テラーノベル
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楽しかった同窓会から二週間ほど経った頃、社内システムの移行に伴い、入力作業のための派遣さんが一時的に増員される事になった。
その指示係兼責任者として私が任命された。たいていの派遣さんは素直に言う事聞いてくれるから、最初の説明だけ大変だけど、少し楽できるかなと軽い気持ちで、入力ルームのドアを開けた。
二十人ほどの男女がいる中、白田くんのようなものが見えた。幻? いや、本物だ!
しかし、私は何事もなかったように、挨拶をし、仕事の説明を始めた。頭はグルグルだったけど、大人でお局の私はやりきった。そして仕事はスタートした。
「みなさん、一時間お昼休憩をどうぞ。パソコンの上で食べなければ、窓際のテーブルを使ってくださっても、社食をご利用いただいても構いません」
それぞれお昼休憩を取るために散らばっていった。白田くんはニコニコして私に近づいてきた。
「岡井さんはお昼どうするんですか? ご一緒しても?」
私は口をあんぐり開けて、彼の顔を見つめてしまった。
ヤバいヤバい。これじゃイケメン派遣に一目惚れしたおばさん社員だよ
「と、とりあえず社食行こうか」
すると近くにいた他の派遣さんたちが、
「ご一緒させてください」
と言ってきた。なんとなく若い女性が多い。
そこで私は派遣さんを七人連れて社食へ向かうことになった。
「あれ岡井ちゃん、お疲れ」
「光田! さあ、一緒にお昼を食べましょう!」
私は無理やり光田も巻き込み、社食のシステムを案内して、九人は一緒に座れなそうだったので、五人と四人に分かれて座って食べ始めた。
私のテーブルには光田と白田くん、若い女の子と私たちと同じくらいの歳の女性でキツキツで座った。
「こちらは私の同僚光田、こちらはえっと、今回の派遣の皆さん」
「白田です」
「小泉でーす」
「松井です」
少し離れたテーブルにいる四人も仲良く話しながら食べているようだ、良かった。
そんなことを考えている間に私たちのテーブルでは小さな戦いが繰り広げかけていた。
「白田さんはそんなにカッコいいのにどうして派遣を?」
若い小泉さんが物怖じすることなく聞いている。
「いやぁ、売れない役者なんでバイトが必要なんですよ」
「役者さんなんですね。何かやる時はぜひ教えてくださいね」
松井さんが続ける。松井さんは私と同じくらいに見えるけど、積極的なんだ……
「岡井さんは会社では大人っぽいんだね。さすが社会人だね」
地味な姿を見られてしまい落ち込んでいる私に、あえてタメ口を聞いてくる白井くん。どういうつもりなんだろう。
「白井くんが来るは思わなくてびっくりしたよ」
「ちょうど舞台の合間に短期の仕事を入れたくて派遣会社に相談してたら岡井さんの会社の名前があったから、無理やりねじ込んでもらった」
屈託なく笑う彼に思わず私も笑ってしまった。光田はびっくりしている。他の女性二人は「なんなの」という顔をしている。
仕方なく私は、彼が昔のバイト仲間だということを話した。
数日後には白田くんはすっかり有名人となっていた。社員も含め、もちろん女性陣に。愛想もいいが、さすがに二十代後半の余裕もある。みんな真面目に仕事に来ているのは、仕事ぶりを見ていればちゃんとわかる。しかし、プライベートとなると別で、かなりの争奪戦が繰り広げられているのを何度も目にすることになった。
「ごめんね、舞台の稽古があるんだ」
「えっ、見学に行ってもいいですか」
「ごめんね、まだその段階じゃないからもう少ししたらね」
そんな会話をしている派遣さんの横を通り過ぎる。息を殺して……
「岡井さん!」
「うわっ。どうしたの白田くん」
「今日せっかくの週末でしょ。飲みにでも行きませんか? 用事ありですか?」
「ない、です……」
ガラスに映る自分が目に入った。もっと、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけでも綺麗な色の服を着てくれば良かった。でも、私は行くことにした。他の子の誘いを嘘ついてまで断って私なんかを誘ってくれたんだから。
ん? もしかしたら相談事かな。派遣さん同士でいろいろあったかな。そうか、そうだよね。
日暮ミミ♪
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latte
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#溺愛
星キラリ

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楽地みどり
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コメント
1件
読了しました!まさかの白田くん再登場、しかも派遣として会社に来るなんてサプライズすぎます😳 お局の仮面をかぶって平静を装う岡井さんの心情、すごく伝わってきました。他の派遣女性陣が白田くんに群がる中、彼が岡井さんだけを特別に誘うシーン、胸がきゅんとしました…! 自分に「相談事だよね」って言い聞かせる岡井さん、不器用で愛おしいです。次も楽しみにしてますね🌷