後妻に選ばれたセシリアは、ふんわりとした可愛い外見を武器に、いつもギルベルトに擦り寄ってきた。
見つめてくる視線には好意を感じたが、その中に自分の子どもを次期皇帝にしようと目論む彼女の魂胆が透けて見える。
彼女も他の貴族女性たちと同じ。帝国に君臨するギルベルトの地位と外見しか見ていないのだ。
けれど、どこか仕方ないと思っている自分もいた。
それ以外の価値など、自分にはないのだから――と。
セシリアはなんとかして振り向かせようと躍起になっていたようだが、ギルベルトの中で後継者はデリックにと決めている。
というのも、グランゼフ帝国初代皇帝は太陽の祝福を受けたような金髪に、ライラックの瞳を持つ有能な人物だった。
歴代の後継者も同じ容姿をしており、彼らは皆、帝国に富と繁栄をもたらしている。
そういった経緯があり、帝国の者たちは皇帝の遺伝子を何よりも重要視しているのだ。
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