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ゆかボンド
MIRAN@新作公開!!
コメント
4件
🪦👍
えっと、さいこうですね?
【 失敗作の惚れ薬 】
mtw(♂) × gso(♀)
mmmr様の二次創作です
御本人様には関係ありません
地雷の方はUターンお願いします!
__ gso side __
mtw「じゃあ、今度はこれよろしく」
コトン…
その言葉と共に机に置かれたのは、手のひらサイズの茶色のビン。
手にとって傾けてみると、透明なガラス越しに見える液体が、トロリと揺れた。
彼の薬の治験にはよく協力するが、これはあまり見たことがないタイプのもので、物珍しさに尋ねる。
gso「どういう薬なんですか?」
mtw「う〜ん……」
すると、彼は悩んだ末に、答えをだした。
mtw「gsoさんが飲んだら教えてあげるよ?」
gso「えぇ……」
正直困惑したが、こういう時は諦めて飲んだ方が早いので、蓋を開け、ビンの中身を飲み干した。
gso「うッ……うん……」
gso「……なんですか?この味」
不味くも苦くもないが、口の中をゆっくりと下る嫌な食感がした。その気持ち悪さに思わず顔を歪めると、彼は笑いながら答える。
mtw「なんかそんな感触になっちゃったんだよね…」
gso「えぇ〜……もう少し改善とかはできないんですか?」
mtw「う〜ん、ちょっと難しいね」
できれば、今度飲む時は違う食感がいい。
淡い期待を抱いて聞いてみたが、それは叶わなさそうだ。
私ががっくり肩を落としていると、彼が逆に質問してきた。
mtw「まぁ、それより、肝心の効果なんだけどさ、どう?」
私は、自身の体の様子や、精神状態を細かく振り返る。
彼が作る薬は、猫化や筋肉増強などの体を変化させるものから、抗うつ薬や性格を変える薬など精神に影響を及ぼすものまで多岐に渡る。
しかし、今回はどんなに考えても、体にも精神にも異変は感じない気がした。
gso「……なにも変わってないような?」
mtw「そっか〜…失敗かなぁ……」
gso「どんな効果があるものだったんですか?」
mtw「知りたい?」
彼が狙っていた薬の効能を、まだ聞いていなかったことを思い出す。
薬を飲んだので聞けば答えてくれると思っていたが、彼は真顔で念を押してきた。
gso「し、知りたいです」
自分の体に入った物の正体を知りたいと思うのは、誰だってそうだ。
私は、いきなり表情が変わった彼に驚きつつ、知りたい、と答えた。
mtw「……惚れ薬だよ」
gso「え!?」
よりにもよって惚れ薬だなんて。
mtw「でも、効いてないなら意味ないな〜」
mtw「また改良してみる…」
そう言うと、彼は驚いている私を置いて、部屋から出ていってしまった。
gso「もう!」
mtwさんはなにも分かってない。
あんな薬、効くわけないじゃないですか。
だって、私、mtwさんのことが好きなんですから。
今さら惚れ薬とか効きません……!!
っていうか、いつも私がわざわざmtwさんの実験体になっているのは何でだと思ってるんですか!
貴方のことが好きだからに決まってますよね?
じゃないと、下手な兵器よりも危険なmtwさんの薬を飲みたくないですって!
私は体張ってるのに、も〜”!!
なんだか色々イラついてきました。
gso「ってことで、やり返しましょう!!」
手立てはもう済んでいる。
彼の実験室に侵入し、例の薬をくすねてきた。もちろん、薬の詳しい情報が書かれたメモも入手済み。
彼がまとめたそのメモによると、惚れ薬は、薬を飲んで一番最初に見た人のことを好きだと感じさせるものだそうだ。
また、水やお茶などの液体に混ぜても、効能は失われないのだそう。
つまり、mtwさんに惚れ薬が入った飲み物を飲ませ、その直後に私を見て貰えば、無事、仕返しが成功するのである。
オマケに、自分の好きな人を落とすことができるなんて、まさに一石二鳥だ。
gso「覚悟しててくださいね……」
私は、このために買ったと言ってもいいくらいお高い紅茶に、例の惚れ薬を混ぜた。
コンコン
mtw「誰?」
実験室のドアをノックして入ると、いつも通りmtwさんが中央の椅子に座っていた。
その周りに散乱する紙と薬品を鑑みるに、どうやら先日の惚れ薬の改良を行っている最中だったようだ。
mtw「gsoさんじゃん、どうしたの?」
gso「美味しい茶葉を手に入れたので、お裾分けです」
私はそう言って、持ってきたトレーを差し出す。
そこに載せられていたのは、もちろん例の薬が入った紅茶だ。
