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#三角関係
霞花怜
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#イラスト部屋
寿命㌫(主) 🔮🖤ᩚ
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これでも精一杯、怒りを込めて睨みつけているつもりだ。だが、元からの柔らかい顔立ちとたれ目のせいで、瑞樹にはまったく恐怖感を与えられていないのだろう。どこか背伸びした小動物でも眺めるような、生暖かい視線を向けられているのが伝わってきて、柊吾はもどかしさに唇を噛んだ。
「ですから、俺は何も……」
「僕、そうやって勝手にされるの、好きじゃないです」
誤魔化そうと笑みを深めた瑞樹の言葉を、柊吾はきっぱりと遮った。
その一言が、思いのほか瑞樹の胸に突き刺さったらしい。
「……っ」
さっきまで余裕を崩さなかった男が、分かりやすくショックを受けたように絶句する。眉をハの字に下げ、まるで捨てられた大型犬のようにシュンと肩を落とした。
「……すみません。柊吾さんに嫌がられるような真似をするつもりはなかったんです……」
瑞樹は弱々しく息を吐くと、ぽつりぽつりと真相を語り始めた。
実は、叔父たちを直接叩きのめし、恐怖で平伏させたのは瑞樹ではない。実際に二人を物理的・社会的に追い詰めたのは、瑞樹の兄である大樹だった。
瑞樹がしたことといえば、叔父の会社の資金繰りや裏の不正、翔の素行を徹底的に調べ上げ、その「決定的な弱み」を全てデータとして大樹に渡しただけ。
叔父は自営業の裏であくどい事をしていたらしく、特に翔に関しては、犯罪ぎりぎりの行為を日常的に行っていたようだ。
あとは大樹がその圧倒的な威圧感と手腕で、叔父たちを反論の余地もないほど完敗させたのだという。
「……どうしても、柊吾さんを痛めつけるあの人たちが許せなくて……」
弱々しく消え入りそうな声で、瑞樹は絞り出すように言った。
柊吾を傷つける存在を排除することに迷いはなかったはずなのに、当の柊吾から明確に拒絶されたことが、よほど堪えているらしい。
「でも……あの、手紙の存在はどうやって知ったんですか? 僕、誰にも見せていないし……まさか、部屋に盗聴器か盗撮カメラでも……!?」
思い当たる可能性にゾッとして思わず距離を取ろうとすると、瑞樹は「ち、違いますっ!」と大きく両手を振って必死に否定した。
「そんな真似、絶対にしていません……! ええと、大樹にすべてを暴かれたあの日……、玄関先に落ちているのを俺が見つけました。勝手に読んでしまったのは……本当に、すみませんでした」
いつもの冷徹で完璧な影は消え去り、柊吾に嫌われるのを心底恐れるように、瑞樹はどこまでも小さくなっていた。
「あぁ……」
瑞樹に手紙の事を相談しようと持って行ったのは自分だ。よりによってまさか、落としていたなんて。
「大樹に話したのは……、まぁ、僕と柊吾さんの関係を壊した罰みたいなもので……」
「――ほんっと、人遣いが荒いったらありゃしねぇ」
「!?」
突如降って沸いた声に驚いてそちらを見ると、眉間にしわを寄せ不機嫌そうに顔を顰めた大樹が立って居た。
コメント
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柊吾が「勝手にされるの好きじゃない」って一刀両断した瞬間、瑞樹のあの余裕が一瞬で崩れるのが本当にいいなと思いました。あれだけ柊吾を守ろうと動いてたのに、本人に拒絶されるのがこれほど堪えるんだなって伝わってきて…大型犬みたいにしょぼくれる瑞樹、初めて見たかも。そして大樹登場!ラストのタイミングが絶妙すぎて続きが気になりすぎます!