コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
小説は旧端末、どうもまつりです!!
今file、iPadみたいなやつ、スマホの3台持ってんですね。
原神とアイビスとLINEがスマホ、プロセカとヒプマイとpixivメディバンがiPadみたいなやつ、小説はfileでやってます。
アトストは3台で同時に、tiktokとようつべはiPadみたいなやつとスマホで。めんどくさ。。
まつりさんの端末事情なんかどうでも良いねごめん。
行ってらっしゃい!!!
空気が、ふわふわしている。
「わぁ、広い………」
感心しながら椅子に座ると、頭からお湯がびしゃっと降ってきた。
「わっ」
「え、熱かった?」
「あ。いえ、大丈夫です」
そう言ってヒトネは、背後にいるソーユを見上げる。
爽やかな顔で、優しそうだ。身長はほぼ同じなはずなのに、そこに立つソーユは、随分とお兄さんに見える。
「……目、瞑りな。入ったら痛いよ~」
ソーユはシャンプーを手にとって、ヒトネの頭をガシガシし始めた。
「キビアイでは、お風呂には入れてた?」
「一応………石鹸はなくて、お湯も出なかったですけど」
「わーお、僕なら三日で死ぬなあ」
苦笑するヒトネに、ソーユは微笑んだ。
「………ヒトネくん。傷つけちゃうかもだけど、聞いてくれる?」
「はい………?」
ソーユはヒトネの頭を流すと、浴場まで手を繋いで歩いていく。
「ヒトネくんは今まで、キビアイにいたでしょう。ぼくらは敵だった訳だけど、ほら、ぼくらはヒトネくんを救いたかったんだよね。だからぼくらはヒトネくんを裏切ったりしないし、ヒトネくんが笑えるようになるまで、ずっと隣で、みんなで支える。だからさ、その………困ったこととか嫌なこととか、メンバーに止めてほしいことがあったら、遠慮せず言ってね。悩みだって聞くし……仲間だから……」
少し気まずそうに、ソーユは言葉を切った。
「………じゃあ、相談していいですか」
ソーユが「もちろんだよ」と頷くと、ヒトネは話し始めた。
「トオン以外の人とまともに喋ったことないから、上手く話せないかもだけど………僕は、両親とクラスメイトから虐められてて。能力者専用の学校だったんですけど、僕を虐めているとき、クラスメイトのみんなが楽しそうだった……っていうかこころが楽しいって色だったので、それならいいやって、自分を無理やり納得させちゃったんです。楽しかったら笑うって母が言っていたので適当に笑ったら、なんか楽しいような気がしました。そしたら今度は「キモいから笑うな」って言われて、楽しいのを我慢して頑張って泣いたら、楽しくなくなっちゃったんです」
ヒトネは、ソーユの手を握る力を強める。
「それから僕、自分が楽しいのか悲しいのか、わからなくなっちゃって。楽しい気もするし、悲しい気もするんです。ただ、笑うにしても泣くにしても、最初は偽りから始まってて。じゃあどっちも偽物な気がして、そもそも楽しいのか疑ってる時点でそれは楽しいって言えるのか、もう何もわからなくて………ごめんなさい、意味不明ですよね」
ヒトネは我に帰ったのか、顔を赤くしながら謝る。
「…………ねえヒトネくん、答えたくなかったら答えなくていいんだけど。トオンくんとヒトネくんの能力、教えてくれる?」
「兄の能力は”未来予知”、僕の能力は”心情透視”です。といっても、僕は心が読める訳じゃなくて、感情が読めるだけで……中途半端で不便です」
ソーユは納得した。先ほどヒトネが言っていた「楽しい色」というのは、本人の能力で、感情を可視化したのもだったんだ。
「………ぼくは、感情移入が苦手でね。いい加減な分析とちっぽけな助言しかできないけど、聞く?」
「はい」
「えっと………ヒトネくんは多分、人と話すとき、常に能力を使ってると思うんだ。無意識でも、一定の能力者に現れる現象で、ぼちぼち問題になってるんだ。治す必要はないけど、精神的な面では治さないと厳しそうだから………人と話すとき、何も考えないように練習するっていうのが一番じゃないかな」
ヒトネは、ソーユの顔を見た。ソーユは続ける。
