『えー、会議室集合』
二十日ネルの無線での一言。
何も言われていないため、他の警察署員はざわざわしていた。「何?」「皇帝ついに汚職したか…」「我ここにいるわ!」など色々な声が聞こえてくる。
正直会議は嫌だ。面倒だから。もちろん俺はシリアスも出来るが………。
とりあえずイライラしたので、後でキャップを殴ろうと決心した。
階段を登って降りて、会議室に向かう。いつになっても警察署は慣れない。
「全員揃ったね?じゃあ話をします」
「ネルさん、これってシリアスですか?」
「いや、全然」
何だよ、違うじゃねぇか。まぁ良かったけどな。
とりあえずウロウロしてアオセンに手錠される。それなら何の話だろうか。
「えーと、今は冬ですね」
「ネルセンついに頭まで可笑しく…」
「んー?」
「アッ何でも」
「そうだよね?で、最近めっちゃ寒くて警察も上着を着ながら事件対応とかしたいじゃないですか」
「わかる」
だから私服OKだと?特殊刑事課なんていつも私服みたいなもんなんだが。
「だから、上着とか私服で事件対応していいです!ちなみに特殊刑事課もアロハとかはやめてね」
「何でっスカァ!?」
「手錠しててよかったわ」
「いや、風邪引かれても困るし。たまにはいいじゃん!」
「…俺が?私服??じゃあ適当でもいいっすか???」
「圧が凄い気がするけど、あったかいのなら何でもいいよ」
適当ならいいか。別にコートでも着とけばいいだろう。
「じゃあ、解散っ!」
「服、なァ……」
(お洒落とかそんなしないし、だから何がいいのかわからん。てか適当とは言ったけどあったかいやつか…)
「あ、これいいな」
選んだのはシンプルなTシャツ。柄は真ん中に四角が二個合わさったみたいな…つまりはかっこいいやつ。
そしてズボンは少し緑で、キャンプなどに着ていきそうなもの。これお洒落じゃないか?と我ながら思う。
(せっかくだしサングラスもお洒落にすっかなぁ)
そしてサングラスの色を緑に変えた。何かこういうレンズに少し緑があるのってかっこいいよな。
(…………待って、これお洒落楽しいな)
お洒落の楽しさに気付いてしまった。これは楽しいかもしれない。
そしてジャンパーは白と黒のシンプルイズベストだ!
「え、かわい」
誰にも見られていなかったから良かっただろうが、かなりオフなつぼ浦だった。
警察もよく着けているしっぽ。いや、これはしっぽと言うよりかはお花。
まぁ、ケツから可愛いお花が出てるって感じか。あ、咲いてる?だけど茎あるし…??
まぁいい。これはあたたかいお花らしい。簡単に言えば歩いているうちにカイロがシェイクシェイクされて自動的にからだがぽっかぽかに…うん、難しいな。ちくしょう。
「無事に決まったぜ」
試着したが、かなり良いと思う。
…だけどこの髪型には合わないかもしれない。どうしよう。
……いっそのことセットしなくても、お洒落っぽくなるかな?明日やってみよう。
「…おお!!いいな!!」
やっぱり案外お洒落。やったぜ。
『特殊刑事課つぼ浦匠、ON DUTYッッ!!!!!!』
『ナイスデューティー!!』
『ご機嫌だな、つぼつぼ』
『キャップおはようございます!』
あからさまに上機嫌な声で出勤する。
身体も暖かいし、いつもと違う服で新鮮だし何だかんだお洒落っていいなと思う。
「お!つぼつ、は?」
「キャップ!ちゃんとコートっすね!おはようございます」
「は?誰だお前」
「…はい?特殊刑事課のNo.1 エリートつぼ浦匠っすけど」
「え、本当に誰??」
『すまん、本署前来てくれ。つぼつぼっぽいつぼつぼじゃないヤツがいる』
いや俺だが。正真正銘つぼ浦だが?
まァ、髪もセットしてないし服も違うしサングラスの色も違うしアクセサリー着けてるけど。
「ちょ、キャップ!!何するんですか」
「手錠しないと落ち着けん。お前は誰だ」
「だからッ、つぼ浦ですって」
「こんなイケメンだったっけ…確かに男前ではあったけどクールっぽくはなかったよな?しかもお花のしっぽギャップかよ」
「何ブツブツ言ってるんすか」
「どうしたんだキャップ、それにつぼ、…え??」
「たこ署長!!こいつ誰だ!?」
「じゃあ電話かけてくださいよ」
「うわァ!!つぼつぼにかかった!!!やばいマジかよ!!?!?」
「最初から言ってるじゃないっすか!」
ザ混沌。圧が凄すぎて俺でもちょっと困惑してるぜ。
「可愛いなつぼつぼ」
「たこ署長、ショタコンなのか」
「違うわ!!」
(可愛い……?)
