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新しい作品がどんどん増えてく………
やばい、シリーズ書きすぎた。まぁ頑張る。
今回ちょっとだけとよかぶ気味かもしんない。
小峠華太という人間は平凡である。
誰かさんのようにグリングリンできる訳でもないし、日本刀の扱いに長けている訳でもない。
アイスピックで人間をぶっ刺すことや、頸動脈を噛みちぎって殺すなんて以ての外だ。
まぁ無能という訳でもなく、実績を収めているからこそ、今や天羽組の中枢まで登り詰めている。
だが彼自身は、感情の起伏がない故にその功績を慢心して自慢するなんて事はしないし、どちらかと言えば自己犠牲型である。
褒められれば心配になるほどに謙遜するし、注意されれば速攻で治す。
そして同じミスは二度としない。
そんな人間である。
平凡だからこそ、兄貴分たちは頼りにするし、舎弟達もよく懐くのだ。事実兄貴分は小峠を溺愛しているし、舎弟達も小峠のことが大好きで、いつもついてまわっている。
ある日小峠は、自分の実力に落胆する舎弟達に言った。
「凡人には凡人の戦い方があるんだ」
と。
小峠は天京戦争にて、京極組の若手エースである久我虎徹と腹を刺しあっている。
生まれながらの天才である久我虎徹と、ただの凡人ではどうすることも出来ない差が生まれる。
その状況で凡人にできることといえば、ただ『諦めないこと』であった。
世の中根性ではどうすることも出来ないことだってあるが、まずは本気で殺りあわないと、負けることすら出来ないのだ。
だがそれでも人間の体は限界というものがある。いつまでも自分を犠牲にしていては、いつかは力尽きてしまう。
物理的にも精神的にも、よく自分のことを犠牲にする小峠を、兄貴分も舎弟達も心配してしまうのは無理のないことだと思う。
いつも自分を犠牲にしてしまう小峠を、皆いつか本当に死んでしまうのではないか。自分たちの前から消えてしまうのではないか。そう思っていた。
ある日小峠は事務所の休憩室で、コーヒーを入れていた。
丁度入れ終わった時、休憩室に飯豊が入ってきた。
飯豊「兄貴、お疲れ様です。」
小峠「飯豊か。お疲れ。」
飯豊も休憩しに来たのだろうと、新しいコーヒーを手渡し、たわいもない会話に花を咲かせる。
そんな時に、飯豊はふと小峠に問うた。
飯豊「兄貴ってあまり感情を表に出すことは無いっすけど、嫉妬とかってするんですか?誰かを羨ましいって思ったりとか。」
小峠「そうだな……」
小峠は少し考えてから口を開く。
小峠「俺だって人間だ。嫉妬くらいするさ。嫌なことをされたら怒るし、嬉しいことがあったら喜ぶ。……まぁ正直なところ一時期は兄貴たちに少しだけ嫉妬してた時期もあったな。」
あの小峠が兄貴たちに対し嫉妬を抱いていたという事実に、飯豊が食いつかないはずがない。
飯豊は身を乗り出して聞いた。
飯豊「あの兄貴たちに嫉妬!?どういうことですか?」
小峠「話すと長くなるんだがな。」
小峠曰く、そこらの極道じゃ絶対に敵わない圧倒的な兄貴分の力を見て、自分もあんなに強かったらと嫉妬していた時期があったらしい。
だが小峠は、自分が才能を持っていないということをとうに理解してしまっていたのだ。
そんな自分を責め続ける日々が続いた。
何回も何十回も才能のない自分を恨み、絶望した。
そしてどこにもぶつけることも出来ない自分の気持ちを押し殺しているうちに、いつしか感情を表に出さないようになったのだという。
否、出せなくなった。という方が正しいだろうか。
そして年月が経つうちに、自分には泥臭いやり方しか出来ないんだということに気がつき、今の自分を凡人のまま叩き上げたらしい。
小峠「俺はこのやり方しか知らない。今更他のやり方に変えるなんて…できねぇんだ。」
飯豊「兄貴…………」
そんなふうに話す小峠の顔は、どこか虚しいような、悲しげな憂いを含んでいた。
そして小峠は続ける。
小峠「もし俺が自分の感情を全てさらけ出したなら、きっともう止まれない。今まで叩き上げてきた、今お前の目の前にいる『小峠華太』という人間は消えちまう。」
だから今のままでいいんだ。
小峠は、少し小さい声でそう呟いた。
その時飯豊が消え入りそうな声で、小峠の手を優しく握りしめた。
小峠「…飯豊?」
飯豊「でも俺………小峠の兄貴が心配なんです………兄貴いつも自分を犠牲にするから…いつか消えちまうんじゃないかって、すげえ不安で、それで………」
ポン…
飯豊の頭の上に、優しく小峠の手のひらが置かれた。そしてその手は飯豊の頭を撫でる。
飯豊「兄貴…?」
小峠「不安にさせちまってすまない。俺はまだ死なねえよ。お前らが一人前になるまでな。」
そういって小峠は、見たこともないようないたずらっ子のような笑顔を飯豊に向けた。
飯豊「ッ!///」
その笑顔は今まで見てきた中で一番綺麗だと、飯豊は思った。
そして飯豊はその笑顔を写真に収めるべく、土下座してもう一度してくれと懇願したが、小峠は踵を返して事務作業に戻ってしまった。
そして落胆している飯豊から話を聞いた組員が、小峠の元におしよせたのはまた別の話…
終わり!
なんかシリアスになったし最後は意味わからん終わりだしでごめんよ!
じゃあね!