「あとは自分の感情がわかんない、か………これに関しては、別に変なことでもないと思う。ヒトネくんは小さい頃から、感情が目に見えてたから、難しいかもだけど………人の感情って、そんな極端じゃないっていうか。でも、ぼくの持論だけど、誰しも本当の気持ちっていうのは持ってるんだよね。ヒトネくんにとっては、自分が何を思ってるのかがわからないっていうのが、本当の気持ちなんじゃない?自分が楽しいこと、悲しいこと、今はまだわからないかもだけど、それはこれから探していけばいいし。タヨキミでできないことはないから、遊園地でも世界遺産でも、ヒトネくんがグッとくるもの、いっしょに探そうよ。ぼくたちだけじゃない、トオンくんだってセツナちゃんだっている」
「暑くなってきたし、あがる?」と立ち上がったソーユに、ヒトネは小さく頷く。
二人は手を繋いだまま、何も話さずに浴場を出た。
「あの………ありがとう、ございます」
更衣室。ドライヤーをしてくれているソーユに、ヒトネは礼を言う。
「ううん、いいのいいの。逆になんか、上から目線でごめんね。少しだけ長く生きてるだけなのに、わかったような口きいてさ」
「いえ。僕、年上の人があまり得意じゃないんですけど………ソーユさんのことは、好きです」
にっこり笑うヒトネに、ソーユも笑った。
「………タヨキミのみんなも、同じような感じだから。あの元気いっぱいなツキミさんでさえ、過去に辛いこととか悲しいこととか、色々あったからね」
「ツキミさんの過去を、ご存知なんですか?」
「あぁ、幼馴染みだからね。全部知ってる。ただ………」
ソーユは、いきなり真顔になる。そして低い声で、怒ってるように呟いた。
「ぼくには………何が辛いのか、全然理解できないけど」
鏡から見えたソーユの表情に、ヒトネはビクッとする。
すごい怒ってる……ように見える。ヒトネはソーユの感情を読もうとしたけれど、やめた。
「あーあ、双子まで………」
ベッドの上で、ユヅルは天井をあおぐ。
──正直、わかっていた。ルナの言った通りだった。
キビアイはユヅルを救うためにつくられた組織・タヨキミから、ユヅルを守るために結成された組織だ。
この組織の中で、ユヅルを守れない者・ユヅルに従えない者には、価値がない。
無論、タヨキミに救われるだなんて有り得ない。
「おいおいボス~、このままだと、キビアイが潰れちまうぞ」
1人、虚しい気持ちになっていると、隣からからかうような声が聞こえた。
「ルナ、起きてたの?」
「ボスが寝るまで、俺は寝ねえよ」
きゃっ、イケメン。少し頬を赤らめて、ユヅルは、ルナに抱きつく。
「…………ハルカも、ソラも、セイサも、シノも、みんな居なくなっちゃうかもしれない。でもルナだけは、絶対に居なくならないって、俺、信じてるから………大好きだよ」
「あぁ、知ってる」
微笑むユヅルに対して、ルナはなぜか、少し寂しそうな顔で答えた。
そんなルナを無視し、ユヅルは少し小さな声で、楽しそうに訊く。
「ねぇルナ、ルナって、好きな人いるの?」
「はぁ?」
予想外の質問に、ルナは思わず高い声をあげた。
「ほら、俺たちも一応、もう成人じゃない。俺だって彼女の1人や2人ほしいし、ちょっとエロいことだってしたいわけじゃん。そういうお年頃でしょ?」
「はっ、その見た目で彼女だぁ?笑わせてくれんな。ボスは一生チェリーボーイだよ、世の中ナメてんのか。せいぜい掘られてろ合法ロリ」
「なっ………男の子に向かって掘られてろとか、まったく、デリカシーの欠片もないんだから!知らないオッサンの前で、股開いて金稼ぎしてるような奴に言われたくないね!」
「はぁ、誰のためだと思ってんだ」
「オッサンのためでしょ?」
「ブチ殺すぞ」
ルナの言葉に、ユヅルはふっと吹き出す。
「このユヅル様に向かってブチ殺すとか言えるの、ルナだけだよ」
「あぁそうだな。てかいい加減寝させろ」
「はいはい、ごめんなさいねぇ。おやすみ」
黙ると、ルナはすぐに寝息をたて始める。
(いや、寝るの早っ!俺が寝るまで寝ないとか言ってたの誰だよ、トキメキ返せ………)
ルナの胸に顔を押し当てると、少しだけ心臓の音が聞こえた。
(………ちょっと、ドキドキしなくもないな)
同じベッドで、ぎゅーしあって。それってまるで、恋人みたいじゃないか。
(俺は………ルナにとっての、一番になりたい)
この感情は、なんと呼べばいいのか。恋ではないし、愛なのかもわからない。
