「私がうれしい理由」
10月の半ば。校舎裏の 金木犀(きんもくせい)から甘い香りがする頃になった。
この時期になると、部活をしているほとんどの3年生は引退で、私も今日が最後の生徒会だった。
「なんか……。ちなが引退なんて、へんな感じ」
生徒会の引き継ぎをしている途中で、 侑(ゆう)がぽつりと言った。
私は手元の資料から顔をあげ、侑に笑いかける。
「私もだよ。あとは任せたよ、副会長……!」
「やめろよその言い方。ちなに副会長って言われるのは、前から嫌なんだよ」
こうして侑と冗談が言い合えるのは、侑が話しやすい空気を作ってくれているから。
皓(ひかる)くんと想いが通じてから、侑にはそのことを報告した。
話すこと自体悩んだし、どう伝えるかも悩んだけど……正直に伝えた私に、侑は「そっか」と微笑んでくれた。
生徒会を終え、帰り道。
駅へ歩いていると、侑が思い出したよう*************************
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