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# 大切な 人
彼奴 は 冗談好きで
やけに 距離が近いくせに
大事なところだけ 踏み込んでこなかった 。
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放課後 、 いつものように 彼と 帰る 。
「 寒くね ? 」
防寒着等を 身につけてない 彼は か弱い声で言う 。
「 当たり前やろ 、 その格好 」
少し 笑ってしまう 。
彼は 俺の マフラーを 少し 解き
自分自身の 首に巻いた 。
一気に 距離が 近づく 。
そういうところが ズルいと思う 。
何気ない 顔で どきどき させてくるところ 。
「 トナカイ みたいな お鼻 だね 笑 」
「 う 、 うるせ 、 ッ ! 」
この時間でさえ 苦ではなかった 。
いつも 彼は冗談をいう 。
教室に2人きりの時
「 ねぇ 、 」
そう 彼が 重い口を開く 。
毎回同じ 言葉 。
全て分かってしまう 。
” 俺が 居なくなったら どうする ? “
「 でしょ ? 」
「 あはは 、 お見通し ? 笑 」
彼は 元々体が 弱かった 。
保健室に いることが 多く
周りから 名を覚えてもらっていることでさえ 珍しい 。
でも 、 俺とは 気安く 話してくれるし
特別な存在的な感じで 嬉しかった 。
…
俺は” 特別 ” と いう点に 惹かれすぎた 。
冗談について もう少し触れて
彼の心に寄り添えば よかったのに 。
3月16日
卒業式が 近付いてきた 。
1週間ぐらい 彼は 学校に 来ていない 。
保健室に行っても
先生に聞いても
情報は無い 。
不幸のどん底へ 陥った ような 気持ち 。
彼に メッセージを 送ってみようとも 考えた 。
しかし 、 “ 寂しい ” なんて 言える 関係ではなく
逆に迷惑かもしれない 。
あーだこーだ 考えてる間に
彼の母に
” うちに来ないか 。 “
と メッセージが 来た 。
彼に会えるチャンス だと 思い
わくわく しながら 彼の家へ 向かった 。
そんな 浮かれた 情緒も 彼の家へ 入った途端 消し去る 。
そこには 複数の 人達 。
その人達は 皆 目を瞑って 手を合わせている 。
そこには 小さな箱 。
蓋を開けてもらうと そこには ひとつの マフラー 。
一緒に 着けたやつ とは 違い
彼が 用意した マフラー 。
マフラーを 手に取ると 1切れの 紙が 落ちてきた 。
” もっと 一緒にいたかった ”
名前も書いていないし 短文 。
まさに 彼らしい 。
本当に 時間って 大事なんだと思う 。
きっと 生きていたら ホワイトデー だから
この マフラー を 彼の手から 貰ったんだろうな 。
このことでさえ 冗談で あって欲しい 。
ドッキリ でした 。 って 笑って 登場して欲しい 。
…
なんて 叶うわけないもんね 。
帰り際 彼の マフラーを 自分の 首に巻いた 。
ほんのり 彼の 香りが する 。
言えばよかった 。
ずっと 一緒に居たいという 想いが 一緒なら
メッセージ だって 苦ではなかった はず 。
言えなかった 自分が 憎たらしい 。
今頃 気づいたんだ 。
俺って 彼がいなければ なんも できないんじゃないかって 。
卒業式当日
彼の席は 無かった 。
名前も呼ばれなかった 。
なんか 元々 彼という 存在が 居なかったかのように
桜が 咲いた校庭に 出た 。
そこで初めて 彼の前を 声に出す 。
「 あっきぃ 。 元気 ? 」
ずっと 自分自身を 責めてばかりで メンタルは ズタボロ 。
涙を 流しながら 問う 。
それに 答えるように 桜の 花が 散る 。
風も ひゅっと 吹いてきた 。
まるで そこに 彼が いるみたいに 。
/
😞
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コメント
1件
涙腺危なかったです🥲 素敵な作品ありがとうございます✨