それでもルナが好きな、そしてルナのことが好きな”あの子”が、とてつもなく憎い。
ルナのことをこの世で一番愛してるのは、この俺だ。なら、ルナが一番愛している人物も、俺でなくてはならない。
手に入るまで、俺はルナを、絶対に離さない。
翌朝。
平和なはずのタヨキミアジトのリビングに、制服を着たアキトが飛び込んできた。
「おいみんな、大変だ!」
「ふぇええ………おはよお、アキトぉ………」
「寝ぼけてる場合かよ!」
アキトは半分寝ているカナタの髪を引っ張り、大きな声で言う。
「ハルカいるだろ?アイツ、昨日の夜から、キビアイに戻ってないそうなんだ」
その言葉に、カナタはいきなり起き上がった。
「つまり………アジトを去ってから、ずっとどっかをフラついてるってこと?」
ソーユが訊き返す。するとトオンが、小さな声で呟いた。
「……イヌイを、探してるんじゃないか?」
それに対し、ヒトネも頷く。
「今キビアイに残ってるのは、ボスとルナと年長組、あとはシノだけだしね。もう誰も、自分の代わりにイヌイを探してくれない」
ヒトネの言葉に、タヨキミメンバーは気付いた。
「そっか。二人は『上層部』だったから、キビアイ内部の情報に詳しいんだ。しかも洗脳されてなかったから、記憶も全部ある………!」
「皆さんの戦力になれるなら、嬉しいです」
そう言って、ヒトネはにっこり笑った。
「ていうか………カナタ、ハルカの弟っていうのは本当なのか?」
「え、まだ信じてないの?本当だよ………アイツは我孫子ハルカ。血液型はO型、身長は177㎝、口癖は「面倒くさい」と「ずっといっしょ」。ハルカのことについてなら、カナタは大体知ってる………ただ」
「ただ?」
カナタは、一回黙った。そして、少し後ろめたそうに言う。
「アイツは………カナタが知ってる、ハルカじゃない。本当のハルカには、もっと、人を優しく包み込むような何かがある。アイツにはそれがない。元々性格は悪かったし顔も不細工だったけど、なんか、根本から曲がってるんだ」
「私はアイツ、相当な美人だと思うけどな」……病院から帰ってきたカエデが、あくび混じりに呟いた。
「つうか嘘だったんかよ、クローンの話。次会ったときには、仕返しとして骨でも折るか」
「やめてよ姐さん、怪我治りたてのくせに物騒な」
ソーユは苦笑すると、人差し指を立てる。
「つまり、カナちゃんが言いたいことは、「ハルカは洗脳されてる」ってことでしょ?」
「知らんけど、多分そうだと思う。それか、なんかをきっかけに相当歪んだか………そのイヌイって奴がどんなんかによる気がする」
すると、元キビアイの人たちが、次々と声をあげた。
「イヌイくんはね、ちっちゃくて可愛いの!いっしょに任務行ってくれたり、たまに優しいんだ」とセツナ。
「そうね、大分小さいよ。うちより小さいかな……怖いけど、ツンデレって感じだね」
「1つの質問をすれば、3つの悪口で返ってくる。人を貶す能しかない、生意気なクソガキだ」
「クソガキって………まぁ、概ね正しいかな。薬がないとキレ散らかして、椅子を投げたり」
「………ハルカの駒だ。ハルカには甘えるし忠実だが、他は見下している。少し頭が悪い」
トオンが言い終わったところで、アキトが苦笑する。
「これを本人が聞いたら、絶対に泣くな………」
「とにかく!当たり前だけどカナタは、ハルカを救うためにタヨキミに入った。アイツはクズだしブスだしキモいから大嫌いだけど、カナタの、大切な兄貴なんだ………お前ら、手ぇ貸せよ」
めずらしく大真面目な顔で言うカナタ。その表情からは、彼の決意のようなものが見てとれた。
「あぁ、もちろんだぜ。やってやんよ!」
みんなの気持ちを代弁して、カエデがニヤリと笑う。
「よし、探さないことには始まらないね。イヌイがなんで逃げたのかはわからないけど、きっと、そう遠くには行ってない。ハルカもそれをわかってるはず………みんなで、探しに行こ~!」
ソーユは元気よく、ドアから飛び出す。それに続きみんなも、ゾロゾロとアジトから出ていった。
…………痛い。苦しい。気持ち悪い。
足が痛い。頭もお腹も痛い。
あまりの苦しさに、涙と咳が止まらない。
吐き気もする。これで何回目だ、わからない。
ヤバい。オレ、死ぬのか………?
