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場所は変わり掃除屋本部
受付嬢のセミュは仲間の事が書かれたファイルをパラパラと捲っているとルドのページを開き、じぃと見つめてしまう。
「……」
「 “境界” の情報、無事に手に入るといいね。」
「!ボス…」
目の前にロリポップが差し出され驚いたセミュは顔を上げ目の前にいるボスにこう言った。
「あのメンバーで行ったのよ。ラムもいるし…私は問題無いと思うわ」
「にしては浮かない顔をしているね。もしかして… “ルドの中にある物” と関係しているのかい?」
「!!」
「聞かせてくれないか?ルドを初めて”視た”時、何を視たのか」
「靴下ってさぁ片足だけだとすげぇイライラするよなぁ。ん?あれあんた…靴下履いてねぇのかよ」
アモの靴を没収したエンジンは呑気にそう言った。
「かっ…返してよ…それアモのよ!!返して!返してよ!!」
「わーったわーった。返す返す。ラム返すけどいいよな!」
「なんかあったらお前が始末しろよー」
「はいはい」
「ッ…この…ッ触んないでその靴…!!”あの人” のニオイが消えちゃうでしょ!!」
「あの人ぉ?」
そういうとエンジンは靴の匂いを嗅ぐと苦しそうな声を出した。
「うおおぉ…なんとも…すごい…こんなん履いてんのか…」
「普通嗅がねぇよそんなもん」
「あ、つい嗅いじゃったけどオレ大丈夫?」
「嗅ぐな!!最ッ低!!!さっさと返して!返せ!!」
「…エンジンいつから治ってたんだ?内臓破裂?がマジで治るの凄いけど…」
「最初のサイレントノズル食らった時からだよ。あの人狸寝入りしながら隙を窺ってたの。ラムさんは知ってたんじゃないかな?」
「なるほど…これきっと怒られるよなエンジン」
「うん…多分ね」
「返せ!!!」
エンジンが狸寝入りをしていたことを最初から知っていたラムレザル。なんか面白そうだしいいやーとほっておいたのだ。
「だぁから返すって。お前が能力解除してみんなを元に戻したらな。」
そういうとアモはまた泣きそうな顔になって《もう解除されている》と言った
「片足だけじゃアモの力は出せないのよ…だからみんなもう…アモを守ってくれない」
「ぐ…一体何がどうなっているのだ…」
「よ、起きたか。」
「ちゃんとまじない効いてるみたいだね。レムリンは役目を果たしたわけだ」
デルモンが目を覚ますと目の前には握り飯を食べるラムレザルとタムジーがいた。
「?さっきのは何だったんだ…」
「よかった正気に戻ってるね」
「ワタシも今聞いたばっかだから端折って言うぞ?アレはアイツが見せた幻影…要は幻だ」
「”好きな人との幸せな時間を思い出させるニオイ”。それに当てられたデルモン達はあの女を “好きな人” と思い込んでたんだよ」
「…そうか。それじゃあ彼女が蘇ったわけじゃないのだな…そうか…」
俯くデルモンの頭をぽんぽんと優しく撫でるラムレザル。
「(なかなかエグいで。あの女の能力。”大事な人失った” やつなら尚更、幸せじゃった時の記憶は常人より濃厚じゃろうに。正気に戻っても現実は…ほんまエグいわ。でも、じゃあなんでラムは平気なんか?幸せな時間がテーマの能力なのにこの中で誰よりも平然としてるわ)」
ザンカは3つ目の握り飯を頬張るラムレザルを見て不審に思っていた。
全員、上に戻るとアモの尋問を始めた
「で?どーすんだよこの女。」
「情報諦めて帰るにしても危険すぎるしなぁ。放置するのは…」
「ん〜…つっても人器以外は何も力のないただの少女だ。こいつの人器奪うのもアレだし…他人に害を与えないよう促しときゃ…「あ〜あ」
「ほんと気分悪いなぁ。お家も壊れちゃったし。あ〜あ〜。罪悪感とかないのかなぁ」
アモの言葉に操られていた4人はプルプルと震えていた。
「お前どんな情緒して…ラム?」
「…私は今までま色んな人間を視てきたわ。でもルドのアレはそれどれにも類似しない…人器だけじゃないのよ異質なのは…」
「ふむ…」
「おねえさん?」
怪我の手当を受けていたラムレザルはマスクを外そうとするルドを止め、アモに近づいた
「あはぁ、もしかしてぇアモのニオイにハマっちゃった?」
「そうだな。ハマったかもしれん」
「えへ」
「ありがとなぁ親父のこと思い出させてくれて…………殺すぞこのアマ」
「え」
そういうとラムレザルはアモの髪を乱暴に掴むと壊れた壁まで引きずって行った。
「痛い!やめて!!痛いよ!!」
「お前が何したかその身を使って教えてやるよ」