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六話 畏怖されし森
◆ 森の奥、異変
森の中を進む三人。光が徐々に薄れ、空気が変わる。
リン(足を止めて)
「……うわっ。急に鳥肌が……」
真理
「どうしたの?」
リン(周囲を見渡しながら)
「……わからない。でも、見えない何かに触られてるみたいな……嫌な感覚」
バルト
「確かに。さっきから、空気がズレてる」
真理
「魔力の感知ってやつかな……?私にはわかんないや」
リン(眉をひそめて)
「……とにかく、進んでみよう」
⸻
◆ 謎の声
次の瞬間――どこからともなく、不気味な声が響く。
???(低く、森全体に響く声)
「……人間……俺の森に……侵入者……」
真理(剣を抜きつつ)
「誰!? 出てきなさい!」
バルト(身構えながら)
「気をつけろ。何か来るぞ」
リン(震える声)
「……人、なの?」
木々がざわめき、空が暗転。周囲が異空間のように静まる。
足音――こちらへ近づいてくる。
リン(かすれる声)
「……なんだか……怖い……」
真理(前に出て)
「大丈夫。多分」
⸻
◆ 森の男
姿を現したのは、森に溶け込むような男。
古びたローブ、青白い肌、木の枝のように歪んだ髪。
目は虚ろで、生気がない。
森の男
「お前ら……人間……?」
真理(慎重に)
「すみません……迷い込んでしまって……」
森の男
「……人間……侵入者……」
バルト(近づいて)
「おい、聞いてんのか?おい、じじい──」
リン(焦り)
「ちょっと!初対面なんだから──」
その瞬間。
男の姿が、かき消える。
⸻
◆ 襲撃
一瞬のうちに、男はリンの懐に潜り込む。
ボフッ!!
腹に一撃が入った瞬間、リンは十数メートル吹き飛ばされて気絶。
バルト
「何が起きた!?」
男は連続でバルトに襲いかかる。
バルトは腕を掴むも──
バルト(驚愕)
「捕まえたっ──!?!?」
男は自ら腕を脱臼させ、回転してバルトの背後へ。
そこから後頭部に踵落とし。
バルト
「ごはっ……!」
バルトも沈む。
⸻
◆ 真理 vs 謎の男
男は、残った真理にゆっくりと顔を向ける。
次の瞬間──消えた。
真理(反射的に)
「っ!!」
剣で攻撃をギリギリで受け止める!
攻撃に使われたのは、木でできたレイピア。
真理(目を見開く)
「剣士……!?」
森を駆け、高速で移動する男。
真理の攻撃は一切通じず、次々に斬撃が飛んでくる。
真理(必死に耐えながら)
「速い……!まるで読めない!」
真理が反撃の隙を見出し、斬りかかろうとしたその瞬間──
足元からツタが伸び、手足を絡め取る!
彼女は空中で大の字に固定される。
真理(歯を食いしばって)
「くっ……!」
森の男(静かに)
「……しばらく、眠れ」
男の手が、真理の後頭部に触れた瞬間――
視界が暗転する。