TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する



「うわぁ~、でかっ!」



俺は目の前にそびえ立つ大きな市壁を見上げて感嘆の声を漏らす。サウスプリングの町で見た市壁もかなり大きいなと思っていたのだが王都のこれを見ると小さく感じてしまう。やはり国の中心というだけあってサウスプリングの町とは比べ物にならない規模である。



「それにしてもすごい行列ですね」



俺たちの前には門へと続く長い行列が出来ていたのである。そこにはたくさんの荷馬車や旅人たちの姿が伺える。おそらく王都へ入るための待機列なのだろう。



「もうすぐ建国祭ですからね。この時期の王都には商人や旅人などたくさんの人たちがやってくるんですよ。そのためこうやって警備も厳しくなっているので町の中に入るのにも一苦労するわけなんですよ」



商売チャンスを狙って国中のあちこちから商人たちが、そして祭りを楽しむために観光客がこの時期は殺到してくるという訳か。ということは一番人が多い時期に俺は王都に来てしまったのか…


俺は騒がしすぎるところはあまり得意ではないので少しテンションが下がってしまう。



「さて、私たちも並んですぐに衛兵を呼びに行かないとですね」


「そうですね、盗賊たちの引き渡しをしないといけないとですね」



そういうと俺たちは列へと並び、マーカントさんは急いで門の方へと向かい衛兵を呼んできてもらった。その間に俺は荷馬車から盗賊たちを外へと出し、インベントリ内にしまってあったマーカントさんの荷物を荷馬車へと積んでおく。これで万事OKである。



「衛兵の方々を連れてきました~!!!」


「盗賊を捕縛したとのことですが…こいつらですか?」


「はい、スケーアの森で襲ってきたところを捕縛しました」



そう告げると衛兵たちは捕縛している盗賊たちに水晶のようなものを近づけだした。あれは俺がサウスプリングの町に初めて来たときに触らされたやつと同じものかな。たしか犯罪歴を調べる魔道具だっけか。なるほど、それで罪人かどうかを確かめているのか。



「確かにこいつらは強盗、殺人、強姦など数々の犯罪を犯しているようですね」


「おいっ、こいつらを地下牢に連れていけ!」



やってきた衛兵の一人が他の衛兵たちに盗賊たちを連行するようにと命令を下す。そうして次々と衛兵たちによって盗賊たちは連れていかれた。これで肩の荷が下りたな。



「この度は盗賊の捕縛、誠に感謝いたします。よろしければお話をお聞きしたいのでこちらへ来てもらえますか?」


「はい、分かりました」



俺たちは事情聴取のために衛兵の案内で町の中へと入れることとなった。もちろん荷馬車はまだ検査を受けていないので中には入れず、衛兵の方が荷物番をしてもらうことになった。ただ優先的に荷物の検査をしてもらえるらしいので思ったよりもすぐに町には入れそうだ。



約30分ほど捕縛に至った詳しい経緯や状況を話した後に俺たちは盗賊捕縛の報奨金をもらい、ようやく事情聴取から解放された。そして荷物の検査もしてもらい、最終的に約1時間ほどで俺たちは町の中へと入ることが出来た。マーカントさん曰く、これでも想定以上に早くはいれた方だという。



「いや~、ユウトさんに依頼を受けてもらって良かったです!本当にありがとうございました!!」


「いえいえ、こちらこそ貴重な経験をさせて頂きありがとうございました!」



マーカントさんから依頼達成のサインを依頼書にもらい、これで初めての護衛依頼を無事に完了することが出来た。そうして俺はマーカントさんに別れを告げてすぐさま王都の冒険者ギルドへと向かった。




王都は現在、建国祭の準備で大盛り上がりしているのでサウスプリングとは比べ物にならないたくさんの人が町に溢れていた。あり得ないぐらいの人だかりと初めて来た町ということもあり、冒険者ギルドへと辿り着くまでに思った以上に時間がかかってしまった。






「うおぉ…ここが冒険者ギルドの本部か」



やっとの思いで辿り着いた目的地はまさかの想像していた何倍もの大きさのある巨大な建物であった。中へと入ると巨大なエントランスホールのようなものが広がっており、装飾や構造も非常に豪華なものになっていた。



俺は田舎から都会へと出てきたばかりの若者のように辺りをキョロキョロと観察しながら受付カウンターへと向かっていった。受付の数や職員の人数も非常に多く配置されているので冒険者の数が多くても効率よく回しているようだ。



「ようこそ、冒険者ギルド本部へ。本日はどのようなご用件でしょうか?」



受付に並び、俺の順番が回ってくると受付の職員のお姉さんが声をかけてくれた。俺はすぐに懐からギルドカードとマーカントさんのサインが書かれた依頼書を取り出して要件を伝える。



「サウスプリングからここまでの護衛依頼を受けて達成したので報告をお願いしても良いですか」


「依頼の達成報告ですね、承りました。少々お待ちください」



そういうと受付嬢は俺のギルドカードを手に取り、それを何かの魔道具らしきものへとかざした。おそらくあれで依頼受注の状況を確認をしているのだろう。



「はい、確認が取れましたので達成報告の受理をさせて頂きます」



ギルドカードを魔道具へとかざした後に俺の元へと返却してくれた。

そして今回の依頼の達成報酬を受け取る。



「今回の依頼達成をもちましてユウト様をDランクへと昇格させて頂きました。おめでとうございます」


「ありがとうございます」



これでついにDランクに昇格か~!!

Eランクから少し時間がかかったかな。



そうして達成報告を済ませた俺はギルドを後にした。

報告を済ませてようやく気が緩んだのかドッと気疲れが押し寄せてきた。


とりあえず落ち着きたいなと思い、俺はすぐに宿屋を探すことにした。



10分ぐらい探し回ってようやく俺は泊まれそうな宿屋を見つけた。

王都ってやっぱり広すぎるわ。


中へと入り受付で泊まれるかどうか聞いてみたところギリギリ一人用の部屋が空いていたのでとりあえず三泊することにした。サウスプリングよりも一泊の値段は高いけれど、今は倹約しなければという気持ちよりもすぐにでも休みたいという気持ちが勝っているため気にはしなかった。



チェックインを済ませると俺は鍵を受け取り、すぐに部屋に向かった。3階にある部屋へと辿り着き部屋の中へと入るとなかなかに広くていい感じであった。ベッドもふかふかそうにちゃんと整えられており、すぐに俺は靴や装備を脱ぎ捨てて目の前の天国にダイブした。



とてもふかふかで気持ちよく一気に疲れが取れていくようだった。

そうして俺は一瞬にして深い深い眠りへと落ちていった。



称号チートで異世界ハッピーライフ!~願ったスキルより女神様からもらった称号がチートすぎて無双します~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

46

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