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「渇望」
ky × rt
今日もキヨくんはかっこいい。
優しいし、スタイルもいいし、 声もいい。
ため息が出ちゃう位、完璧な彼氏。
毎日一緒にいたい。
もっともっと構ってほしい。
ずっと隣にいてほしい。
……なのに。
今日もキヨくんは部屋に篭ったまま出てこない。
ドアの向こうから声がする。
実況撮ってるんだと思う。
わかってる。
仕事だし、邪魔したらだめなことくらい。
ちゃんとちゃんとわかってる。
ねぇ……あと何分? あと何時間?
まだ終わらないの?
ねぇ….. もっと俺の事見てよ。
画面の向こうじゃなくて。
実況じゃなくて。
……俺を見てよ。
構って、構って。
ねぇ…キヨくん。
キヨくんは、今日も部屋に篭ったまま。
実況してる声が、ドア越しに聞こえる。
ねぇ…寂しいよ、キヨくん。
わざと違う人の影をチラつかせてみた。
でも気にしてない。
いつもならキヨくんの前で通話してるのに、
今日はわざと別の部屋でコソコソしてみた。
でも気にしてない。
いつもより テンション高めに、
「ちょっと出かけてくる!」
って言ってみても。
……気にしてない。
なんで。
なんで何も言わないの。
行かないで、とか。
誰と?とか。
ちょっとくらい、聞いてよ。
ねぇ。
俺って、愛されてないの?
俺ばっかり好きみたい。
自信なくなってきた。
キヨくんは俺がいなくなっても平気なんだね。
俺じゃなくても….。
ガチャ。
(あっ、キヨくん実況終わったのかな?)
キヨくんが近付いてくる足音がする。
来た。
来た来た。
ね、今度こそ構って——
目の前で立ち止まったキヨくんは
笑ってなかった。
『おい、レトさん。そろそろ、いい加減にしとけよ?』