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笑顔の別れだったんです。それはもう、満面の笑みのね。
これは、僕とその友人の話です。
彼とは話が合うし、その他の共通点もあったので仲がいいと思っていました。
一般的に見れば御世辞にも陽気な人とは言えない、寧ろ陰気臭い彼は、僕とだけは目を合わせることも出来ていたし、趣味の話でもそうでなくても、大体なんでも話すことが出来ていたんです。だからこそ、悔しい。憎いなぁ。
僕、置いていかれてしまったんです。桜の咲く頃に。彼、動きは遅いくせに本当に覚悟したら唯一の友人の僕にさえ何も話さずに。いってしまったんです。
僕は見てしまいました。見なければよかったかもしれませんが、そんなこと出来なかったんです。今でもあの心の底からの笑顔が瞼の裏に張りついて、脳に焼きついて離れてくれないんです。変わんないなぁあいつ。いつまでも張り付いてくる粘着質な感じ。ガムかよ。まぁあの時も踏み潰されたガムみたいになってましたけど。僕だってあの時行動しようとしていたのに、彼を見てしまったせいで何故だか踏み留まってしまったんです。お陰で桜を見ると思い出すようになってしまいました。本来桜の咲く季節は祝い事でたくさんなのに、それすらも拒むようにいってしまったのです。僕だって笑顔でいようと努めました。最後くらいはせめてね。まぁ作り笑いと本物じゃ天と地の差がありましたけど。…長々書きましたが、まぁつまり、笑顔の別れだったんです。それはもう、満面の笑みのね。
最後まで笑ってたんです。あいつは。綺麗な別れでした。呆気ないくらい。幸せな終わりだったはずなんです。
なのに、
なのにどうして、僕は、