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晒しとパクリNO
「えぇ!?」
そんな。あんなに徹底して隠してたのに。
【まだ噂程度だけど、今度見つかったらやべえ!】
『な、なに?どうしたの?』
自分の隣に立っていたぼんさんが怯えたような声で聞いてくる。
「ぼんさん…ごめんね。ぼんさんが獣人だってバレちゃったかもしれない……」
『え?』
当のぼんさんはけろっとしている。何を考えているのか。
『バレちゃったからなに?バレちゃいけないの?』
「見つかったら、危ないかもだから……良くはないかな」
『そっか』
軽い。かっるい。何を考えているのか(二回目)。
はぁとため息をついていると、タブレットのキャラクターが充電出来ました的な事を言っている。ぼんさんはさっさとそっちに行ってしまった。
高身長イケメンがチャ〇ンジタッチをやっている所はかなり面白い。そっと写真を撮ってドズル社メンバーグループL〇NEで回すと、wが大量に送られてきた。主にドズさんから。自分でもふふっと笑ってぼんさんを見つめた。
土曜日。交流する日。今日は少し人が多いショッピングモールに行ってみようということになった。ぼんさんはまだ人が苦手だ。ある程度知っていないと怖がる。
なので、お使いをさせる。前も何回かさせたことがあったが、今回は大きく、人が多いショッピングモールだ。道を聞いたり、人と触れ合う機会が多くなる。
「じゃあ、まずはこれ。ここのお店に行けば買えるよ。頑張ってね。僕達はここで待ってる」
ここからほんの少し離れた靴屋に行かせる。予約はしておいたので、紫神ですと言えばお金を払ってからもらえる仕組み。
『わ、わかった』
「化けが解けないようにね」
『うん。頑張る』
ぼんさんは少し怯えながら歩いて行った。ぼんさんにつけさせたサングラスには盗聴器が付けられていて、会話が聞けるようになっている。
《す、すみません》
ぼんさんの声だ。
《はい、どういったご用件ですか?》
受付の女の人の声がする。
《えっと、予約をしていたのですが》
きちんと話せている。心の中で拍手する。
《あ、はいはい。お名前をお聞かせ下さい》
《えっと、紫神です》
《紫神様でございますか。少々お待ちください。》
女の人が離れていった。音も遠くなる。少しして、カウンターに箱が置かれる音がした。
《こちらでよろしいですか?》
《あ、はい》
《2980円です》
ヂャリヂャリとお金の音が聞こえた。
《はい、ぴったりですね、どうぞ。ありがとございましたー》
「……上手くいったみたいだね」
ドズさんがニコリとする。そこでぼんさんが帰ってきた。
『…買えたよ』
「うん、えらいえらい」
つい幼子にするように頭を撫でてしまった。ぼんさんの方が背が高いので背伸びして。
「ねえねえおんりー、やばいよ?」
おらふくんがコソッと話しかけてきた。
「どうしたの?」
「写真撮られてる」
「!?」
「ほら」
おらふくんが指さした方を見ると、女子高生位の人達がカシャカシャと写真を撮っていた。
「……どうしよう」
「おれ、言ってくる」
Menがスタスタと歩いていった。
「写真撮らないでください、盗撮ですよ?」
「えー、いいじゃない、ちょっとくらい」
「そうよそうよ」
「本人たちに許可を取らずに写真を撮るのは盗撮ですね。警察呼びますよ?嫌だったら今の写真、履歴まで全部消してください」
Menが少しも気圧されずに言い切ると、観念したのかMenにスマホの画面を見せながら写真を消した。
Menが戻ってくる。グッと親指を立てられて、おらふくんと一緒に笑いながらグッとやった。