茶色とも赤色ともとれる鮮やかな色合いが、光を通してまるでステンドグラスのように透き通る。
gso「mtwさんなら、茶葉を渡しただけだと一生飲まないと思って」
gso「有名な外国のブランドなんですよ」
mtw「へぇ〜わざわざありがとう」
彼は案外すんなりと言いくるめられて、カップを手に取った。
そして、疑いもなくお茶をその口へ運んだ。
私の口が、自然と笑みの形に歪む。
この惚れ薬は強力だ。一口飲むだけでも、その効果を発揮するらしい。
……じゃあ、なんでmtwさんはあんな量を私に飲ませたんですか。
一つ疑問が湧いたが、ひとまず脇に置いておく。
それよりも、今は目の前の彼の様子の方が大事だ。
gso「どうですか?」
mtw「ん?ふつ〜においしいよ?」
期待して聞いてみたのに、彼には何の変化も無かった。
きょとんとした顔で、お茶の感想を述べただけ。
mtw「……gsoさん、どうしたの?」
いけないいけない。
危うく表情に出そうになりましたね。
gso「ふつ〜ってなんですかふつ〜って、」
gso「お高かったんですよ」
プクッと頬を膨らませて睨めば、彼は慌てて謝った。
mtw「それはごめん」
mtw「めちゃめちゃ美味しいよ」
gso「……」
……駄目だ。
顔が赤くなったり、言動が変になっていない。
あの惚れ薬は、本当に失敗作だったということだろう。
私は、がっかり肩を落とした。
彼はそれを私が呆れて許したと受け取ったのか、話の話題を変えてくる。
mtw「……そう言えばさ、」
mtw「この前の惚れ薬が盗まれてたんだけど、どこ行ったか知らない?」
……まずいですね。バレそうです。
一応、一瓶丸ごと盗むのではなく少量を移し替えたり、メモもそれ本体ではなく内容を写し書いたりしたのだが、薬が盗まれたと気づかれてしまったようだ。
そして私は自分で言うのもなんだが、嘘をついたり隠し事をするのが苦手である。
さっきのお茶は茶葉が高級で、彼に飲んでほしいという思いは事実だったのでなんとか誤魔化すことはできた。
しかし惚れ薬を盗んだことはそんな都合のいい名目がなく、隠そうとすると、流石にボロが出てしまいそうだ。
gso「……知りません」
mtw「本当に?」
案の定、私は説得力の欠片もない返事をしてしまった。
それを受けた彼が、私のことを疑っているのをひしひしと感じる。
mtw「……ねぇgsoさん、」
mtw「本当のことを言ってくれたら、mtw許してあげるよ?」
gso「ごめんなさい。私が盗みました」
私は即座に白状した。
これ以上隠し通すことはやはり出来ないと直感したのだ。
mtw「……」
私の告白を聞いて、mtwさんは黙って俯く。
かなりお怒りのようだ。
二人の間に、気まずい沈黙が流れる。
mtw「……れ………し…の?」
gso「…え?」
ボソボソとした小さい声で聞き取れなかった。
思わず反射的に聞き返す。
mtw「…誰に飲ませるつもりだったの?」
彼の表情が見えなくて怖い。
でも、好きな人にはこれ以上嫌われたくないから、私は正直に答えた。
gso「……mtwさんです」
gso「…さっきのお茶に、惚れ薬を入れました」
mtw「ッ……!」
mtw「なんでそんなことしたの!」
子供が駄々をこねるように強い口調で聞かれた。
……何も知らないくせに。
gso「だって、mtwさんが何も言わずに私に惚れ薬を飲ませたんですもん」
gso「私の気持ちには気づいてくれないくせに、mtwさんは誰かのために恋の薬を作るなんて、恨めしく思うじゃないですか…!」
mtw「はぁ!?」
少し苛ついて口答えすれば、彼はそれに驚いて慌てて顔を上げた。
夕焼け色の瞳が私を強く見つめながら、彼は勢いよく言葉を吐き出す。
mtw「gsoさんに惚れ薬を飲ませたってことは、どういうことか分からないの!?」
gso「分かりませんよ!!誰か惚れさせたい相手がいるってことですか!?」
彼の言いたいことが全く分からず、それに対抗して勢いよく言い返せば、彼は大きく声を張り上げて抗弁した。
mtw「もう!!鈍いなぁ!!」
mtw「い〜い?mtwが惚れさせたい相手は、gsoさんなの!!」
gso「…え?」
今、なんて……
彼を見ると、まさに しまったという顔で硬直していた。
その反応に、私の心臓が激しく脈動し、体が急速に熱せられていく。
gso「そ、それって……」
mtw「……、!」
gso「あっ、ちょっと!」
私が何かを言おうとしたら、彼は逃げるように部屋を出ていってしまった。
gso「これからどうしましょう……」
もう、彼と目を合わせて話せないかもしれない。
恥ずかしすぎて。
私は困って自分の手を、まだ熱のある顔に添えた。