トオン]と[伏見ヒトネ]って言います………」

骨折しても元気なツキミに、二人は少々引く。

「焼き肉、マジ!?」

「「「「お前じゃねえよ!!」」」」

みんなから総ツッコミを受け、カナタは「なんでだよ!!」と叫んだ。








続く











素晴らしい、、、救われてくれてありがとうよおおお!!

双子回が終わり、タヨキミも終盤に近づいてきましたね、、、


ヒトネ悲しすぎんか。ムニカちゃんにかけた言葉の裏には、こんな過去が、、(?)

ここは一応、妹と能力で比較され貶されたムニカと、兄と能力で比較されたけど、それでも兄を愛し続けたヒトネで対比になってます。なんやかんや、この対比がいちばん好きかも。

ヒトネは悪くないんだよ。周りが悪いんだよ。

救われて本当に良かった定期。幸せになれ定期。


伏見って苗字可愛いよね、、まいまみーによると、京都にそんな地名があるらしい。


ルナさんがイケメソですね。さすがです。

でもどうしてルナさんが、トオンくんがタヨキミに行ったって知ってるのカナ~??(すっとぼけ)


ハルカはカナタの、双子の兄ちゃんでした。

みんな伏見のこと「双子」って呼ぶけど、ここにも双子が。困りましたね(?)

ハルカもカナタも双子を嫌ってるんですけど、それは自分達も双子だったからなのか。。

ハルカがトオンに対して当たりが強かったのは、同じ「双子の兄」って立場にありながら~みたいなことだったら良きですね。前にトオンに向けて言ってた「プライドなんてとっくに捨てた」って言葉も気になるます、考察任せた(放棄)


言いたいことはこれくらいかな。

回が終わったので、更新は二週間後ですかね。まあ例の禁断症状が出て、早めになるとは思います。

じゃあね~!!













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