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コメント
1件
「また9人で集まろう」の約束が、むしろ寂しさを際立たせていて切なかったです。繰り返される「寂しい」が少しずつ大きくなって、涙に変わる流れに胸がぎゅっとなりました。そして目が覚めたら子供の姿で、幼い康二くんに「れん!」って抱き締められる急展開…!どうしてこんなことに?続きが気になりすぎます🤍
🖤side
「お互い成長してからまた9人で集まろう」
そう約束して日本を発ってから、半年が過ぎようとしている。
早いものだな、ともう慣れてしまった異国の景色をタクシーの後部座席の車窓から見つめる。
たまに帰国し、メンバーに会える機会はあった。
それでも寂しい。
後ろ向きな感情が、前向きな思いをいとも容易く凌駕する。
会えない日々が、会えた喜びを軽々と超えて増えていく。
連絡は取れても、物理的な距離と時差が俺たちを阻んでいる。
出演しているドラマもいつクランクアップになるかなんてわからない。
気づけば、終わりの見えない孤独感に押し潰れそうになっていた。
🖤「はぁ…」
無意識に溢れた葛藤が溜め息となって空気に溶けていく。
寂しい。
タクシーから降り、今暮らしている自宅の玄関へと足を進める。
すごく寂しい。
何重にも敷かれたセキュリティをカードキーや指紋認証で解除し、重い金属製の扉を開く。
寂しい、ひたすらに寂しい。
荷物をリビングに投げ捨てるような形で置き、照明を付け上着も脱ぐ。
会いたい。
寝室に置かれたでかいベッドに倒れ込むようにして寝転がり、腕時計を眺める。
すごく会いたい。
元気に行ってこいよ、とはにかんだ時計の贈り主の顔が浮かび、思わず笑い返すと消えていく。
できるなら、今すぐに会いたい。
壁に掛かった時計に目をやると、針は午前0時26分。日本時間だと8時26分だ。
みんな元気にしてるかな。
連絡をしようにも、みんな朝は特に忙しいだろうから、我が儘は言えない。
でも。
「会いたいよ…」
気づけば、頬を涙が濡らしていた。
口から嗚咽が漏れて、膝を抱えて踞る。
「うぁぁぁっ…」
今まで抑えていた気持ちが絡まった糸みたいにぐちゃぐちゃになって堰を切ったように一気に吐き出される。
いつしか意識は遠退いていた。
鳥の鳴き声が遠くで聞こえ、徐々に意識が戻りはじめる。
寝返りをうつと、顔に触れた布団から優しい柔軟剤の香りが鼻をくすぐってくる。
カーテンの隙間から光が差し、部屋をぼんやりと照らしている。
柔らかな明るさの中で、微睡みはやがて解けていった。
瞼を開けて、閉じて、また開ける。
閉じて開ける。
…おかしい。
俺が眠っていた部屋は、こんなところじゃない。
着替えず風呂にも入らなかった服は、何故か可愛らしい青色の水玉模様のパジャマに変わっている。
佐久間くんから貰った腕時計もない。
思わず頬をつねる。
がぅたん
69
junp_Sn-Fk.
6,082
#あべさく
夢花𓂃𓂂ꕤ*.゚
5,323
痛い。
手を離してからもズキズキと痛む。
夢じゃ、ない。
それに、鍛えていた筈の体も心なしか小さくなっている気がする。
いや、幼くなっているのか。
恐る恐る、床に足をつけてみる。感覚はある。
立ち上がろうとしたとき、頭をぶつけた。
「いてっ」
小さく悲鳴を漏らしたが、その声もいつもよりも高かった。やはり子供の姿になっているようだ。
今まで上が見えていなかったが、俺は二段ベットの下の段で眠っていたようだ。
そして今しがた上の段に頭をぶつけた。
改めて部屋を見渡してみる。
寝起きのぼんやりした頭を捻ってみてもやはり見覚えがない。少なくとも俺が幼少期過ごしていた自室ではない。
木製の大きな二段ベットに、勉強机が二人分ある。片方は黒色で、もう一方はパステル調のオレンジ色をしている。
小綺麗に整理された棚には立派な一眼レフ。横にはゴルフクラブだろうか、細長い棒状の物がカバーを掛けられ立て掛けてある。
高い位置にある窓から光が射し、小型のテレビと見やすい場所に置かれた二つのクッションを照らしている。
ベッドを隔てた向こう側にはサッカーボールと、どこかのチームのユニフォームらしきTシャツが壁に掛けてあった。
それらを観察するように注意深く見ていると、ガチャリとドアが開く音がして驚き振り返った。
そこには、見覚えのある顔立ちをした幼い男の子が立っていた。こちらを驚いたような表情で見つめている。
歳は小学校高学年ぐらいだろうか。
まさか、と思い生唾を飲み込む。
不意にその子の口角がにっ、とつり上がり、嬉しそうな明るい声で喋り、俺に駆け寄って抱き締めた。
「れん!もう起きたんか、今日は早いんやな~!!」
頭を撫でられ、その感覚が異様に鮮明で驚いた。
「…っ!」
やっぱり。嫌な予感が的中した時のような落胆を覚える。
今、俺の目の前にいる子供は康二だ。
俺と同じグループの、明るくムードメーカーのような役回りの。
自分とメンバーが、子供の姿をして知らない場所にいる。
その事実に、目眩がした。
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