食事が終わり、心配そうな雫を 宥(なだ)め雫のお父さんとアパートを出た。
雫のお父さんは食事は残さず食べてくれたものの、途中途中俺に向ける視線はどこか厳しいものだった。まぁ当たり前か、久しぶりに娘に会いにきて男ができていたかと思えば、アパートの隣の部屋のかなり年上の男なんだから。そりゃあ品定めもしたくなるだろ。
曇り空の星一つ見えない肌寒い夜道を、居酒屋に向かい無言で進む。吐く息が白い。ポケットに突っ込んだ手がやけに冷たく感じるのは、多分緊張しているせいだ。
進んでいくうちに徐々に居酒屋の灯りと赤い 暖簾(のれん)が見えてきた。家の近所にあるこの居酒屋は、古びた外観だが味は確かなので、今までも何度か利用している。
「いらっしゃいませ!」
暖簾 (のれん)をくぐり引き戸をガラリと開けると、看板娘と店主が元気よく迎えてくれた。
「個室は空いてますか?」
「はい!今丁度空い****************************
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