第3章「学園祭に潜む亡霊」その9
床に散らばるのは、「後追い屋敷」で使う衣装。
元々演出で多少破けたり汚れていたりしているのがほとんどのため、ぱっと見は異常がわからない。
だが一つだけ、明らかにおかしい衣装がある。
「……」
古賀が険しい表情で、食い入るように睨んでいるそれ。
フリルのついたワンピースの至るところを、刃物でズタズタに切りつけられている――篠川の衣装。
「ひどいっ……!」
「わたしの衣装だけで済んでよかったですねー」
姫乃が切迫している一方で、被害にあった篠川はやけにのんびりしていた。
「篠川さん……!」
「だってまた作り直すってなったら大変ですよー? 綾咲さんかなり苦労してましたよねー?」
「そ、そうだけど……!」
「そういう問題じゃないでしょ!? とりあえず、他のものどうなってるか確認!」
「!」
姫乃の言葉を遮り、天城がテキパキと指示を************************
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