背中越しにバスルームの扉が閉まる。
「……」
彼女の頬に触れた手をまじまじと見る。そんなことをしても今も残る温もりが目に見えないのは分かっているけど
これが、この瞬間が、
俺の妄想とか幻覚とかそんなものじゃなく、今、現実に起こっている出来事なのだと実感したくて、強く握りしめた。
幸せの余韻に浸る俺を引き戻すのは、背中越しに聞こえるシャワー音で、とんでもない破壊力のソレを、これ以上聞かないようにするためにさっき受け取ったタオルでガシガシと頭を拭いてから、はぁと大きく息を吐く。
どっと押し寄せる疲労から目を閉じると思い出すのは
涙に濡れて揺れる大きな瞳
ほのかに赤く染まる頬
髪から滴った雫が滑る透き通るような白い肌で――。
それが、恐ろしいほど鮮明に再生されるからその度に頭を振って、雑念を振り払った。
「まるで修行だ……」
一花ちゃんをひとりにしたくない。
その言葉に**************
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