家へと帰り、急いで自分の部屋へと駆け込む。
久しぶりに大号泣した姿を、家族に見られたくなかったからだ。
ベットに横になり、枕へと顔を埋める。
枕からは俺のすすり泣く声が漏れていた。
数分経っただろうか。
涙も止まり、目元が少し赤くなっていた。
俺は、絃歌が好きだ。 多分ずっと前から。
じゃないと、この涙に理由がない。深く、深く愛していないと、これほどの涙は出ないだろう。
絃歌は、俺が走り去る前、どんな顔をしていた?
驚く顔?悲しい顔?いや、絃歌に限って悲しい顔などないか。
絃歌には、俺の涙が見えたかなぁ。見えてないといいなぁ。
軽いことを考えていると、インターホンが鳴らされたことに気がついた。
出たのは多分母さんだろう。
話してるのは、誰…?男?
いや、これは絃歌の声だ!
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