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[32-32]
あと2点、体力消耗しても酸欠になっても、この2点を取るまで俺たちが勝つまでやめない。プレーを止めることは無い。ローテが回り俺は前衛。侑さんも大耳さんもいるしね安心する。だけど頼ってばかりはダメだから。
尾白さんのサーブ。スタミナも限界に近いけど、それを感じさせない強烈サーブを相手コートに打ち込む。澤村さんがレシーブ、変人速攻くる。
摩浪『ワンチ!』
赤木「オーライ!」
こっちもレシーブ成功。侑さんと目が合い頷き、俺はトスのモーションへ彼は助走にはいる。
影山「日向!ブロック揃えろ!」
日向「わかってる!」
影山「(体の向きはライト。でもレフト、バックアタックの可能性もある)」
侑さんにブロック2枚、大耳さんに1枚。あっちの後衛も位置取り完璧。どっち上がるんだろう?って皆思ってるだろうけど俺は……、ツーを選択。俺の体の向きはレフト、あっちから見ればライトだね。左手でボールを強打し相手コートに落ちる。
[33-32]
侑「はぁっ!?」
影山「ツーかよ!」
摩浪『さっきのお返しな、飛雄』
飛雄にそれだけを言ってコートに戻ろうとする。そしたら翔陽がいきなり
日向「おぉ!摩浪すげぇ!」
摩浪『感心してる場合か笑』
影山「日向ボケェ!敵チーム褒めてどうすんだボケェ!早く位置戻れ!」
日向「うっせぇな!」
摩浪『はいはい喧嘩しない』
口喧嘩を終え、定位置へ戻る。そんで次のワンプレーもかなり長いラリーが続いた。全員がスタミナ限界の中で動きを止めることなく、拾って、上げて、打って、止めて、繋げてを繰り返す。翔陽と飛雄もフラフラ状態になってる。
翔陽のブロード、レフトに走ってくる。
摩浪『ワーンチ!』
日向「あ゛〜!もう!もっかいだぁ!!」
着地後すぐに助走に入る。
摩浪『レフト!』
侑「摩浪!」
こんなギリギリな状態でも綺麗なトスを上げるんだよあの人は。皆が繋いだこのボールを俺は絶対打つ。あっちもブロック3枚揃えてきた。
飛べ飛べ、あっちよりも、翔陽よりも高く飛べ。床をもっかい蹴り俺は空中へ。さっきより相手コートがよく見える、ブロッカーの手は見えない。
摩浪『最高だよ』
手元にボールがきた。それを今日1番の渾身の力で叩く。ブロックの上から決まった一撃は誰の手にも触れることなく烏野コートへ落ちる。
摩浪『よし…』
俺が着地すると笛の音がなる。そして34-32、稲荷崎に得点が入り試合終了。次の瞬間、会場中から歓声が上がり俺の体の中にビリビリと響く。
後ろを向き歩こうとすると双子先輩に飛びつかれ転けてしまった。
摩浪『わっ』
ツムサム「ナイスキー!!」
摩浪『うっさい、耳元で叫ばないでください』
侑「最後の最後で跳んだなぁ!やっぱ凄いわぁ!」
治「うちの摩浪はやっぱ強いな!」
俺の話は聞いていない。でも2人共めっちゃ嬉しそうにしてる。他にも集まってきた先輩や同級生たちにも囲まれた。
摩浪『分かりましたから離れてください。暑苦しいし……整列もしないと』
侑「嬉しくないんか!?勝ったんやで!」
摩浪『嬉しいっすよ、めっちゃね』
赤木「双子、1回摩浪から離れて立つ」
双子先輩が離れたあと、差し出された赤木さんの手を取り立ち上がる。そして両校が整列し挨拶と握手。すると
西谷「摩浪!」
摩浪『はい』
西谷「サーブ前より強くなったな!」
摩浪『あざす』
田中「ストレート、今度はもっと強化してくるから待ってろよ!」
次々と烏野メンバーから声を掛けられる。殆どが褒め言葉たったからちょっと照れ臭い。
摩浪『蛍のブロック、プログラムみたいに精密だったな。忠はジャンフロも強くなってた』
山口「うん。良かった、ありがとう!」
月島「次はちゃんと止めてあげるから」
摩浪『それは大いに楽しみ』
握手とちょっとした会話が終わり、それぞれの応援団へ挨拶へ向かう。でも侑さんだけは飛雄と翔陽になんか言ってる。
侑「インターハイで潰したるから覚悟しときや」
治「負け犬の遠吠えか」
侑「はぁ!?俺は別に負けたんとちゃうぞ!」
喧嘩するほど仲良いって言うしほっとくか。
日向「摩浪!」
摩浪『ん?あーおkおk。飛雄、すぐ終わるから先戻っててくれる?』
影山「おう」
飛雄が戻った後、俺と翔陽はネット越しに
日向&摩浪『今日もおれが負けた/俺が勝った』
日向「超悔しい」 摩浪『超嬉しい』
俺が嬉しいと言うとすんごい顔で見てくる。
摩浪『どーどー』
日向「おれは馬じゃねぇよ!」
摩浪『知ってる』
日向「やっぱ摩浪は強い、小学校の頃から」
摩浪『そうだね、でもそれは表。真から強いのは翔陽の方だよ。お前はずっと傍にいて笑わせてくれたし、あの時も泣いてた俺を泣き止ませてくれた』
日向「摩浪は大事な幼馴染で親友だからな!」
摩浪『俺も一緒』
俺らが会話していると周りにカメラやら取材陣が群がって俺たちを囲んでたけど、翔陽は全然気づいてない。
日向「でもやっぱ……!」
摩浪『?』
日向「負けたの悔しい!」
摩浪『だろうな笑』
日向「今日は絶対勝てるって自信あったのに!」
本当に悔しそうな顔してる。
澤村「おーい、日向ー整列」
影山「日向ボケェ!早くしろ!」
北「摩浪、整列せんと遅れてまう」
侑「急がんと時間無くなるで!」
先輩らに呼ばれることに気付かず翔陽は言葉を続けた。
日向「でも!おれらの方が強かった!」
烏野「!」
日向「そりゃ結果的には負けた、それでも!おれ達の方が強い!」
俺はその言葉を聞いた途端、嬉しくなって笑った。そして自慢するように翔陽にこう告げる。
摩浪『そうだね、確かに烏野は強いよ』
日向「だろ!」
摩浪『でも、俺の仲間の方がそっちの何倍も強いもんね(*`艸´)ニシシ』
日向「こっちのセリフだし!」
翔陽と黙ったままお互いを見つめ合う。
日向&摩浪『ꉂ(ᵔᗜᵔ*)』
日向「また来年な摩浪!」
摩浪『おう!大好きだぞ翔陽!』
日向「おれも!」
握手すると翔陽がネットを越えてハグしてきた。前と比べて強くなっちゃって。俺も負けじと抱きしめる力を強くした。そのタイミングで取材陣のカメラが一斉に俺らを撮り始める。
日向「ひぇっ!?いつの間に!」
摩浪『はいはーい、撮影は後にしてくださーい。澤村さん、飛雄、翔陽のことよろしくお願いします』
澤村&影山「おう」
日向「イナリザキの主将さん!あと侑さん!摩浪のことおねがいします!」
北「2人はそっくりさんやな。わかった任しとって」
侑「ほいほーい」
お互いのチームに戻り挨拶を済ませる。その後、俺は月バリとテレビ取材に呼ばれ、もう少しの間だけユニフォームを着ることになる。