「だぁぁ!!もういい!!」
「つぼつぼ!?どうしたんだ!」
「テメェら吹き飛べッッッ」
「つぼつぼ!!ロケランはやめなさい!」
本当に埒が明かねぇ。何が可愛いだ。俺はかっこいい南国刑事だぞ。
ロケランを構えると、キャップが少し微笑みながらこう言った。
「顔、赤いぞ?w」
「、、~~~~~~ッッッ!!!!!ほんとに吹き飛ばすぞゴラァ!!」
「まぁまぁ、たまにはいいじゃないか。つぼつぼ…」
『今の銀行、こちはんでした~警察集合とのことでーす』
またまた埒が明かないでいると、アオセンからの無線での一言。
こちはんか、ちょうどいいし行くか。
『了解ィ!』
返事をして、そそくさと本署を出る。
「つぼつぼ、私も向かおう」
「…ッス」
「ほらほら、また赤いぞ?私は可愛い部下がいて嬉しいぞ」
「……ぁりがとう、ございます」
「これがギャップか。最高だな」
「おっさんっすね」
は?とキャップの声が聞こえた気もするが、勘違いだと思い無視をする。
ライオットに乗り込み、銀行に向かう。
「今回のこちハンは、「当てろ!ドキドキ警察ゲーム!」だ!」
「あー、察した」
「待って説明してくれ」
「ルールは簡単!!私服の警官を当てるだけだぞ!参加者はこちらで決めた!ギャング代表はヴァンダーマーさんとウェスカーさん、警察は皇帝さんとらだおさん!」
着いたら何か始まってた。
あー、警察が私服だからってことか。なるほどな。
「じゃあお前ら!目をつぶれ!!」
「はーい」
「何で?」
「おい、来てくれ 」
「は??」
何か連れていかれた。何で?まさか俺がその警察うんたらゲームってのに…??
銀行の中に連れていかれ、アドミゲスハンに一言ぶちこまれた。
「つぼ浦、だよな?」
「そうだが。何だよ」
「これからお前に外に出てもらう、ルールはわかるな?」
「最悪だ… 」
「いいんだよ、お前イケメンだし最初俺わかんなかったぞ」
そう言ってアドミゲスは外に出ていった。出てきていいぞ!と大声。
(マジかよ……………)
とりあえず外に出た。何かざわざわしてるぜ。
「こいつと直前に話したやつはヒント与えるなよ!!」
「了解」
何となくぼーっとしていると、アオセンが口を開いた。
「え、誰?」
「イケメンだな!」
「綺麗すぎやしませんかね」
「こりゃわからん」
喋りたいけどダメだから喋れない。
(ちくしょう、)
「ヒント!」
「わからねぇ……」
「うーん、いつもとは全然違うかな」
「そらそうだろ!わかんねぇんだから」
何で誰もわかんねぇんだ?正真正銘のつぼ浦匠だぞ。
はぁ…とため息をつく。
「誰もわからないか?じゃあ答えを言うぞ!!」
「誰なんだろう、皇帝わかった?」
「わかるわけないだろう」
「ヴァンさんもわかんないすよね、」
「わからん」
「じゃあ、お前には1億あげるぞ!
___つぼ浦」
はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?!?
キーン、と耳鳴りがなる。ちょ、まて、みんな声がデカイんだが。俺よりデカイぞ。
みんな「え、」「んなわけ」「嘘だ!!」と騒いでいるが…俺は
「俺は特殊刑事課つぼ浦匠だ!!」
「つ、つぼ浦」
「ア?なんすかアオセン」
「かっこいいし、可愛いね」
ぽっ
「つぼ浦が照れた!!?」
「わし、え、つぼ浦な訳、は??」
「顔あっか」
「可愛い~~!!」
「か、っ」
どうにか反論したかったが、みんなの圧が凄くて反論できん。ちくしょう。
別に照れてない…からな!!
「可愛く、ねぇ!!」
「つぼ浦、餡ブレラ来なよ」
「mozu」
「警察でしょ!!?」
「…テメェらァ、!!!!ぶっ飛びやがれゴラァ!!!!」
結局オチは爆発で、しばらくつぼ浦は色々な人にいじられたらしい。
コメント
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つぼ浦匠が桜口つぼ男、略してぐちつぼになったのか!!!(?)