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翔陽が角名さんのスパイクをレシーブ。全員が集中を途切れさせることなくボールを繋ぐ。
摩浪『赤木さん!』
レシーブ最高。そっから侑さんのトスがくる。跳ぶしかない、俺の武器はこのためにあるんだから。スパイクは蛍が触り、田中さん、飛雄、そしてエース東峰さんまで繋がった。
影山「東峰 さん!」
摩浪『綺麗なトスだね』
ブロック3枚。止めれると思ったその時、東峰さんが打つタイミングをズラして来よった。角名さんの手に当たり、そのままコート外へ。
烏野マッチポイント。治さんから圧と殺気を感じた。侑さんも感じ取っただろうけど、ボールが上がった先にいたのは角名さん。[28-28]
粘り強いブロックや強気のサーブ、激しく長いラリーが続く。エース によるスパイクは変わらず強烈で会場を盛り上げる。そんな中で静かに、ひっそりと攻撃が決まるともっと盛り上がるんだよね。
摩浪『(やってくれたな飛雄)』
飛雄がツーで烏野が再びマッチポイント。そして蛍がサーブの番になった。さっきまでのサーブじゃない、ギリ届くか届かないかのサーブを入れてきた。
摩浪『前っ!』
レシーブ乱れて、大耳さんのレシーブからラストに俺が打つ。
「チャンスボール!!」
烏野速い。攻撃が来る度にスピードが増すし、こっちを崩そうとする。ブロックもレシーブもスパイクもセットアップも加速してる。でもこれは、あっちが自分で自分の首も締めていくプレイだ。その時
日向「オーライッッ」
これで何回目だろう。翔陽はこの試合で成長してるし、その成長スピードも他者の比じゃない。安定したレシーブで味方に余裕を与えた。
摩浪『絶対に取らせねぇぞ!!』
周りをよく見ろ、視野を広くしろ、頭をクリアにしろ。相手のスピードに負けるな。
田中さんのスパイクを大耳さんが止める。飛雄も素早く反応しレシーブ。蛍が触れ、ラストは澤村さんが上げる。
侑「前ッ」
レシーブ繋がり、侑さんと治さんが速攻の体勢に入る。あっちはまだ戻れてない。
摩浪『!』
速攻が発動した。しかし、翔陽と飛雄がブロックしボールが宙を舞う。誰もが「終わった」、そう思った、
摩浪『まだ!落ちてねぇ!』
床を思い切り蹴る。必死に伸ばした手はボールに届き、俺は右腕を振り上げた。
摩浪『侑さん!!治さん!!』
ツムサム「ナイッス!!」
双子速攻が再び発動し次こそ決まる。良かった。
侑「ナイスや!まな……」
赤木「!」
稲荷崎の皆が俺の所に走ってくる。
銀島「大丈夫か!?」
摩浪『あはは…心配し過ぎですって』
レシーブした直後、俺は床に叩きつけられながら転がった。かなり強い力で床を蹴り過ぎたみたい。
黒須「頭とか打っとらんか?」
摩浪『はい。ギリのとこで受け身取ったんで』
北「腕と足、見るから」
確認をしてもらった。ぶつけた部分に痣はできてたけどとくに異常は無かった。
北「問題無さそうですね」
黒須「せやな。摩浪、まだいけるか?」
摩浪『誰に言ってるんですか?最後までやらせて下さいよ』
黒須「言うと思た」
俺は立ち上がって、主審に謝罪しに行った。そして烏野の監督、コーチ、マネージャー。選手達にも。
摩浪『時間取ってすんませんでした』
武田「僕たちは大丈夫ですが、紅月くん怪我の状態はどうですか?」
摩浪『怪我は無いです』
武田「良かった。無理だけはしないでくださいね」
摩浪『はい。ありがとうございます』
後ろを振り向き稲荷崎コートへ走る。
あと2点、俺たちが勝って先に進む。