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💙翔太side



朝起きると、もう涼太はいなかった。

10時過ぎ。

喉が渇いてキッチンへ水を汲みに行く。



❤️「おはよう。今日は少し遅くなるけど、なるべく早く帰ります。夕ご飯はいっしょに食べよう」



テーブルにそんなメモと朝ごはんとお弁当箱が置いてある。


なんだか、ふらふらするかも…?

食欲もないのでベッドへ戻る。

ふとんを頭から被る。

寒い。

風邪引いたかな…。

ぶるぶる、と震えた。

さっさと寝てしまおう。

俺は目を閉じる。




💙りょうたぁ……おれ、しぬかも…



やべぇ、熱出てきたか…?

視界がかすむ。

身体が熱い。

頭がぼんやりする。

涙がこぼれた。

さみしくてさみしくてさみしい。

だるくて起き上がれない。



💙りょうた、りょうた、りょうた



誰もいない部屋で、泣きながら俺はひとりぼっちで愛しい人の名を呼ぶ。





❤️涼太side



❤️遅くなっちゃったな、翔太怒ってるかな…



撮影が終わって、大急ぎでテレビ局を出て来たが、時計はもう夜の9時を回っていた。

子供の翔太には遅すぎる時間だ。



ガチャ🚪



❤️ただいまー。あれ?



電気が点いていない。

嫌な予感がして、翔太を呼ぶ。

返事がない。

寝室に入る。



❤️翔太、いる???


💙ふぇ……



翔太の様子がおかしい。

真っ赤な顔をして、すごく苦しそう。

目の端には涙の跡がついてる。



❤️どうしたの??



触ると、ものすごく身体が熱い。



❤️翔太?もしかして熱ある???



再び寝かせて体温計を持ってくる。

39.2度。

高熱じゃないか。



❤️病院???でも保険証とか…。



翔太はもうぐったりしている。

話す元気もなさそうだ。

俺は覚悟を決めた。




💙翔太side



意識が朦朧としていた。

なんだかふわふわして、現実感がない。

見慣れない天井だ。

真っ白な部屋、薬品のにおい…ここは…



💙びょういん?



誰かに手を握られている。



💙りょうた…?


❤️翔太、気づいた?


💙うん…


❤️よかった…



涼太は泣きそうな顔をしている。

俺、どうしたんだろう。

熱くて、ぼーっとして、そのままずっと寝てて…



❤️具合悪かったのに気づいてあげられなくてごめんね



涼太が泣いていた。



💙……うん



俺も泣いた。

安心したから、涙が出たのだろう。

まだぼんやりするので、そのまま目を閉じる。

涼太が身体を優しくさすってくれている。



夢を見た。



温泉に入る夢。

温かくて、すごく気持ちいい。

そういえばサウナにも随分行ってないなーと思った。

一人で足を伸ばして、気持ちよく入っていたら、突然周りが騒がしくなって、どやどやと見慣れたメンバーたちが入って来た。



🧡しょっぴー!一人だけずるいやん!


💙康二


🖤いいお湯だね


💙めめ


💛後でサウナ行こう?


💙照


💜なべ、背中流してやろうか


💙ふっか


🩷佐久間!飛び込みまーす!


💙佐久間


💚ちょっと!しぶきかかった!


💙阿部ちゃん


🤍しょっぴー、ほんとに色白いね


💙ラウール



そして、涼太。


❤️起きて?


💙涼太?





目が覚めた。

頭がスッキリしている。

枕元で涼太が寝落ちしているのが見えた。



💙おい、お前も風邪引くぞ



ぽん、と頭を叩く。


あれ?

手がいつもと違う?

それに、声…?



💙あーあー。



久しぶりに聞いた自分本来の声。

大人の男の声だ。

涼太を起こす。



💙おい!涼太!起きろ!!


❤️…うん?翔太?


💙戻った!俺、戻った!


❤️翔太!!!



強く抱き合う。



❤️でも…翔太…ちょっといやらしい///


💙は?




子供用のパジャマがパツパツだ。

確かにエロい…かも///

破けなくてよかったけど。

パンツとか食い込んでるし。

上着だけ脱いで、半裸になる。



💙大人用の、借りて来て


❤️わかった。でも、その前に



優しいキス。



💙んっ…


❤️続きは家に帰ってからね?



ウインクすると、涼太は病室を出て行った。





関わった医師や看護師たちは目を丸くしていたが、俺はお世話になりました、と言って涼しい顔で病院を出た。

それから事務所にお詫びに行き、メンバーにも連絡する。

明日からさっそく仕事に復帰することにした。

長い間、何もしてないからうずうずする。

早く仕事がしたい。

オフもこんなに長すぎるとさすがに調子狂うわ。

でも、グループの予定に大きく響かなくて本当によかったな。

改めてみんなに個別にお礼のLINEを打っていると、待ちきれない涼太が覆い被さって来た。



❤️ねえ、お礼して?



💙いいよ、来て……



みんなには、今度直接会ってありがとうって言おう。

涼太は俺の手から優しく携帯を奪って、ゆっくりと俺を愛し始めた………





おわり。


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