あの人に会いたい。会って、謝罪をしたい。
でも、拒否されるかもしれない。それが怖い。
「…………ハルカ、さん………ごめんなさい、ハルカさん」
薬が欲しい。あと、ハルカさんからの、愛がほしい。
「………おい、隠れンなよ。そこにいんの、わかってンぞ………!」
そんなオレに向かって、そいつは言った。
「………よお。久しぶりだなぁ、イヌイ。元気してるか?」
「要件を言え………生憎オレは、もう死にそうなもンでな。それとも……もう用無しのオレを処分しに来たのか、オイ」
イヌイの問いに、彼は、一呼吸置いてから答えた。
「……ハルカが、帰ってきてねぇんだ。お前を求めて、一晩中探し回ってるらしい」
「そうか………じゃあ、ハルカさんに、言っといてくれ。役立たずでごめんなさい、って」
「意味わかんねぇな。日本語でも学び直……」
「なあ、ルナ」
イヌイは、彼……ルナの言葉を遮り、いつもより元気のない眼で、ルナを見つめる。
そして笑うと、意味深に言い放った。
「お前………神様って、信じるか?」
続く
ソーユって、黙ってれば爽やか美少年なんだよね。。
双子ちゃんの能力が開きました。トオンくん、まさか未来予知できるとは。
もしかしてだけど、トオンがくんがわざわざタヨキミアジトまで乗り込んだのは、こうすればヒトネは救われるってわかってたからなのかも知れないですね。いい兄貴だぜ。
あとヒトネくん、年上相手に悩み相談できてるとこ、成長を感じますね。良かった。。
ソーユとツキミ、ここを公式ペア名で「どうふ組」と言います。テストに出るんで覚えておいてください。
どうふ組はタヨキミの不仲代表だけど、なんかわちゃわちゃしてるだけとかツンデレなだけとかではなく、心の底からまじで嫌ってる感が今回のソーユくんから溢れ出てましたね。
お前ら幼馴染みだろ、マジなにがあったんだ、、、、
ユヅル様てぇてぇかよ。ルナのことが好きなのね、恋する乙女じゃないの!!((((
キビアイ結成のお話が少し出てきたが、ややこいよな。
ユヅルを救うため、タヨキミを結成→ユヅルをタヨキミから守るため、キビアイを結成→キビアイに引き込まれた人間の友達・親族等が、タヨキミに入団 とまあこんな感じですね。
じゃあすべてはユヅルから始まっているのか。ユヅル、お前何したんだよ。
しかもタヨキミとキビアイって、制服がいっしょなんですよね。
本当に何があった。。
ルナってNo.5のくせに、一番ユヅル様と距離近いよなあ。タメ口だし、なんか高校の同級生感覚だよな。
イヌイより先輩だけどイヌイの部下ってことは、あんまり地位にこだわりがないだけかも。誰の下についても、俺はボスのオキニだから絶対に殺されないっていう自信があるとか、、?
裏切り者説出てるし、ほんまよくわかりませんね。
ていうか、ルナが好きって言ってるあの子って誰なんだよ。はっ、最初のほうにルナが言ってた「会いたくても会えない」的なやつと何か関係が、、!?((((
謎は深まるばかりなのだ。
待ってあとがき長いね。
イヌイについて訊かれて、ほぼ悪口しか出ないの好きだよ!!あと可愛いとかツンデレとか、本人が嫌がりそうなワードもいっぱい出てたの好きよ。
124のセツナちゃんにチビって言われるなんて、イヌイ本当に泣いちゃいそう。可哀想に、、笑(((
そしてハルカの悪口いっちゃうカナタも好き。
なんか我孫子兄弟って、互いが互いを「自分の下位互換」って思ってる感じ良きですね。
嫌ってるけど、大切である。カナタくんって素敵だよね!!
最後!!イヌイお前どこ行ってたんじゃあああああああ!!
ハルカさんに会いたいなら会えよ。どうしたんだよ、なにで悩んでるんだよ。
そこにスーパーハイパーイケメソ系彼氏のルナ様がいるんだから、相談していきなさい。
まあ、約束は守らないみたいですけどね。時間も守らないし、好きって言われても回答濁すし。どこがスーパーハイパーイケメソ系彼氏やねん(わい、情緒不安定すぎるだろ)
まあいいや!結論、どうふ組過去回はよ。
また来週!!