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「兄さん…あれ…」
とメリアは窓の外を指す。
メリアが指した方向に視線を向けると、そこには信じられない光景が広がっていた。
「兄さん…何でこんなところに竜が…?」
「竜…?天使の間違いじゃなくてか?」
「…え?何…言ってるの?」
「兄さんにはあれが天使に見える…の?」
メリアは信じられないという顔をしている
「え、うん。でも…天使だとしてもなんか、禍々しい感じがする」
俺は少し途切れ途切れに応える
「そうなんだ…人によってみえるものが違うのかな?」
とメリアがいったのと同時に
ズドンッ
大きな音が聞こえたと同時に
「危ない…!!」
俺は咄嗟にメリアを抱え、避けた。
「っっっ」
「ギリギリ…か」
どうやら家が少し壊れたみたいだ。やつらの攻撃によるものだろうか?
「ここは危ない。どこか安全な場所へ避難しよう。」
と俺が切羽詰まって言うと
メリアは黙って頷いた
数十分後…
俺達は無我夢中で森の中を走っていた。
「はぁ。はぁ。ここまでくれば!」
「!兄さん!上!」
「⁉︎」
見上げると人型のような何かが空を飛んでいた。
「あれは何だ⁉︎」
「ひ…と?」
「違う!あれは人の形をした何かだ!よく考えろ!人が空を飛ぶわけがないだろ⁉︎」
俺はこの状況の訳のわからなさと恐怖で、メリアに怒鳴ってしまった。
「そう…ねそうよね」
とそんな話をしながら走っていると、遠くの方に小屋が見えた。
「⁉︎小屋があるあそこに逃げよう!」
メリアは頷く
ガシャンッと小屋に入り、勢いよく扉を閉めた。
「はぁ、はぁ、」
俺たちが扉を閉めて安心していると
「君たち…どうしたの?」
後ろから声をかけられ、驚いた。誰もいないかと思っていたからだ。振り返ると、すらっと背の高いここの住人らしき女の人が居た。
「誰だ?」
と俺が問いかけるとその人は
「え、あぁ私か?私はこの小屋に住んでる者だよ」
その人は平然と答える。
「あんた、今の状況をわかっていないのか⁉︎」
「何だ?何か外であったのか?」
その人は外がどんな状況になっているのか全く分かっていないようだ。
「化け物が外にいるんです!私達はそいつらから逃げてきて…それで、化け物が…」
「わかったわかった一旦落ち着け。ここは私が結界を貼っているから大丈夫だ安心しろ。」
その言葉に俺たちは少し安心して
「っはい。」
と少し腑抜けた声で返事をした。
「今お茶を持ってくるから。そこに座って待っていろ。」
とその人はそばにあったソファを指差してそう言い、お茶をとりに台所へ向かっていった。