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「んっ!」
キスに思考を奪われていたけれど、気がつけば涼さんの両手が胸元にあり、スリップ越しに乳首をカリカリと引っ掻いてくる。
「待って……っ、それっ、…………んっ」
まだ乳首への強すぎる刺激には慣れておらず、直接されたら、力加減によっては痛みを感じたと思う。
でも布越しにされると、丁度いい摩擦になり、ジワジワとお腹の奥に快楽が溜まっていく。
涼さんはただ引っ掻くだけじゃなく、布越しに乳首をキュッと摘まみ、また引っ掻いたあとに指の腹で優しく撫でてくる。
緩急のついた愛撫を受け、私のそこはすぐにピンと勃起してしまった。
すると涼さんはスリップの肩紐を左右に下げ、胸元を露わにしてしまう。
「や……っ」
「嫌?」
小さく声を上げると、涼さんが上目遣いに確認してくる。
「……嫌じゃない……」
それに小声で返事をすると、彼は「ん」と優しいキスをしてから、私のデコルテにキスをし、ちゅうっと音を立てて吸い始める。
ドキドキしていると、キスをする場所は徐々に移動し、デコルテをまんべんなく愛したあと、これ以上なく期待して尖っている乳首にフッと息を吹きかけられた。
「ん……っ、変な事……っ、しな、……で……っ」
鼻に掛かった、あまったれた声を出す自分が嫌だ。
「もっと緊張を解いて、身を任せていいんだよ」
涼さんは私の頭を撫で、また額、頬、唇とキスをしたあと、口筋やデコルテにキスをしてから、そっと乳首を口に含んだ。
「ん……っ、んぅ……っ」
温かく柔らかな舌にピンと尖った場所を絡められ、ちゅうっと吸引されるたびに、胸の奥からジンジンとした愉悦が全身に広まって、下腹の奥に蓄積していく。
堪らなくなって腰を揺らすと、彼はスリップの間から手を入れて下着をねじり下ろした。
「あ……っ」
恥ずかしくて抵抗混じりの声を上げると、涼さんは「しぃ……」と黙っているように唇の前に指を立てて促す。
そして太腿をスリスリと撫でながら引き続き乳首を舐め始め、私は羞恥に駆られながら呼吸を乱した。
「……っ、恥ずかしい……っ」
泣きそうな声で喘ぐと、涼さんは顔を上げてチュッと唇にキスをしてくる。
「大丈夫だよ。世界で一番可愛い。俺の自慢の恵ちゃんだ」
素肌を晒した部分に涼さんの手が這い、温かいそれに触れられると少しずつ気持ちが落ち着いていく。
密着して愛撫を受けるなんて、とても恥ずかしい事なのに、彼の体温を分けてもらうと、そのままその温もりに身を任せて溶けてしまいたい気持ちに駆られた。
涼さんはしばらく太腿をすべすべと撫でていたけれど、やがてその手は内腿に至り、そっと秘部に触れてくる。
「ひ……っ、…………うぅ…………」
小さな声を漏らして緊張すると、彼は「大丈夫、痛くないよ」と言って秘唇を撫で始めた。
乳首を舐められながら優しく秘唇を撫でられ、ドキドキしてどうにかなってしまいそうなのに、彼はもう片方の手で私を落ち着かせるように肩や二の腕をさすってくれている。
撫でる行為って、どうしてこんなに人に安心感を与えるんだろうか。
『手当て』という言葉があるけれど、触れてぬくもりを分かち合い、撫でて優しさを伝えるだけで、こんなにも気持ちが安らいでいく。
涼さんとのエッチは、未知の事への不安や羞恥を交えた恐怖はあっても、痛い事や怖い事をされるという不安はほぼない。
彼がこの上なく大事に抱いてくれているのは分かるし、多分私は涼さんを信頼しているんだと思う。
初めて朱里以外に自分の心の闇をぶちまけた相手で、泣いて格好悪い所を見せても、彼は決して否定せず、寄り添ってくれた。
私の心の底にはまだ傷付いた中学生の自分がいて、猫みたいに毛を逆立てて周囲を威嚇している。
でも涼さんの手に撫でられると、「この人なら特別に許してあげる」という気持ちで、愛撫されるのをよしとしているのだと思う。
許し、許された上で私は今、男の人に愛撫を受けている。
これは強引な行為ではなく、私が望んだ事だ。
その証拠に、涼さんは私が「く……っ」と息を詰めるたびに、心配そうな、窺う目でこちらを見てくる。
彼の目は私を大切に丁寧に抱きたいと訴えていて、少しでも私に不快感があれば、己の欲に負けず行為をすぐやめられる理性の強さがある。
――嬉しいな。
今までこんなに、男の人に大切にされた事がないから、思わずポロリと涙が零れてしまった。
「……恵ちゃん?」
目元に滲んだ涙を見て、涼さんは心配そうに声を出し、顔を上げる。