❤️涼太side
マネージャーに、翔太の病気が長引きそうだと相談をして、振り替えられるスケジュールは空いている他のメンバーが出演することになった。
病状は、とか、入院してるのかとか聞かれたが、メンバーで口裏を合わせて乗り切ることにした。
そこまで心配はないが、表に出られる状況ではないので、しばらく一人にしてやってほしいと。
見舞いは全て断っている。
翔太の出演予定のバラエティ番組には主に康二や佐久間が、雑誌の撮影にはその他のメンバーが代打で参加している。
今のところなんとか大きな穴を空けずに仕事はこなせている。
翔太が子供になってから今日で一週間が経とうとしていた。
今日は久しぶりにオフ。
あまり家にこもりきりでも良くないだろうと、俺は翔太を誘って出掛けることにした。
❤️翔太、どこ行きたい?
💙うーん。えいがでもいく?
そういえば、目黒の映画が始まったんだったな。
二人で近くの映画館に向かう。
手を繋いでいるが、まるで休日のお父さんと子供みたい。
ふと、映画館の窓に映る自分たちを見て俺は複雑な気持ちになった。
いつまでこのままなんだろうという不安な気持ちと翔太を守ってやらなきゃという気持ち。
翔太が一番悔しくて辛いだろうというのは分かっている。
だからあまりこんなことは考えちゃいけないんだけど…正直寂しい気持ちもあったのは本当だ。
❤️大人一枚、子供一枚お願いします。
翔太は離れたベンチで目立たないように大人しく待っている。
平日なのに、目黒の人気で映画館は意外にこんでいる。
軽く変装しているが、気づかれちゃうかもな…と思った時ファンの方に捕まってしまった。
「すいません、宮舘さんですよね?」
❤️…そうです
「きゃーーー!!!やっぱり!!!」
気づいた人がどんどん集まってくる。
まずい。
❤️ごめんなさい、今日はプライベートなので
みるみる人垣が出来始めたので、慌てて翔太を抱きかかえて俺は映画館を離れた。
映画なんか見ている場合じゃない。
万一SNSに写真でも上がったらまずい。
翔太にはフードを深く被らせていたけど、翔太の素性まで詮索されると面倒なことになる。
俺たちは結局そのまま逃げるように家に帰ることにした。
❤️翔太、ごめん
家に着き、翔太に謝る。
💙いいよ。おれもかんがえがたらなかった。
翔太は寂しく笑っている。
映画、見たかったよな…。
子供になってから、仕事もあってなかなか構ってやれない。
翔太は大丈夫だといつも言うけれど、きっとそんなわけない。
❤️よし、じゃあ。今日は時間もあるし、翔太の食べたいもの全部作ろう!
💙マジ!?やったー!!!
翔太が一気に嬉しそうな顔をする。
俺、料理が得意でよかった。
それから買い出しに行き、どんどん料理をした。
ハンバーグもカレーも餃子もちらし寿司もグラタンも煮物もスープも、ジャンルはめちゃめちゃだ。
翔太のリクエストに全部応えて、テーブルの上はいっぱい。
これとは別に焼肉や焼き鳥の準備もしている。
パーティタイムとはこのこと。
翔太は目を輝かせて料理する俺を見ている。
ついには手伝いたいというので野菜を洗ってもらったり、かきまぜてもらったりした。
そして、無事に完成!
💙すげー。テーブルにのりきらないじゃん!
踏み台代わりの椅子の上で立ち上がって翔太がはしゃぐ。
❤️ね。二人じゃ食べ切れないね?
💙よし、これるやつみんなよぼう!
❤️そうしよう!!
グループLINEにメッセージを投げる。
みんな時間はバラバラだが、全員来ることになった。
翔太が嬉しそうなので、俺も嬉しい。
大喜びでみんなで料理を平らげた。
あんなにあったご馳走の山がもうほとんど残っていない。
久しぶりにみんなで語り、楽しい時間が過ぎていく。
そして夜9時を過ぎたあたりで、翔太が眠ってしまった。
子供の体は大人と比べて休息が必要らしい。
俺は翔太をベッドに運ぶ。
そろそろ解散しよう、ということになった。
🖤舘さん、お疲れ様。俺も参加できてよかった。
🤍俺も!!オフの時は俺もしょっぴーと遊びたいなー
🧡え!それなら俺も遊びたい!!!
💜それいいかもな。なべも一人でいるより気が紛れるだろ。
❤️そうだね。翔太さえよければお願いしようかな。
ラウールたちの思ってもみない提案に、一人で抱え込みすぎてたなとも思う。
翔太さえよければ日替わりでみんなといさせるのもいいのかもしれない。
いや、翔太のことだから嫌がるかな?
そんなことを考えながらみんなを玄関まで見送った。
💛じゃ、またいつでも呼んで?
🩷じゃーな!
ふと立ち止まって、阿部が言う。
💚涼太、大丈夫?
❤️え?
💚涼太も不安だよね。あんまり頑張りすぎないでね
❤️ありがとう
阿部の最後の優しい言葉に俺は不覚にも泣きそうになってしまった。
もしこのまま翔太が戻らなかったら俺はどうしたらいいんだろう。
打ち消しきれない不安が俺の胸にずっとあるのを、阿部には気づかれていたようだ。
大丈夫だと答えて、阿部を見送る。
阿部はぐっ、と俺の手を握って、帰って行った。
❤️翔太?起きてたの?
寝室を覗くと、翔太がベッドから起き上がっていた。
隣りに座って、抱き締める。
温かい。
身体は小さくなっちゃったけど、この温もりは翔太で間違いない。
この間、子供のころ二人で撮った写真を見つけた。
写真の中の翔太は今の翔太と同じ顔をして笑ったり、すましたりしている。
すごく可愛かった。
俺の大好きな人だと思った。
隣りに写る昔の俺も一緒に笑っていた。
翔太と写っている写真の中の俺はいつも幸せそうだった。
今も、昔も、俺たちはずっと一緒にいる。
そして今はこうして奇跡的に愛し合うことができている。
それだけで十分じゃないかと思う。
💙りょうた
翔太の小さな手が俺の背中に回る。
俺を抱き締める腕に力がこもる。
💙ごめんな、こんなことになって
❤️翔太…
💙おれ、おまえがすきだから
❤️うん
💙おまえじゃなきゃだめだから
❤️うん……
震える小さな身体を抱き締めて、満たされるこの感情はなんて表現したらいいんだろう。
その夜は朝まで二人で抱き合って眠った。
コメント
6件
かわいすぎる😭💕 2人とも辛いのに頑張っててえらい🥲 ショタしょぴが舘様にだっこされてるの想像するだけで…( ´ཫ` ) 続き楽しみです💕
ありがとうございます^^